(経済)

1) 暗黒の月曜日とか、魔の月曜日とか、過去10年で最悪の数字とか世界の株式市場に関するショッキングな見出しが毎日のように続くと、私たちの神経も麻痺してきますね。ウォール・ストリートは過去94年で最悪の1週間だったらしいですよ。
しかしもちろん悲劇は継続中で、さらに大きな穴が目の前に空いているようです。アメリカのCDS(債権破綻保険)は実質上もはや存在しないので、一つの銀行の破産は他の銀行にも影響し国の援助で立ち直れる状態に無いことは明白です。アメリカの破綻は世界に同時に伝播し・・・
チリでも最悪事態が起こりそう。政府は南米でもっとも健全な財政状態は我が国ですと胸をはっているが実態はどうか?
銀行の中では積極的に海外進出したA銀行は、その失敗で巨額の赤字と言われるし、デパート業界で大手3社のうち2社が危ないらしい。そのうちの1社はサンティアゴに巨大ビジネスセンターを建築中だが、完成前に赤信号。この二つのデパートがつぶれると、その関連のスーパーマーケット、工具店がはいっているあるショッピングセンターの1階は半分の面積が消えてしまい、そこを埋める店がでてこなければ、そのショッピングセンターの消滅になりかねない。
今週、コンセプシオンに行きましたが、そこで建設中のショッピングセンターが工事途中で中止になったと聞きました。苦肉の決断ですが、正しいでしょうね。

2) チリの輸出のエースたる銅の価格の低下が顕著です。それにつれて少し前まで儲け頭だった世界の銅生産会社の株は軒並み半減しています。
ところが、そんな状態の中で日本の会社がチリで新しい銅鉱山を始めます。カセロネスと呼ばれるその鉱山はコピアポの内部で10億ドルの投資とか。大丈夫かな?日本の会社は今まで欧米チリの会社の共同経営者にはなっても日本単独でチリ鉱山開発は初めての由。

3) しかしそれにもましてチリ全般に影響しているのはドル高ペソ安です。なにしろ1ドル400ペソ近かったのが1ドル600ペソを越え、さらに上昇中。これは輸出業者にとっては神風で、つぶれそうだった経営に恵みの風になっています。しかしドルで借金をしている業者は青息吐息、倒産が目の前かな。このため原油価格が急激に下がっているにもかかわらず、小売のガソリン価格は下がっていません。
ドルなんか将来は紙くずになる可能性があるのにまだ高く買われているのですね。