(経済)

1) アメリカがまだまだこけそうなので、チリはその外圧をどう凌ぐか舵取りが心配されています。
   アメリカの金利政策と明らかに異なりチリ中銀は金利6.25%をキープすることを発表。強気ですね。アメリカの3%とは大きな差がついています。
それから世界的に今週は株価が下落しましたが、サンティアゴでも2.8%のダウン。今年通算では10,4%のダウンはきつい。
これがAFP(民間会社の運営するチリの厚生年金システム)に直接影響し、毎月積み立てをして老後に備えている労働者を圧迫しています。チリのシステムでは5種類の選択があり、加入者はそれを自由に選択できます。Aが一番危険度が高いが見返りも大きい(ほとんどの原資を株に投資)逆にEは安全第一で利益は余り期待できない。最近、このシステムの中で加入者が安全性を求めて自分のランクを変え始めたとニュースに出ました。私はCに入っていますが、今回約10%の損をしていますのでこれを取り戻した段階で安全性の少し高いDに変えたいと考えています(でもうまく年初の損を取り戻せるかな?その前にアメリカの落ち込みが再度あり、世界を強襲したら、もうあかんようになってまうわ!!)

2) 1月の物価上昇率はゼロで10ヶ月連続の上昇にピリオドをうちました。
このため今年度の物価上昇率も前年末に予想された4.5%からやや下がった4%に下方修正されました。
また国民総生産も昨年の5.1%より低い4.7%の見込み。
一方ドルは少し持ち直し、1ドル470ペソをやや越えたところで週を終えました。

3) チリ経済成長に陰りが出ている原因の一つにエネルギー源確保の問題がありますが、水力発電ダムの建設を強力にすすめそうです。第11州に建設予定のそのダムは環境破壊の恐れがあると今までも強い反対運動がありましたが、政府をそれを押し切って建設に掛かりそうです。
内務大臣がそのダム開発推進を二日連続でアピールしたため、環境保全グループから今までの話し合い(ダム建設は環境破壊の恐れがあるため建設実施までに十分な調査をする)を一切無視したこの問答無用のやり方がバチェレットの新しいスタイルなら私たちにも考えがあると反発。アルゼンチンを巻き込んだ戦いが始まりそうです。それはこのダムに貯める水の一部がアルゼンチンから流れ込む水を含んでいると言うもの。
原住民問題でバチェレットと異なった見解をコメントした彼が水力発電用ダムでもまたドジかな?
その問題とは別に目前の3月危機をなんとか電力カットをせずに済むよう対応策を検討中。その一例として一般家庭に消費削減を呼びかける、省エネの電灯の使用を薦める、ボルトを下げる(10%)、例年より夏時間の終了を延長する(3月末まで)などです。どうなるかな?

4) コデルコ銅公社の昨年の生産は170万トンで過去数年で最悪の数字を記録しました。これは前年より9万トンの減少。
ただし銅の高値(07年は06年より6%アップ)にすくわれて利益は確保。
今週も最近3ヶ月の最高値を記録し、生産が上がっても下がっても利益は十分と言うなんとも楽勝なシナリオが継続です、
この生産ダウンの理由の一つに下請け労働者争議問題があります。これに関連して下請け労働者をコデルコ本社が採用するよう労働省が働きかけていましたが、これに反対する鉱山省と対立。同じ政府内で見苦しい争いをしています。地方裁判所の法廷では一応コデルコ側が勝利を収めましたが、最高裁判所までもつれこみそう。
政府内で両大臣が人目のある所では争わないよう指導しているらしい。
その競争相手の民間会社エスコンディーダは昨年65億ドルの記録的な利益を出しました。売上が101億ドルで、その利益額ですから如何に利益率が高いかわかりますね。通常の税金が13億ドル、ローヤリティ税が3億ドル。これだけ払っても純益の大きいこと・・・
その親会社BHPは競争相手のリオ・チント社の購入を工作中でこの買収が成功すると同社がコデルコを抜いて世界1の銅生産会社になります。