(政治)

1) バチェレットが夏休み中なので、全然盛り上がりません。失敗続きのトランサンティアゴの1周年記念(1周忌とは言っていません)がこの10日になり、集会がありましたが、今ひとつ迫力にかけました

2) 大統領が夏休み中の今週で目に付いたのは、陸軍将軍サンテリセが人権問題関連の批判を受けで辞職したことでしょう。これは73年に起こったアントファガスタの死の行進事件の時、一軍人としてそれに関与していたとして、その責任を取って辞職させられたもの。
いつまでこうした責任問題が継続するのか、そんなおかしな人物を昇格させたバチェレットの責任はないのかなどが取りざたされています
しかし1973年、左翼主義者が多数虐殺されましたが、20歳だった若い下士官の彼が上官の命令で彼らを死の行進に誘導していったことが問題視されているわけです。ピノチェットから出た命令が、アントファガスタの長官に伝わり、それが下士官の彼に来たのですから、そこまで責任問題を拡大すると、現在の陸軍上層部は全員辞職になることは間違いないでしょう。ラゴスの時代は裁判で有罪になれば免職する方針だったのですが、今回は裁判無しに辞職に追い込みました。

3) 内務大臣が原住民(インディへナ)問題で国際視察団を歓迎すると発表。フランスの元大統領ミッテランの奥さんが中心となった組織「自由フランス」はチリには原住民問題が存在しインディへナが政治犯として投獄されていると発表しています。その他にもボリビアのモラレス大統領、ウルグアイの組織もチリのこの問題に注目しているらしい。従い彼としては問題の解決・軽減に国際機関の提言はありがたいとその受け入れを表明したもの。しかしそのコメントのあった翌日、政府発表としてチリ政府は「私たちは国内問題を解決する力を持っており外部の助けを借りる必要はない」ときっぱり。これって内部の意見調整のないことをあまりにもはっきり出していますね。もちろん、内務大臣のコメントが新聞に出た後、休暇中のバチェレットが南から電話をして、政府見解を替えさせたのでしょうね。ちゃんと筋書きが見えます。