(一般)

1) 今週の話題のトップはテレトンですね。金曜日の夜から27時間ぶっつづけで全テレビ局の同時中継でおこなわれたチャリティー番組です。13億ペソ(約2億8千万円)が献金されました。それは事故や病気で障害をもつことになった子供を助けるための施設の建設とその運営費用に充てられます。
チリの有名タレント・歌手・俳優が総出演して、テレビを見ている人間に援助の必要性を訴えるわけですが、確かに困っている家族にとっての救いの手です。番組の出発時点でバチェレットを始め,多くの閣僚が会場に出席していました。そこでステージに立ったバチェレットは「本当は政府がやることなんですが,私たちが無能なばっかりに皆さんに迷惑をかけています」とは、もちろん、言いませんでした。

2) 二つの新聞に国際機関の調査結果としてチリの教育ランクが発表されました。その一つはOECDの発表で言語,数学などを15歳の生徒を使ってランク付けするもの。世界57カ国中,チリは40位でした。前回よりランクが上がり,ラテンアメリカではトップだったので関係者は喜んでいます。因みに1位はフィンランド,香港が2位。日本は6位で,中国の後塵を拝しました。しかしアメリカは57カ国の平均をわって29位ですから,もう少しまともに授業した方が良さそうです。アメリカの落日は近い,ドルの没落はもうすぐそこだと私は感じています(あれっ、関係ないかな)
しかし不思議なのはもう一つのユネスコの発表で、(同じ週に,違う新聞に掲載されました)ここではチリは129か国中37位でした。そのランクだけ見ると、国際協力開発機構も国連の調査も似たような結果だなと思われますが,実際はあっと驚く・・・です。何しろこっちの調査には日本はチリの前には出てきません。ここの1位はノルウェイですが、それはもう一方の調査では33位。それだけでなく3位のカナダもチリより後ろ。つまり両方の調査の結果があまりにも違いすぎ、信憑性を著しく落としているようです。それからOECD調査では香港が2位,中国本土が4位,マカオが17位と中国の上位進出が目を弾きますが、韓国より上というのはちょっと不思議な気がします。

3) 泥棒問題
これは最近のチリ(とくにサンティアゴ)では珍しいことではありません。私の住むアパートで今週,住民総会が開かれそこで安全性について話あいました。さて今週,それが特に話題を呼んだのが被害者に有名人が続出したことです。スポーツ関係では元世界1位のテニスプレーヤーのリオス,サッカーのサラスが被害にあい、芸能関係では最近スキャンダラスな話題を提供した元ミスユニバース(元アルゼンチン大統領メンネム夫人)のセシリア・ボロッコ、さらに彼女の妹(テレビタレント)も続いてやられました。女性運転手が信号待ちをしているところへ若い男が近づき石で窓ガラスを割って中に置いてある物品を持ち去る荒っぽいやり方がはやっています。

4) 捕鯨問題
先週のチリの風でもお知らせしましたが、捕鯨に反対するグループが日本を批判し,日本大使館にデモをかけました。
私の勤務先の会社でもクレームされましたが、その時,私は「牛やブタを虐殺してそれを食べているチリ人が日本が動物を殺すことにクレームするのはおかしい」と言います。さらにクジラは絶滅しつつあるに対しては科学的にどの種が絶滅の危機にあるのか,どの種は自然再生産が順調におこなわれているのか確認しないで,単に捕鯨反対を叫ぶのは非科学的としています。チリの中でも、ある種の動物が絶滅の危機にあるのにそれを保護する声がなく捕鯨反対をさけぶのは単なるファッションみたいなものでしょう。大使館からデモ隊に近づかないよう勧告が出ていますが、この先しばらくは街を歩いていると、日本人と見ると急に捕鯨反対なんか言われるかもしれませんね。テレビのコメントで日本人の96%はクジラを食べたことが無い(もしくは食べる習慣が無い)から捕鯨をしなくても日本人社会には影響しないとするのがありましたが、そう言う人間が騒いで捕鯨が出来ないから,日本人の食習慣からクジラが消えたといいたいですね。

5) 地震のトコピジャ
何と同地区の43%の家屋は倒壊の危険があるので役所が撤去することになりました。その後に家を建設する訳ですが,税金の優遇など政府は援助する方針です。とはいえ零細な家内工業,商店、日雇い労働者などその建設資金が捻出できない家族は、遠い親戚を頼って出て行くより他に道はなさそうとか。

6) 観光船の沈没事故
先週南極で観光船が氷山と衝突した事件で、沈没した船から流失した油は幅5キロにもなり、同地区のペンギンの生態に大きな影響を与えています。(同地区周辺には約2500匹のペンギンが生息)船は現在1500M の海底に沈没しているので,船に残っているディーゼル油を抜き取る作業はほとんど不可能らしい。船長(スエーデン人)の経験不足が事故の原因かといわれているがはっきりとはしていない。

今年は約3万人の観光客が南極ツァーに参加するらしいがこの数字は年々増加しており、今回のような問題は増加するでしょうね。南極大陸のゴミ問題も深刻らしいし。