チリの風  その799 2018年9月3日―9日 

        
関西は台風で大きな被害がでましたね。私は神戸出身で家族・友人が関西に多くいます。メールのやり取りで、ほとんどの人に被害が出ているのを知りました。続いて北海道の地震。昔、12年ほど住んだ札幌が家屋破壊などで大被害になったニュースがチリのテレビにでました。どちらも早く立ちなおってもらいたいです。
私は現場での労働を二日、その他、娘とクラシックのコンサートに行きました。家屋税問題で証明書が必要になったので関係官庁で手続き、半日かかったけど無事入手。トレッキングも一日、そして土曜日のサッカー教室は夏時間になったので4時開始。大人・子供合わせて20名の参加者で楽しくプレー。小さな子供に大人と同じくチャンスが来るのがうれしいです。
日曜日のマラソンは3名で実施。ちゃんと最後まで走りました。
毎日楽しい生活を送っています。

(政治)

1) ピニェラ動向
新州を訪問しました。先週まで第8州ビオビオに属していたニュブレ(州都チヤン)が独立して新州になりました。第9州アラウカニアと共にチリで最も貧しい州です。小さな州を幾つも作ってどんなメリットがあるのか、わかりませんが。
それから今月末にワシントン訪問し、トランプと面談することが決まったらしい。その面談に何を期待するのかな?
2) 大気汚染問題                     
第5州キンテロなどの大気汚染問題は少し落ち着いたようで学校授業も再開されたのですが、今週それが一変し、また患者が病院に殺到しました。
不思議ですね。チリは世界トップクラスの技術先進国とは思えませんが、他の先進国の所有する技術を使用する力はあるはず。それなら同地区に存在する化学品を扱う数社のどの煙突・家屋から有害物質が出ているか分かるはずです。
その会社が私営でも国営でも責任は同じでしょう。何故それをバチェレットもピニェラも放置してきたのかな?
問題視されている国営石油会社ENAPの副社長が辞任しました。責任を取って辞めたのか、それを取らされる前に逃げたのか分かりませんが、おかしな動き。責任をはっきりさせる、それだけです。
ピニェラの人気が落ちてきたのはバチェレットと同じく何もしないで放置するのがばれたからでしょうか。
その地区のデモで今回は逮捕者が多く出ました。抗議行動はいつまで自分たちは被害者になっているのだろうと言う強い疑問からでしょうね。
昔、その地区に行ったことがありますが、既に汚染問題はあったので、確かに海辺の風景を素直に喜べませんでした。
3) 裁判所対国会
軍事政権下の人権問題で逮捕され刑務所に収容されている旧軍人にいろんな特権が与えられていることに関し、一定の規則が見られない、各裁判官が独自の感覚で結審しているのではないかと議員が裁判官を批判した件が国会で議論されました。議会に呼ばれた裁判官の弁護士は「問題は私たちではなくあなたがた」と正面衝突。自分たちは議会が決めた法律を運用しているだけと言うことです。さぁどうなるかな?
4) 記念行事
1973年の9月の軍事革命から45年、その軍事政権の可否を問う1988年10月の国民投票から30年の月日が流れました。その記念行事をどう実施するかで与野党間でもめています。
チリに入国したのは1979年なので、私は軍事革命の日にはチリにいませんでしたが、軍事政権継続可否の国民投票は参加しました。その頃、タイヤ関連の仕事の部長でしたが、セールスマンとトラック会社の社長に面談する時、その事務所にピノチェットの写真が貼ってあるかどうかを先ず確かめたのを思い出します???
この日曜日、セントロから中央墓地まで左翼のデモがありました。軍事政権に殺された(行方不明)人の写真を掲げてのデモ。最後は覆面グループが出てモロトフ爆弾を投げ、商店の略奪と逮捕者多数。これが来週も続きます。

(経済)

1) チリ・ディ
今週、ロンドンでチリ・ディが実施され大蔵大臣・中銀総裁に何と500名もの会社のトップが随行したとか。チリはラテンアメリカで一番安定した市場ですとアピールですね。
2) 銅価格と為替
政府・中銀は今年の経済成長を強気に読んでいますが、今週の銅価格は2.67ドル、為替も1ドル688ペソと寂しい状況。頼みの中国に勢いが戻るとは思えず、このままの状態が続くと車、ガソリンの価格が上がり、次の夏休みの海外バケーションも難しくなると言われます。
輸出側はほっと一息でしょうが。
3) 最低賃金
一時どうなるかと思われましたが、内務大臣が間に立って野党側とネゴ。新左翼共産党を除くグループと合意に達しました。多分、彼が「どうしたら合意できるかな」と聞くと向こうは「俺らの言う通りしたらね」となったのでは。   で、この9月から来年2月まで現行の276000ペソを12000ペソアップ。2020年に最低賃金を317000ペソまで上げるとか、に決まりました。

4) 物価上昇率
8月は0.2%でした。トマトの値上がりが大きかったとか。
5) 新車販売台数
8月の売れ行きは38729台と前年対比9.5%アップ、1−8月合計は27万2千台と前年対比20%の上昇。給料も上がらず失業率も増えているのに一部の層は買いマクリですね。今の内に、車の値段が上がらないうちに買っているのかな。

(一般)

1) 公証人(司法書士
チリではほとんどのことに公証人の前でサインすることが要求されます。そのため彼らの利権が大きくなり、一般市民に不利なことも多くなっています。そこで政府は二つ変革案を考えています。一つは現在、公証人の前でサインする条項の一部を区役所に回す。さらに公証人が司法書士として働くのに条件を付ける、例えば、75歳まで、最高25年とか、これが通ると風通しが良くなり、事務所の前で市民が長蛇の列をする必要がなくなるとか。

(スポーツ)

1) サッカー
この金曜日に計画されていた日本・チリ戦は札幌に地震が起きたことから中止になりました。チリ代表は現在、韓国に入り、火曜日に試合になります。
国内リーグ戦は、これらの国際親善試合が続くので2週間、お休みです。


以上