チリの風 その512 13年2月18日―24日

まだ日中は30度の日が続きますが、サンティアゴの朝晩はかなり冷え込んできました。今週もマラソン練習、山歩き、さらに日本人学校でサッカー教室としっかりスポーツを楽しみました。
水曜日、一人で10キロコースを2周しましたが、2周目のほうが1周目より1分早かったのでにっこり。日曜日の練習は10キロ2周組と12キロコース組に分かれ開始。私は12キロ組に入り、山下さんの後ろを走っていましたが、小6の安留くんに抜かれ3位。トホホ。でも病気で死にそうだった昨年のことを考えれば、文句は言えません。20K組の方は青少年組の末富、笠飯くんが先を走り、大人組みを置き去りにしました。昔、一緒に走ったの山口さんが今回の東京マラソンで3時間を切りました。毎年早くなっていく彼を見習いたいです。

(政治)

1) ボリビア問題
もう1ヶ月になりますが、まだ3名のボリビア兵は釈放されません。モラレス大統領は彼らは祖国の英雄だ、チリと争うボリビアの海の象徴だと持ち上げています。
彼らが銃を持ってチリに不法に越境したことは確認されているのだから、チリ政府も意地を張って長期拘留するより、あっさり追放処分にすれば良いと思いますが。
もちろん、そんな単純なことではなく、報道されない深い理由があるのでしょう。
とは言え、たった3名のボリビア兵がチリに入って暴れまくる可能性はないし、戦争の前触れとも思えません。まさかボリビア兵が車を盗むためにチリ領に入ったのではないでしょうね。
ボリビア政府はペルー政府と面談を持ち、ボリビア援護とチリとの更なる対決を要求する見込み。
チリは今年の中ごろ、ハーグの国際法廷でペルーから持ち出されている領海問題の結審を待ちますが、同じところで同じような問題をボリビアから持ち込まれ連続して裁判になる可能性が強まっています。日本の竹島尖閣問題と同じようなことですね。ところで先週のローマ法皇辞任について、私が想像したように、バチカン内部の抗争が深刻なようです。
2) 大統領選挙
バチェレット前大統領は3月に自分の去就について明らかにすると言っています。社会党など早くしてほしいとクレームしていますが、彼女は全く動じません。他の候補者は、与野党ともに独自に活動しているにもかかわらず、注目されることはほとんどなく、バチェレット対バチェレットと言う感じ。ほかに誰も有力候補者はいませんね。

(経済)

1) ガソリン価格の急騰
日本の場合は円安からガソリンが値上がりするのは自然だが、チリの場合、ペソが強くガソリンの値上げに為替の理由は全くありません。基本的にWTI価格は1年前と比較してほとんど同じだし、この金曜日の数字93ドルは1ヶ月前の97ドルより下がっているのは事実で、毎週のように値上げするのは実に不可解です。誰がたくらんでいるのかな?
銅の価格は最近数%下がったとは言え、まだ高値が維持されています。ただ中国の銅需要が低迷と言うニュースがあり、これから価格が下がり始める可能性もあるのかな?
一方、金の価格は低いですね。一時オンス2000ドルといっていたのが今ではわずか1600ドル。金で設けようと投資をしたおっさんは泣いているでしょう。
2) 為替問題
チリのペソは対ドルで切りあがっています。2012年の6月に520ペソくらいだったのに現在は470ペソまで切りあがっています。大蔵大臣のララインは為替問題についてこのまま切り上がっていくのを見過ごすつもりはないとしています。
また欧州・アメリカ危機が継続中で、チリがその渦中に巻き込まれない保証はないとし、他国の困難に関係なく成長を続けている現状を出来すぎ(過熱とは言わないにせよ)の可能性はあるとしています。
他国の低迷をよそにサンティアゴ地区の建築ブーム、ビーニャなどの海岸地区のリゾート建設など極端といわれるほどの動きが目に付きます。派手すぎですか。

(一般)

1) バルパライソの火事
人気の悪いピニェラは事故・問題があるとそこに行って庶民の味方のような態度を取りますが、それでも人気は上がりません。バルパライソの大火事についで、サンティアゴでも火事で死傷者が多くでました。そのたびに政府高官が出かけ、被災者を一人では置いておかない政府は全力で援助するとテレビカメラの前で約束しています。
2) 新学期
チリでは3月から新学年が始りますが、一部の学校は今週から授業が始まりました。親とすれば、今月は授業料・制服・学用品など子どもの教育費用が大きな負担になる月です。
3) ビーニャの音楽祭
国を挙げて騒ぐという意味では日本の紅白歌合戦と似ているかもしれませんが、雰囲気は全然違いますね。金曜日の前夜祭でお祭り会場に集まる歌手・タレントの服装が注目されました。どのデザイナーの手によるものかなどが報道され、テレビカメラの前でポーズを取ります。そんな中継の嫌いな私はすぐにチャンネルを変えますが、ニュースはどのテレビも同じ。ニュース専門のテレビ局にチャンネルを変えました。これから1週間、音楽祭を見るため夜遅くまでテレビの前に釘付けになるチリ人が多く出ます。メキシコのグループのマナが最初の夜を飾るらしい。
4) サンティアゴ空港
先日、客が溢れて空港の運行に支障が出ましたが、その理由は飛行場の規模が旅行客の数に見合っていないためです。
そこで2019年を目指して新空港開設が決まりました。2015年に工事が開始されます。
5) 煙草法案
3月から新法案が施行されます。レストラン業界は売り上げが大幅に下がると心配。ホテルも一部を除いてほとんど全室禁煙になる由。昔は飛行機の中でも飛行場でも煙草がすわれていましたが、今では全部禁煙ですね。それがレストラン・ホテルに連動してきたわけですね。どうなるかな?
もっともこのために喫煙者数が大きく減ると考える人はいませんが。

(スポーツ)

1) サッカー
南米のチーム別選手権で最も重要なリベルタドール杯が始っていますが、今週は最悪でチリから参加の3チームは全敗でした。がっかり。2次リーグ戦に進めるチームは出るかな?
国内リーグ戦はカトリカが2位のウニオン・カレラとホームで対戦。4対0で破って首位を堅持。この試合を伊藤・小谷さんと見学しましたが、さすがにファンは叫びまくっていました。2位はウニオン・エスパニョール。コロコロ、チリ大学とも勝って何とか面目を維持。


以上