(政治)

1) 大統領選挙
全然、熱気が高まりません。もうすぐ予備選挙があるとも思えません。
先週からの社会党の不祥事ですが、彼らは投資をして利益を上げながら所得税を払っていなかったようです。彼らのコメントでは政党は利益を目指した組織ではないから所得税を払う必要はないとか。そしたら何故投資をするのと聞かれそう。彼らに倫理感なんかないのですね。そういう彼らが法律を作るのです。その原資は軍事政権時に取り上げられたとする家屋などの補償金だったのですが、それも怪しいです。
もっともチリだけでなくラテンアメリカの各地で社会党はじり貧ですね。
共産党も似たような問題を起こし知らん顔をしています。キリスト教民主党社会党共産党と現在の与党グループとほぼ全滅状態。大統領選挙が盛り上がるわけないですね。
ピニェラは6億5千万ドル、妻は1億6千万ドルの資産を所有と公表。他の候補はカストは160万ドル、オサンドンは130万ドル、ベアツリス・サンチェスは18万ドル、マヨールは12万ドルとか。桁がかなり違いますね。
2) 警察軍の不正問題
警察軍の長官は、責任は既に逮捕されている経理担当のトップが全ての責任を負うべきとしています。もっともその彼は軍の長官の指示で働いたとしています。秘密資金(特別用途金)を引き出し、軍のトップレベルの人間の隠し給料にしていたことが明らかになっていますが、長官は自分はもらっていなかったと逃げています。ホンマかな? 
検察側は各自の持つ銀行口座の機密を外すように要求、それで金の動きがはっきりするわけです。
次に陸軍の元長官チェイレが検察に呼ばれ、8時間の訊問を受けました。彼が現役時代、左翼系の人間を逮捕し、拷問・死亡させたと言うわけです。 
さてその件で、人権問題ですが、有罪になって特別刑務所に収容されている罪人が受領している年金が多すぎると問題になっています。一般労働者が老齢になって年金生活に入ると、10万ペソ、20万ペソをもらっていますが、それらの囚人のトップは330万ペソ。一般企業の部長職の給料のようです。軍事政権以来長い月日がたっても、それらの旧軍人の特別手当に誰も手を付けようとしないわけです。
3) 大学教育の無償化
バチェレットの公約の一つですが、全然進んでいません。2016年の数字でチリでは14万人、12%の学生が無償で大学で勉強しました。アルゼンチンではそれが200万人、75%です。この数字を見るとそうかアルゼンチンはすごいと思いますが、大学生全体で卒業できなかった学生の割合はチリは29%、アルゼンチンは73%。何や、アルゼンチンでは誰でも大学生になれるんかと思わせる数字ですね。