(政治)

1) バチェレットの動向
金曜日のEL PAIS 紙1面にパタゴニアでマプチェと警察が銃撃戦とあったので、これは知らなかったと読み始めると何とアルゼンチンの事件。イタリアのベネトン社がパタゴニアで80万へクタールの大規模な土地を所有しそれを拡大しようとするのをマプチェが反対していると言う事件。アンデスをはさんで同じようなことが両国に起こってるわけですね。もちろんマプチェどうしは同志として連絡を取り合っていますね。
さてチリのケース。チリのソフォファは経営者連合としてはチリ最大の組織です。その会長が「第9州はチリの領土ではないかのようだ。マプチェが連日のように車・家屋・森林に放火しても犯人が捕まらない。また逮捕されても有罪まで行かず、今回の老夫妻の放火殺人事件では裁判にかかっている祈祷師をまるで政府が援護するような振る舞いをしているが言語道断ではないか」と正面切って批判しました。
チリ政府はそれに関し、政府の日常の行いを見てもらえないのは残念だが、すべて法律にのっとり作業を進めているとコメント。
そしてバチェレットは先日に続きまた第9州の州都テムコへ。これはバチェレットの腰ぎんちゃくが「バチェレットさん、誠意を見せましょう」と提案したので、またテムコに飛んだわけですね。意味はなくとも。彼女は肥満症なので体重は重いですが、腰は軽い。
しかし信じられますか、こういう動きがあれば普通はしばらく抗議行動は治まるのですが、昨日またカニェテと言う町の近くで家に火がつけられ、一人焼死しました。そこにあったパンフレットには、「ここから出て行け、自分たちの領土を取り戻す。今まで長い時間がたちすぎた」
2) コデルコ社長宅の爆弾事件
自然保護テロリストが同氏の自宅に爆弾を仕掛け、彼は軽い火傷を負いました。今まで爆弾事件はチリで何度か起こっていますが、このような私人(公人かな)の自宅を襲うことはありませんでした。
政府・企業などすべての組織が反対の意思を表明しています。彼らはコデルコは自然破壊をしていると訴えています。
3) 大統領選挙
候補者の一人、元大統領のラゴスが、PPD(民主のための党)から候補者宣言をしました。一時は、与党側の最有力候補者とみられていましたが、世論調査で人気が無いことがはっきりして、光は消えています。それでも最後まで努力を続けると言っています。
4) 教育問題
大学の無償化を政府は公約の中心においていましたが、ほとんど進展なし。今年は、ほんの一部の2万7千人の学生の教育費が無料になるらしい。
政府の方針があやふやなので大学同士の連携が崩れ、過去20年もなかったことだが、公立大学と私立大学が別個に総会をする事態になっている。それから大学の失業資格を取るのに大学に金を払う必要があるのも問題になっています。課程によって2百万ペソも取られるとか。何それ?
5) 税関スト
税関で働く労働者が無期限ストに突入。ボリビアのモラレス大統領はチリがボリビアの生産活動に嫌がらせをしているのは如何なものかとクレームしています。
6) 少年院問題
先年、少年院で収容されている児童に問題が起こっていると幾つもの例が発表され、少年保護組織のトップが交代しました。
しかし昨年初めに少年院で起こった少女の死亡事故は、検察の調べては当初発表の事故死ではなく、組織の従業員が殺害したことになってきています。顔に布をかぶせ、呼吸困難になった子供が、尿を漏らすとそれをとがめてさらに罰を加えるとか。
バチェレットは、それを知らなかったか、知らないふりをしたかのどちらかでしょう。