(政治) 

1) 教育改革
第1次バチェレット政権で内務大臣を務めたヨマが教育大臣エイサギレを批判。さらに学生運動のリーダから先年国会議員になったジャクソンが彼の辞任を要求しました。
中国から戻ってきたバチェレットが最初にしたことはその大臣を援護することでした。
しかしジャクソンがリーダーをする民主革命グループは、教育大臣の辞任を要求する彼の動きに同調しません。それを強く押し出せば政府を支える新多数グループから自分たちが遠ざかってしまうと警戒しているとか。
教育問題と並んで第2次バチェレット政権の2大目標だった税制改革はすでに達成していますから、この教育問題が国会で通れば、にっこり笑って4年間を過ごせるはずですが、全く逆で、始まってわずか半年で、このバチェレット政権はオバマのように死に体に見えます。
第1次政権と第2次の一番大きな違いは共産党を政府内に入れたことで、全体が大きく左傾化し、チリの多くの市民が同調しないキューバやベネスエラの雰囲気が出てきそう。
チリを代表する大学は国立のチリ大学と私立のカトリカ大学ですが、政府が国立・公立の大学援助を大きな目標にしているので、私立大学側はこの教育改革案をもろ手を挙げて歓迎するわけには行きません。来週この改革に反対する先生・父兄がまたデモを予定しています。

2) 選挙の投票制度
チリは長い間、投票は権利であり、義務でした。それを自由投票に変えましたが、投票率が低く、市民が政治に興味がないことがわかると、議員は顔を変えて、投票の義務制に戻すことを模索しています。しかし国民の税金から高い給料をもらって(取り上げて)いる彼らが一度変えた制度をもう一度元に戻そうとするのは破廉恥ですね。右も左も政治家は自分のことしか考えないようです。
例の右左が一人ずつ選ばれる選挙制度を、通常の得票の多い順から選ばれる仕組みにしようとすると、それに対し表面は反対しないが、裏で議員数の増加を図り、なんとか自分の議席を確保しようとします。議員数が増えれば税金がそっちに流れてしまいます。そんな議員は全部落選すればよいのですが。いやはや。