(政治)

1) 前プロビデンシア区長ラべの逮捕
数期にわたってサンティアゴを代表するプロビデンシア区の区長をしていたラべは先の選挙で左翼の候補者に敗れました。彼は軍事政権時にピノチェットと組んで活動を続けていましたが、その時に人権問題で拷問・死傷者・行方不明者を出した事件に関連していると以前から言われていました。民政化から25年もたってから逮捕されることになりました。この先、裁判所の手に彼の運命は握られています。一応50万ペソの補償金を支払って刑務所から仮出所しました。
彼はインタビューで「私を追跡しているのは法務省ではなく内務省だ」とし、刑事事件ではなく政治問題と考えています。
2) 教育改革法案
とうとう国会で結論が出ました。教育を利益の対象にさせないとか、生徒の選択を認めないとか、問題点が多く、教会がいろんな条件が重なれば、教会運営の学校の封鎖もありうるとコメントするほど。政府対カトリックの戦いになる可能性。教育を利益の対象にしないという点に関して、この法律が成立すれば教育を利益の対象にするというのは犯罪で、その違反者を刑務所に送り込むのは当然とする共産党と全く違った考えのDCが対立。バチェレットはテレビの番組で、この法案から関係者を刑務所に送ることはあり得ないと確認しました。
前大統領のピニェラは久しぶりにマスコミの前に現れ、教育という社会のために働き正当な利益を手にした人間を有罪にするなんて何を考えているのかと厳しい批判。
政府援助を受ける私立学校関係者はこのままでは将来は閉校しかないと抗議のデモ。サンティアゴでは数万人といわれる人が街に出ました。もちろん野党の議員もそれに参加していました。政府側は現在、機能している学校を閉鎖するつもりはないとコメントしていますが、デモの代表者は政府案を検討しつくしたが、私たちの認識では、いつ学校存続の危機が襲うかわからないのでこうして抗議行動を起こしているとしています。
3) バチェレットの外遊
今週、彼女は欧州に渡ります。まずはドイツ、それからスペインです。スペインの新聞エル・パイスに何回も彼女のスペイン訪問を利用して「チリに投資をしませんか」という宣伝が掲載されていました。しかし昔のようにスペインは力がないですからね。どうなるかな?
選挙資金の調達方法が最近、問題になっていますが、前大統領候補者だったマテイが、バチェレットの資金調達について疑問を挟みました。彼女によるとバチェレットは無名の市民1万人から11億ペソを集めたことになっているが、その1万人が疑わしい。どこかの機関がそれを調べ、純粋の一般市民なのか市民を装った会社組織なのか明らかにしてほしいというもの。政府側はこれに対し「野党側は悪意に満ちた発言をいつまで続けるのだろう。いい加減にしてほしい」としています。