(政治)

 1)外国首脳の訪問
火曜日のスペインの新聞エル・パイスの1面にバチェレットの写真が出ました。何が書いてあるのかを確かめると6面に全面記事としてスペインの副大統領がチリを訪問し、モネダ宮殿でバチェレットと話し合ったとなっています。
えっ?前日のテレビのニュースにそんなニュースはなかった。チリの新聞を見ると副大統領モネダ訪問の記事はなし。そんなことはあり得ないと、もう一度見直すと国内版の一番最後に数行、バチェレットはスペイン訪問を計画とあり、それは前日同国の副大統領と面談した結果となっています。チリの新聞にはその面談はほとんど意味をなさないものなのでしょうね。
アッチの新聞では会議の内容まで、例えば、現政権が考えている堕胎の合法化についても書かれています。
日本の安倍首相が来たとき、どんな取扱いを受けるのかな。
中国の習主席は南米各地で投資・援助を約束し、中国の存在感を高めています。自分の所の危機は関係ないのかな?
中国とラテンアメリカ諸国の貿易総額は2610億ドル、一方日本とラ米国は600億ドル、かなり規模が違いますね。
ボリビアのモラレス大統領は3選を狙って大統領選挙に出ますが、票田の農民の支持を得るため、コカの栽培面積を一段と増加することを認める様子。世界の動きなど関係なしに票が欲しいのですね。多くの国民の支持を得て次の選挙でも勝ちそうです。反チリ政策も彼の人気の理由の一つでしょうね。
 2)教育問題
先週に続いてまた問題。現在のエイサギレ教育大臣は国民の支持を失い過半数の人が不適任と考えています。
彼の先週の発言は大学教育の無償化を図る教育改革案の財源問題を念頭にしていたわけですが、確かにその基礎になる新税法も問題山積です。アメリカの経済学者は「政府案は2018年に国民総生産の3%が税金として国庫に入るとしているが、2%にも届かないだろう。つまり政府予想の82億ドルではなく収入は52億ドルとするのが妥当だろう」
これでは30億ドルの未達になり、82億ドル想定で作成された予算はとても完成するわけはない。教育関連では大学教育を無料に、また教育を利益の対象にさせないなどのアイデアの実現には程遠い。さぁどうなるでしょう。
チリの現状からして大学教育の無料化は無理のようにも思えますが、隣国アルゼンチンは以前から実施しています。外国人にも門戸を開放しているのでチリ人でそこで勉強している学生も多く、破産寸前の国とは思えないほどの思いやり。ただし入学するのが簡単なので学生の力量に差があり、チリの場合は59%の学生が卒業するがアルゼンチンの場合はわずか27%とか。

 3)テロリスト法案
地下鉄に爆弾が仕掛けられた事件で政府はテロリスト法案を使って犯人検挙に当たるとしました。この法案を使うと通常の犯罪より警察側の捜査がしやすくなるとか。例えば電話の盗聴などが自由に行えるとか。先週の地下鉄爆弾に続いて、今週は車に爆弾が仕掛けられ数台の車が焼かれました。その現場にパンフレットが置かれてあり、それによるとスペインで爆弾犯人として逮捕されているチリ人カップルを釈放するよう要求しています。その二人は先年、同じ爆弾騒ぎでチリ国内で逮捕されましたが、検察がアホなのか、弁護士が優秀なのか分かりませんが、無罪になり保釈されました。その二人がスペインに渡り,教会に爆弾を仕掛けたのが見つかり逮捕されたもの。30年くらいの刑になりそうとか。
チリの爆弾事件は昨年よりかなり増えている由。野党の議員がクレームしていますが、政府が本腰を入れないのでこれだけ頻繁に爆弾騒ぎが起こっても、たった一人も逮捕されていない。一人も捕まってないと言うのはホンマやな。
国連の人権委員会がチリのテロリスト法案はもっと目的を明確にする必要があると示唆してくれています。
 4)国会議員選挙                
   与野党から一人づつ当選するように仕組まれたチリのおかしな選挙システムを他の大多数の国と同じ通常方法に変える法律を8月12,13日に国会で投票することになりました。与党側は議員に議会に出席させるよう、出張や他の理由での欠席を認めない通達を出しています。また批判の多い、議員数の増加については、直接的に予算の増加にならないと意味の分からない説明をしています。国会議員って嘘が上手いか、前に言ったことを忘れるのが上手いかのどちらかでしょう。右も左も同じですね。