(政治)

1) 例の元空軍長官による戦闘機購入時の不正問題が政界の焦点ですが、話が発展してきて、彼が入手した不正口銭の一部がキリスト教民主党(DC)に渡りフレイ元大統領(DC党員)の選挙運動資金に当てられたのではと右翼は推察しています。今の所本格的な証拠は出ていないようですが、その元長官が口を滑らせることだって考えられますよね。CNNチリで彼のインタビュー番組を見ましたが、容疑を全て否定し、自分は全く潔白だと主張していました。と言いながら汗をかいているのがおかしかったです。すごく緊張していたのでしょうね。
   それから既報のとおり、戦闘機の買い付けのほかにも疑惑が出ており、97年の陸軍タンク購入のいきさつについて検察側は調査を開始しました。

2) バチェレットがチリ政府代表として来週キューバを訪問します。過去30数年間、チリの大統領がその国を訪問することはなかったとか。DCの党員がメンバーとして同行しますが、キューバを人権無視の国として批判する同党はこの公式訪問に反対しており微妙な問題です。もっともキューバを批判する同党が、次期の選挙で共産党と手を組もうとするのはもっと不可解なことですね。
さて不思議なことに最近バチェレットの人気が戻り、国民の過半数の支持を集めています。また与党側の候補フレイの人気が上がってきて野党側のピニェラ候補との差が縮まって来ました。政治の世界って不思議ですね。
ピニェラの弱点は金持ち過ぎるというのがあります。あまり金持ちなので庶民の生活の苦しみがわからないというものです。南部に広大な地所を持っていますが、ヘリコプターでそこを訪問し、贅沢な食事を友人と共に楽しむという休暇は通常の国民には想像も出来ない社会です。さぁどうなるのかな、この先の選挙運動は。
とはいってもチリの社会不安の度合いは極端に低く、おそらくラテンアメリカではもっとも安定した国と思われます。ボリビアエクアドル、ベネスエラが、一番危ないと見られています。