(政治)

1) しかしテレビは便利なもので、チリにいながらアメリカ副大統領候補の討論会をライブで見ました。アメリカが世界覇権を取っていた時代は終わったようですが、国民の前でこうした公開討論をする習慣は素晴らしいですね。日本も真似すればいいのに。もっともブッシュの討論会を見ても、彼が突出した指導力を持っているなんて感じませんが。
と、書き出したのは、チリでは現在地方選挙運動が実施されていますが、盛り上がりません。立て看板や、街頭で候補者の名前を書いた旗を振っているのは見ますが、新聞もテレビもアメリカの経済危機をトップに掲げ、それがチリにどう影響するかを考察するニュースばかりです。
一体地方選挙はどこに行ったのでしょうか。
もしかしたら負けるかもしれないので政府側が、今月末の選挙にメディアが注目しないよう要請しているのでしょうか(これは深読みし過ぎかな?)

2) 20年前の10月5日に行われたピノチェット軍事政権継続に関する投票を記念する運動が行われました。それに先立って行われた記念行事の中で、民政化された初代大統領のエイルウィンは聴衆の前で、感激して涙を見せました。私は泣き虫なんですよと言いながらの演説の中で、これははっきりさせておきたいとして「民主化の苦しい時代の中で軍事政権下の政府で閣僚を務めていたRN(国民改革党)のハルパ氏の援助が大きかった。彼の支援が無ければ自分の政権は立ち往生したかもしれない」とコメント。これはインパクトがありました。野党側の次期大統領候補のピニェラはそのRN所属なんです。
そのハルパはRNとエイルウィンのDCは連盟を結ぶ可能性があるとコメントしています。つまりDCが与党連合から脱落し、RNが野党連合を離れれば両党の連立が可能と言うことです。大地震ですよ。
その10月5日の記念集会はサンティアゴの国立競技場テニスコートで行われましたが、空席が目立ちました。バチェレットの演説も余り迫力無かったし・・・。

3) ラゴス前政権時に政府の資金をバチェレットの選挙資金にまわしたとする調べが進んでいますが、新聞などには余り報道されません。逆にバチェレットは正直な人たちの名誉を傷つけるような報道は止めてもらいたいとコメントしています。えっ?
もう政府内の人間のコンピューター差し押さえまで進んでいます。この件でモネダ大統領宮殿の3台のPCや付随のテープなどが差し押さえられました。
しかしこれって、本当なのでしょうね。選挙資金が足りなければどこかから調達の必要があり、それを政府資金から転用したのでしょうね。これなんか深読みの必要も無いほどはっきりしています。裁判は間違いないところです。
ラゴス対バチェレットの亀裂増大の理由になりますね。