(経済)

1) 物価上昇率
   依然として物価上昇が止まりません。もう国民が借金を増やしながら買い物に熱中した時期は過ぎたのですが、9月のチリの物価上昇率は1.1%で予想の0.8%を大きく上回り、物価のコントロールができないことを露呈しました。最近の12ヶ月でも9.2%にもなっています。

2) ペソ高
   しかしペソがジリジリ高くなり1ドル600ペソを予想する識者もいます。
   この数日で40ペソも高くなりました。今週末は568ペソでした。
   新聞に投書が掲載され、「数年前1ドルは700ペソを越えていました。昨年はそれが400ペソ近くまで落ちました。そのとき電気代は半分とか30%引きにはなりませんでした。所が最近ジリジリペソが上がってくるとドル高のため電気代を値上げしますと発表されています。政府はこんないい加減な電気会社の論理を認めるのですか?」
ホンマですね、これは。

3) 銅価格の低下
   なんと今週過去30年で最高の下げを記録しました。ポンドあたり2.7ドルと生産コストに近づいてきました。一昔前、チリ銅鉱山の生産コストは1ドル台でしたが、銅の高値が続くとどの鉱山でも設備投資や労働者の給料アップを抑えられず、大盤振る舞いが続いたため生産コストの急上昇が避けられません。一番ひどいのは国営銅公社のコデルコでしょうか。さて今年末の労使の待遇改善のネゴが心配ですね。またスト突入かな?値段が下がればコストも下げなければいけませんから。
   銅だけでなく、原油価格もかなり下がってきましたね。なんでも強引に高値に持っていったその筋の作戦が、終了しつつあるのでしょうね。この大相場でしっかり儲けた悪い奴が(失礼、賢い奴が)いるんでしょうね。

4) 株式市場
   アメリカ国会が銀行の緊急救出費用の承認を行っても世界の株式市場は継続して下落傾向にありますが、金曜日チリのそれは2.3%落とし、今週の合計では6.3%ダウン、年間合計では14.6%の減少になりました。しかしこれは他の先進国、ラテンアメリカ諸国に比べるとかなり低い数字で悪い中では安定性があることを示しています。
   リーマン兄弟銀行の倒産の後の調査で、国の危険度はほとんど全ての国で増加しましたが、その中でチリは増加割合が他国に比較して少なく安定さを示しました。一番危険度が増加したのはアルゼンチンで189ポイント、次いでベネスエラの179ポイント、インドネシア、ロシアなどが続き、チリは中位より下のほうで43ポイントの悪化でした。チリより少しよかったのはマレーシアと中国でしたが、世界中の国で危険度が増しているのは困ったものですね。
世界金融恐慌はチリを襲います。金融、小売、建設業、不動産などが大きく影響を受けそうですが、銅山など鉱山関係はそれほど大きな打撃を受けないように見受けられます。

5) この結果、09年の国家予算は2003年間以降で最低の伸びになりそうです。緊縮財政ですね。
その予算は5.7%アップ、また国民総生産は09年は4.5%成長の予想です。