(一般)

1) 女子大生の運動
先年、アルゼンチンで女性が暴行され殺害された事件の後、「これ以上もう一人の女性も殺されるのは認められない」と言う運動が起こり、チリにも飛び火しましたが、今回のチリの運動はそれをはるかに上回っています。
全国各地の大学で校舎の占拠が行われ、17大学になるとか、大学だけでなく政府にも問題をなくす(減少させる)方針を取るよう要求しています。
もう冬の寒さなのに、今週のデモで一部の女子大生が上半身裸になって抗議しました。主催者発表で15万人、警察は3万人と言っています。確かに盛り上がりました。
十年ほど前のペンギン運動と呼ばれた学生運動を思い出させます。
与党側の政党が政府に、女性問題に関し、左翼の意見を取り上げ、同調しないよう要請しました。
文部大臣が、「そんな小さなことを」とコメントしたのが問題になっています。彼は「暴行や殺人が問題なら、それは司法が以前から取り上げている、それより小さな段階のことを大声で騒ぐのはどうか」と言いたかったらしい。
しかし男女の差別、男が女を力で抑えると言うのは文化の問題ですね。チリではまだそれが幅を利かせているわけです。
2) バチカンの醜聞
34人の司教・大司教がチリからバチカンを訪問し法王と面談しチリのカトリックの現状分析、どうすれば正常化できるかを話し合ったらしい。しかし恥ずかしい・嘆かわしい現実と口では言いながら、面談の最後に全員がにっこり笑って記念写真を撮っているのが不思議。 
一応、全員が辞任届を出したので法王は全員を首にすることが出来ますが、(首ではなく辞任を認めるですね)現状を替えるためには全員入れ替えるくらいの気合が必要でしょう。チリの問題が世界に注目されると言われますが、この種の問題はチリだけでなく世界中で起きており、聖職者の性的問題はこれからもコントロールできないでしょうから、同じことが世界中で繰り返されるのは自明。今まで騒がれなかったのは問題を隠す力が大きかったから。それだけですね。
1月のローマ法王チリ訪問時に彼がマスコミに「証拠を持ってこい」とバカにしていますから、先ず辞任すべきは他の誰より彼でしょう。
カトリックは世界に冠たる宗教ですが、内容はお粗末と言うのが世界に知れ渡ったわけです。信者が教会のミサに行くのを止めたら、本気に改革に手を付けるでしょう。
今週ランカグアで神父の新しい性的問題が出ました。テレビの特別番組で見ましたが、そういう不祥事があると、同州の司祭ゴイッチのところに1年以上前に文書が入ったのに、自分は司祭で検察ではないと相手にしていなかった由。それが番組で報じられるとコロッと態度を変えて申し訳ない、真摯に謝りたいと発表。カトリカはばれたら誤ると言うスタイルを上から下まで通していますね。もうどこまで行くか分からない最悪の事態です。
3) 犯罪の増加
数年前には考えられなかったほど、犯罪関連のニュースがテレビで報道されます。数字からするとそれほどチリで犯罪は増えていないようですが、派手な犯罪、特に話題になっている自動車の強奪が目立ちます。豪邸の前に待っていて、その家の自家用車が近づくと犯人グループが一気に運転手を脅し、鍵を奪ってその車で逃走すると言うものです。
日系企業の会社の社有車が、レストランの近くで駐車し幹部社員が食事の終わるのを待っていると、犯人グループに襲われ車を強奪されたらしい。
こういう犯罪を減らすためには犯人を捕まえること、捕まった犯人は刑務所に入ることが基本ですね。
4) 移民問題
今年の4月16日から移民法が変わりましたが、おかしな移民が多いハイチとベネスエラからの旅行者はチリへの航空便に乗る前に現地の大使館でビサを取ることが義務付けられました。このため今年の4月のハイチからの旅行者は昨年に比べると62%減少。4月16日以降は更に激減です。72人がビザを要求し66人が却下されたとか。ベネスエラからはそれほどひどくなく2131人がビザを得て、1122人が却下されたとか。チリ政府の作戦が決まったと言う感じですね。