(政治)

1) 年金問題
チリの年金制度は開始してもう30数年も経過しているのに、初めて大規模な反対運動が起こっています。
2008年のリーマンショックの時、私が年金をかけていた時期ですが、年間で積立金が前年よりかなりマイナスになりました。幸いなことにその後、その減少した分は取り戻しました。その時期にも反対運動は起こっていません。 
つまり今日の運動は誰かがしかけている政治運動なのでしょう。全国各地でデモがありましたが、サンティアゴの21日(日)のデモは主催者側で30万人、警察発表で8万人の参加者でした。
私の眼には会長が共産党員の労働組合連合が中心メンバーと思われます。つまり政府の中軸にいながら政府を倒す運動をしているわけです・・・・。私のもらえる年金が少ないのは政府の責任だと言うわけですね。 
30年払ってれば、最後の給料の70−78%を年金としてもらえるそうですが、現実にはそれよりずっと支払期間が少ないのが主要な問題です。特に女性の場合、60歳で定年ですから、これを65歳まで延ばせば(男性と同じレベル)年金大幅アップとか。当然です。
年金の受取金が少ないと定年になってからも働く人の数が急増し、2010年には44万人だったのが昨年は80万人とか。これは全労働者の約10%に当たります。 
ところで日本の年金運用GPIFは壊滅的な損失を記録しているようですね。全くデモ隊が街に出ないのが不思議です。2003年から2015年までのチリの基金の運用の結果ですが、一番危険度が高いA(その替わり見返りも大きい)から、その逆のEまでの5段階があり、Aは平均で年間6.3%、Eは4.0%でした。全部のランクで収益が記録されています。
2)選出
モネダ宮殿でバチェレットを支えるグループの事務次官を選んだら、その男は先年に他人の仕事(作品)をこっそり盗んで自分のものとして不正発表し、それがばれて解雇されたことが分かりました。職についてわずか1日で辞職しましたが、勿論辞めさせられたのですね。
これは大統領に直接の責任はありませんが、2階部隊と言われる彼女の側近が、その人間を選出し、よく履歴を調べないで、バチェレットに報告し、その推薦が実現したわけです。この種のエラーは過去にも数回あり、毎回同じ言い訳をしていますが、レベルが低いです。
エネルギー大臣は一般市民の15%の支持しか得られないようでは、どうしようもないとコメントしていますが、それにしてもレベルの低い政権です。ラテンアメリカで最低の支持率とか。あの最悪のベネスエラでも21%ですから。
内閣改造がずっと以前から噂さされていますが、法務大臣少年鑑別所問題)、教育大臣(大学関連)、厚生大臣(病院問題)とかが問題になっていますが、10月の地方選挙が終わるまでは何もできないと言う雰囲気です。
その地方選挙の選挙活動が始まりましたが、全然盛り上がっていません。
その選挙に関し、投票に行かないとする人が41%とか。もし半分しか投票に行かなければ、現在の自由投票から昔の義務投票に替わる可能性が出てきますね。
2) イラン外相のモネダ宮殿訪問
両外相は経済関連など両国が手を組んで世界の発展を図ろうとコメントしています。イスラエル協会と同性愛連合はイランは世界を混乱に落とす犯罪国だとクレームしました。  与党の議員が、チリの大統領が世界で一番、人権を無視しているようなイランの外相と面談するのは認められないことだと憤慨のコメント。与党の議員ですよ、野党ではないですよ。