(一般) 

1) 煙草
悲しいことにチリはラテンアメリカの中で喫煙率がトップクラス。交通事故で死ぬ人よりたばこ関連で死亡する人の方がずっと多いと言われています。これを少しでも是正するため、公共場所での喫煙の禁止とたばこ価格の値上げが計画されています。煙草の値段は世界の中で安いのはパラグアイの1.3?、ボリビアが1.6ドル。チリは真ん中くらいで3.8ドル。日本は5.3ドル、一番高いのはノルウェーで15ドル。ずいぶん差がありますね。吸わない私にとって値上げしてもしなくても関係ありませんが、たばこ関連で死亡する人の1割は、周りの人の煙が肺に入って病気になったと言われます。そんなバナナ。
2) 妊娠中絶
現在では非合法で、法による処罰があります。これを理由によっては、例えば強姦されての妊娠とか、胎児が母親の生命に影響を与えるなどの場合、中絶を認めることにしようとする政府案に対し、カトリック教会や右翼政党が激しく抵抗しています。8年間RN党の党首をして今回の選挙でモンケベルにそれを譲ったララインは「チリは若い人間が必要なのに政府は赤ちゃんを殺すのを認めるのか」とコメントしました。 カトリカ大学の学長はカトリカ大病院ではいかなる理由でも中絶手術を行わないと宣言。いやはやですね。      強姦された女性が妊娠してその赤ちゃんが生まれたとき、喜んで自分の子供として育てられますか?
しかしカトリックの人間もおかしい。新法王が最近、カトリックの神父の結婚を認めるような発言をしていますが、これなんか1年前では全く拒否された意見ですね。つまり今回の中絶についてもバチカンが意見を変えれば、下の人間は瞬時に思考を変えるわけで、そんな人生って値打ちあるのかな?カトリック神父の年少児への性的いたずらが継続して問題になっていますが、今回は生まれたばかりの赤ちゃんを他の家族に渡すと言う事件でカトリック神父が検察の取り調べを受けています。1970年の後半から1980年代の初めに、貧しい家族の女性が生んだ子どもを、母親には死産だったとし、その赤ちゃんを待っている他の家族に渡したのですが、もちろんその神父は医者、看護婦また事務所の人間とくるんでやっていたわけです。それが何件ではなく何十件にもなるそうで、自分の本当の両親を知りたいとする人が裁判所に訴え出ました。そのころ、私はもうチリに住み始めていましたが、今と違って政府(ピノチェットの軍事政権)の力は強烈で反政府運動など考えられません。その神父の提案で、貧しい家庭では子供を育てられないから、赤ちゃんにとっては幸せになると言う勝手な理論で、母親をだまし子供を誘拐して、裕福な家庭で子供のいないところにその赤ちゃんをプレゼントすると言うことになったのでしょう。誘拐ですね。それで金を稼いだかどうかは知りませんが、チリの悲しい実情です。