(経済)

1) チリの経済が活発・好調なことは毎週のチリの風でお伝えしていますが、建国200年記念の記事を見ると、まだまだ昔の栄光には遠いとか。現在のチリの繁栄の基礎は銅ですが、今から100年前、硝石が肥料などの基礎として欠かせないものだった時代のチリの世界的レベルは今のレベルではなかったようです。チリの国民所得と先進国のそれを比較した場合、現在は半分の50ですが、一番高かった時代1908-1910年ころは何と82まで行っています。つまりその頃のチリの所得はほとんど先進国並みだったわけですね。もっとも人工肥料の開発とともに硝石の需要が減少し、チリの国民所得は下がり続けます。73年の軍事革命のころは世界対比30くらい。しかしピノチェットは先進的なシカゴ・ボーイを起用し市場の開放政策を進めます。やや傾向が上向いたと思われたときに1982年に世界経済危機が起こり記録は最低レベルの29まで落ちました。私はこの頃、チリで働いていましたが、成績が上がらず苦戦しました。それが再度、上昇を示し現在は世界レベルの半分50まで戻ったと言うわけ。
しかしそんな記録が残っていると言うのにも驚かされますが、チリは硝石・銅と地下資源のおかげと解放市場政策のおかげで近隣諸国より有利な立場に立っているのは実感されます。実力・努力そして運ですね。