チリの風   その86   04年8月15日―21日

私がいつも職場で昼食を一緒にしている機械工の中に楽器を弾ける人がいて、彼らがバンドを作ろうと言い出しました。会社に頼んで夜に場所を貸してもらえることになりました。で、私にいっしょにやりませんかってお誘い。練習初日に行ってみました。5人集まって全員、男。まぁ色気の無いのはしようがない。ギター、チャランゴケーナとそろって立派なもの。さてどんな曲やるか。北のアンデス風のもの、南のクエッカ、ヴィクトル・ハラなどの現代もの・・・しかし各自、味のある歌い方で練習に参加しているだけで面白かったです。私はパブロ・ネルーダの詩に曲をつけたオリジナルを披露しました。

また面白かったのはそのあと街に戻るのに、足のない私はメンバーの一人の車に乗せてもらいましたが、それが何とタクシー。時間があるときは彼はタクシーのアルバイトしているとか・・・。

サンティアゴの南北問題みたいですね。会社が飛行場より遠いかなり郊外にあるので、同じ会社の社員でも、部長代理以上の重要役職者は社有車を使用し、一般社員は小型自家用車を使用し、車のない人間は通勤に会社のバスを使用しています。でもこの機械工のようにアルバイトに使うタクシーで通勤するとは。で、会社を出るとき、タクシーは守衛に止められ車内を調べられました。何か会社のものを持ち出していないだろうねって言うわけです。