(政治)

1) バチェレット
週刊誌にバチェレットに関する記事が掲載されました。そのタイトルは「悲しみ・孤独・終焉」でした。ニューヨークで国連機関で働いているとき、味わうことのなかった経験を今していると書かれています。愛想笑いが得意で、都市でも地方でも庶民の中に入って行く彼女ですが、先週の地方選挙で大きな痛手を負い、あと1年以上の任期をどう過ごせばよいか分からないとされています。
今週、各省の政務次官クラスを何名か入れ替えましたが、与党から不自由分の声が出て、11月には内閣大改造を余儀なくされそうです。チリ中銀のトップも替えました。もっともその意図は不明です。
国内で調子が出なければ、国外でと言うわけで、週末、またコロンビアに飛んでイベロアメリカ会議に出席しました。 若者を大事にすると言うテーマで「能力があるのに金銭的な問題から高等教育が受けられないと言う問題を解決するため私は尽力しており、チリはその方向に大きく進んでいる」とスピーチしました。チリの大学から反論が出そうですね。
地方選挙の際の選挙人名簿で不可解な住所の変更が多数起きた件で、市民登録局の局長が降ろされました。彼はDC党関連者です。選挙管理委員会の会長はまだ粘っています。
2) 与党内の分裂
与党の中心のキリスト教民主党DCが政府・与党の政務委員会の出席を凍結しました。もちろんDC内でも政府の反省を聞くべしと言う声とそこまでやることは無いとするグループに分かれます。
社会党のロッシ議員が中道のDCと極左共産党が同グループに入れるわけがないとコメント。それはこの「新多数」グループ結成の時に言うべきでしょうね。この先どうなるか誰も分かりません。
3) 大統領選挙
元大統領のラゴスは出馬宣言をし、先日エネルギー大臣を自陣に引き抜きましたが、まだ正式に与党側の候補者になったわけではありません。彼は社会党党首のイサベル・アジェンデが立候補すれば自分は下りるとコメントしましたが、今週そのイサベルが候補者から降りると宣言。ラゴスに道を譲りました。
しかし世論調査ではラゴスとピニェラが競えば、野党のピニェラが勝つとの見通しが出ており、野党側にはラゴスが出るのは望ましいストーリーです。ところでラゴス共産党には好かれていません。
先の地方選挙で独立運動党がバルパライソ与野党の代表を破って勝利しましたが、前期バチェレット政権の時の学生運動(ペンギン闘争と呼ばれました)の代表だったボリッチがリーダーです。
4) 公務員のスト
またストが始まり、市民に迷惑をかけています。道路に置かれたごみが山のよう。いやはや。
彼らの要求する賃上げを政府が受ければ、国庫破産は間違いないと言われますが。
最近、年金問題のデモがチリでは良くありますが、今週、マーサー世界年金ランキングが発表され、チリはアメリカやイギリスより上位にランクされています。健全性は高いが、支払額は不足と言うコメントがついています。
それを市民に聞くと、「チリの年金制度が世界レベルなんて笑ってしまうわ。私は15万ペソしかもらってないのよ。これでどうして生活できるのよ」
それはおばさんが間違っています。チリのシステムは自分が貯めたものを運営してそれが戻ってくるわけですから、貰う額が少ないと言うことは貯めた額が少ないと言うことで、それに文句言っても始まりません。不足は政府が払う仕組みにするとチリ政府の懐が持ちません。
このため、現行の10%天引きから16%にアップする案も出ていますが、それでは給料が減りますよ。
そのランクで最下位はアルゼンチン。かって年金支払いを停止した経歴あり。その一つ上が日本です。そこまで日本のシステムは疑問視されています。