(政治)

1) 検察問題
アボット検察総長は漁業関係の不正問題を追及しているアリアス検事を、その担当検事から外しました。
彼が仕事をする能力が無いからではなく、日曜日の新聞で「漁業会社から議員に選挙資金が渡され、それは賄賂のような働きをしてそれ以降の漁業法の国会審議に影響している。現在、UDIの議員が、逮捕状態になっているが、彼だけでなく、他の議員にも同じようなことが起こりうる」とコメントしたことを取り上げ、検察官として発言すべきことではないと彼をそこから外したもの。
検察官協会はこれを政治的な動きだとし、真っ向から反対の動きを示しています。
先の検察総長選出に関し、現総長のアボットは他の候補者より影が薄く、勝てるようには見えませんでしたが、意外にバチェレットは彼を選出しました。そこで影の噂ではバチェレットにゴマをすって与党側の議員が捕まらないようにしたと言われることもあります。そこまで露骨だとは私は思いませんが。どうかな?
2) 教育問題
教育大臣が世界各国に教育機関を持つアメリカ資本のラウレイト社はチリを侵略し、チリでは教育を利益の目的にしないと言う方針を守っていないと厳しく追及。
その会社はチリに大学や各種学校を幾つも経営しています。但し、新聞記事によると、どの点を大臣が追及しているのか明白ではなく、その関係の大学・各種学校がこの先どうなるか分からず、最悪は廃校ですが、その場合その在学生の将来はどうなるのかなど大きな疑問が沸いています。
新聞にその組織が広告を出し、「私たちはチリの法律に則ってチリで教育事業を実施しており、全く教育大臣のクレームは受け入れがたい」としています。
元教育大臣だったエイルウィンはその組織は世界的な名声を持ち、アメリカ国内ではビル・クリントンと密接な関係があるほどで、利益を海外に送ったと言うような事実もなく、全く不可解としています。
教育大臣はこの問題に関し国会に呼ばれるそうです。
3) DCキリスト教民主党の議員が家庭内暴力の疑いが出て党内が混乱。リンコン議員から暴力を受けた(殴る蹴るの暴力で負傷した)と彼の前妻が訴えていました。それはもう10年も前のこととか。
同議員は全く無実で、彼女に暴力を振るったことはないとしています。DC党は党内の規律委員会で検討し、当面は党員資格を凍結、結論が出たときに最悪の場合は除名になるとまでコメントしています。何故10年前のことがここに来て問題になるか分かりませんが、政府・与党内でもめています。 同じようなことが、今回の地方選挙の社会党候補に起きて、その彼をそのまま起用するか降ろすかもめています。
4) 与党連合の新多数が分裂かと先週話題になりましたが、分離をコメントした小政党(ICとMAS)にコンタクトし、その党を代表する議員がコメントしただけで、党としては分離するつもりはないと発表させました。なんだか政府にとって虫の良いストーリーですが、少しの期間はこれで行けそう。
5) 次の大統領候補の一人は野党の前大統領のピニェラですが、彼に汚職の疑いが出てきました。
彼は大統領になる前、飛行機会社LAN(現在はLATAM)を経営していましたが、そのチリの航空会社がアルゼンチンの国内線に入る作戦を取った時、隣国の重要人物に金で問題を解決しようとしたと言うわけです。賄賂ですね。
彼は全くのガセネタで証拠はないとしていますが、彼がその問題に関しアルゼンチン訪問をしてるのは事実ですから、隣国の検察の調べが気になりますね。野党の星がここで潰れれば与党側にとっては願ってもないチャンスですが。