(政治)

1) バチェレットの引退
そういう噂も流れています。世論調査の結果では彼女を支持するのは30%、拒否するのは60%と厳しい状況。
もうチリの政治そのものが腐敗してしまったようで、いつも私が言うように、右も左もありません。ペンタ銀行とソキミチ鉱山が問題になっていますが、その他の職種・会社も同じことをやっているでしょうから、問題は局限がなく、チリ中の仕組み・社会ルールが壊れそう。
とにかく(架空の)仕事を実施したという領収書を作り、それを会社に渡すとその金額が政治資金として手に入る。会社はそれを経費として処理し、利益を落とし国に税金を払わない。金をもらった政治家はその会社を支援する。そういう筋書きですね。バチェレットの選挙資金もそのように用意された疑いがもたれています。 
最近、党内選挙に勝ちDC党の党首になったピサロしょっぱなからこの疑惑がかかっています。現職の3大臣も怪しいと言われますが、その名前は明らかにされていません。
右翼と左翼の政党が合意してこの問題を取り上げないようにしようと決めても市民はそれを許さないでしょうね。
反対のデモ隊が町中にあふれますよ。私も見に行こうかな。カトリック大司教が必要なら私たちは調停のお手伝いをさせてもらいますよとニコニコしながら言うと、だれかが「教会は自分たちの問題を先に片付けなさい」フーム、言えてる。
バチェレットはそれだけでなく息子夫婦の不正問題で、当初、全く知らなかったと言っていたのに、息子夫婦の会社の関係者がチリ銀行の人間に送ったメールの中にバチェレットも融資を依頼していたようなのが出てきました。やっぱり最初に嘘をつくと最後はそうなってくるわけですね。
チリ銀行が最終的に資金を出したわけですが、それ以前に彼らがネゴしていた銀行、たとえばイタウ銀行は「その会社のバックに政治的な家族が見当たるので当社は取引できません」と断っています。さすが見識がある。
バチェレットは「こうしたスキャンダルで、全く後ろめたいことのない人にも疑惑がかかるのではないか」とコメントしました。野党側はこれを大統領が今までのスタンスを変えたとみて歓迎していますが、それより同じ与党側の議員が、「怪しい議員全員をはっきりさせないと国民の疑惑が晴れない」と言っているほうが見識があるのでは。
仕事をしたので請求書を送ったとするなら、その実施した仕事の報告書を見せればよいだけです。それは社内の秘密ですというなら検察にそれを見せれば十分。ほんの1分で明白になります。現在問題になっている領収書はその基本になるものがないと検察が判断したものです。バチェレットが真面目な人を陥れる可能性があるとクレームするのはおかしいな。
右翼のUDI党の副党首デ・ラ・マサがその職を辞しました。元党首のノボアが勝手なことをするのは認められないということでしょうが、彼はラス・コンデス区の区長も務めています。つまり右も左も中も外も荒れ狂っています。彼は次期のUDI党の首脳はこのような不正問題に関係していない人間がやってほしいとコメント。UDIは現在の党首も前の党首も元党首もみんな怪しまれていますからね。
バチェレットは土曜日に突然、北部の被災地を2度目の訪問。現地で被災者から詰問されました。彼女が「政府は何十トンもの救急品目を皆さんに用意しています」と言っても、「何も被災地には届かない。助けてくれるのはボランティアの人だけだ」という声もありました。
訪問の前日、モネダ宮殿で彼女と内務・大蔵大臣の3人の面談がありました。世論調査の分析や政治スキャンダルを検討した結果、もう一度現場に出て雰囲気を変えたほうがよいとの結論に達したのでしょうが、全然良い風は吹いてきません。
しかし、しかしと言いたいですが、チリの状況は隣国のアルゼンチンやブラジルよりずっとマシと思います。そうでしょ。
最後にまりますが、問題になっているソキミチ社のオーナーはピノチェットの娘と結婚していました。つまり最右翼の会社です。そこと与党側(中道・左翼)が結託するなんて。金をもらえるなら誰とでも手を組むという考えでしょうね。ホンマ悲しいレベルの国会議員です。そのうち彼ら全員の名前がはっきりします。
2) 労働法改正
工業・商業連盟CPCと労働大臣が話し合っていますが、経営者側は新法案に真っ向から反対しています。政府との面談中に経営者側は、政府は全く話に乗ってこないと憤り、机をたたいて抗議したとか。この政府案では経営ができないというわけです。ブランコ労働大臣は彼らは何を進めたいのか何を抑えたいのかよくわからないと困惑の様子。組合を大事にしてストばかりやられては企業がつぶれるというわけですね。