(政治)

1) いやらしいチリ式選挙システム(与野党がほとんど一人づつ当選する仕組み)を通常のやり方に変えることが検討されていますが、政府から新方式に変えるのに並行して今までの選挙区域の変更、議員数の増加が提案されました。
国会議員って高い給料もらっているのに、政治や経済のこともよく知らないと言うイメージがありますが、彼らが自分のたちの都合の良いように仕組みを変えるのでしょうね。世界中どこでも同じかな。
2) 外国に住むチリ人に投票権が認められました。
一部の野党議員も賛成に回ったので与党が押してきたこの法案が下院で成立しました。アルゼンチンに一番多数のチリ人が在住していますが、欧州にもかなりの数とか。それらのチリ人はチリ経済が悪い時に仕事を求めて外に出たか、軍事政権時に逃げた左翼関係者です。従ってバチェレット・グループとすれば、左翼政権の自分たちに多くの投票が回ってくると考えるのでしょうね。
3) バルパライソの火事
先週の土曜日から火が出て、火曜日まで続きました。1020ヘクタールが燃え3040軒の家に被害が出たとか。
火災にあった地区の76%の家屋が火をかぶったらしい。つまり隣の家が全焼しているのに、その隣が全く火の影響を受け
なかったところもあるわけで、不思議です。運ですか。
火事の原因は人間の手によるもの(失火、放火など)ではなく電線の切断によるものと思われています。
ここからチリらしい話が始まります。   
それらの土地は水道施設がないため、水は給水車のサービスに頼るしかなく、火事が起きても消火栓がないので消防車が使う水の補給ができません。
火事の1か月前にバルパライソ区役所の中でこの問題が話されたのに手を打たなかったことも報道されています。このまま放置すれば大火事が起こりえますよと報告された時、まぁ後3、4年は大丈夫だろうと上司が答えたのでしょうね。
それらの家屋の多くは不法建築だったらしい。地主がいるのに勝手に他人の土地に侵入して家を建てたわけ。区とか国有地なら警察が即時に追い払えますが、私有地の場合、地主の要請がなければ警察は何もできないとか。じゃなぜ正当な地主が訴え出ないのかということになりますが、傾斜のきついほとんど地価のないような場所にこうして家が建てば、最後は政府が弱者保護とかの名目でそれらの土地を買い上げ無料かただのような値段で現在の不法地主に渡すことになるわけです。チリらしいでしょう。
一般市民が応援に立ち上がり、服・食料品を集めて、現地に持ち込みました。その量が必要なものをはるかに上まわったので区長がこれ以上の援助物資は持ち込まないでくださいと断るほど。チロエ島から特産品のジャガイモなどを持ってきたトラックが被災地への進入をストップされ、これをまた島に持って帰れと言うのかとがっかり。中古の服なんかまるでゴミの山のように倉庫にあふれています。
それに学生など若い人が現場で助手の仕事を開始。ほとんどの家が木造にトタン屋根なので、家屋が燃えた後はトタンだけが残っています。最初はそのトタンの始末。集めたトタンをトラックに載せて運び出すと更地になり、そこに材料を持ち込み家の再建作業。他の人に先を越されてはいけないと火事の後1週間で新しい掘立小屋ができ始めています。
サッカーと同じく、チリの国旗を立てて、例のC H Iチチチレレレの叫び声があちこちから。乗りすぎです。それも多くの人が来すぎるとかで、これ以上の援助隊は必要ないと言うほど。チリらしいでしょう。
しかし問題を放置して、同じ安普請の家を建てると数年してまた同じ問題が起こりますね。どうして根本的に道路や水の問題を多少でも解決してから、再建設をはじめないのかな?
その前の北部の地震騒ぎはニュースから消え、火事の話ばかり。地震でつぶれた家の再築も同じくらい重要なのに火災で
やられた家の再建のことばかり報道されます。たまにイキケのことがニュースに出ると政府の約束は口ばかりと被災者はクレームしていますが、テレビのニュースにほとんど出ないので政府ものんびりやっているのでしょうね。
火事の被害者には1家当たり100万ペソの見舞金が出るようですが、同じ金額を地震の被害者にも渡しているのでしょうか。その金の出所は銅保留金と呼ばれる隠し財産からと言われています。それなら国会でもめなくてすんなり支払えます。                        
バチェレットは予定されていた外遊を延期したようです。 もっともボリビアのモラレス大統領の後を追ってオランダのハーグには行く予定はなかったようですが。