(政治)

1) 政界の動き
これから先はしばらくの間、10月の地方選挙と税制改正法案が話題の中心です。
地方選挙はまだ公示されていませんから、選挙運動はできませんが、なんとか理由をつけてポスターを貼る候補者が出始めました。野党側はバチェレットと一緒に写っている写真をポスターにするのが人気です。与党側は現職のピニェラと一緒の写真を・・・そんな候補者はいません。ピニェラは人気のない大統領ですから。でも次期大統領候補者のゴルボルンを利用する動きはあります。
もう一方は税制改正法案についてです。政府は先の最低賃金法案で与党内の不一致から大苦戦を強いられたのを防ぐため、法案を国会に提出する前に与党側の統一案を固める作業中。大企業から税金を取り、中小企業や貧しい中堅層には減税を図るというのが政府方針。企業からの増税で17億ドル、しかし中小企業や一般市民の税は減収になるので、最終的に12億ドルほどの増収にするというのが政府案。野党はこれに対し、一般論として反対をしていますが、例えば月6百万ペソ以上収入の所得税を40%から36%に軽減するというのはいかがなものかとしています。それらの増収はすべて教育改革に使用されるとしています。もちろん野党はいつもの通り、こんな中途半端なものでは意味が無いと国会に法案が提出される前から反対を表明しています。

2) マプチェ問題
社会発展省の大臣のラビンはこの問題に関し、同じような先住民問題も持つニュージーランドを手本にし、問題解決(軽減)を図りたいとしています。その例として、マプチェが多く住む地域の役所の幹事を一定の割合でマプチェを任命することが考えられるとしています。チリでは区長(町長)とそれを補佐する役割の幹事を選挙で選びますが(10月の地方選挙)その補佐役にマプチェを必ず加えるとするもの。
チリ人の間では、マプチェに同情的な人は少なく、大半は彼らは労働意欲が乏しく、怠け者だから貧困から抜け出せないとします。
「まぁ、その中でも女性は良く働くが、男性のマプチェはひどい、酒飲みばかりだ」どうでしょうか。