チリの風 その362  10年3月1日―7日

地震から1週間が立ちました。この1週間を振り返って、現状を見ながらこれからどうなるのか予想するのは意味があることと思います。今週のチリの風は地震特集ですね。
大きな混乱は収まりました。被害の大きかった8州にも各家庭に電気が戻り始め、携帯電話がつながるようになりました。給水や固定電話も半数以上が正常に稼動しています。 とにかくコンセプシオン市ではほとんどノーマルな市民生活が出来ない状態だったのですが、このように徐々に正常化していることは確かです、この日曜日、コンセプシオンの部下と電話しましたが、気持ちが落ち着いてきたと言っていました。彼は奥さんと娘を隣の9州で働く息子のところに送り出し、一人で生き延びているのですが、電気が戻りテレビが見られるようになり、電話が通じるようになって心の平穏をとりもどしたわけでしょう。私の働く会社は本社からコンセプシオン支店の社員のために救援物資を積んだトラックを送りました。彼らと電話が通じたとき、最初にそれに感謝する言葉が聞かれました。とにかく本社からのトラックは略奪を恐れ、社名の入っていないトラックを使い、街の中には入らず郊外の飛行場に行かせ、そこで現地の従業員に救済物資を渡させる念の入れよう。大好評だったので翌日第2便を送り、それも従業員の手に入りました。現在同市では一部のスーパーマーケットのドアが開かれましたが、そこに入るのに長蛇の列で、買い物が一日仕事となっているらしい?
サンティアゴはほとんど通常の生活に戻りました。私の場合は全く地震前と変わりありません。とはいえ、ラス・コンデス区が正常になった後も、同じサンティアゴ市なのに西部のキリクラやランパ区では電気の戻るのも遅れ、略奪を恐れる商店が店を閉めたので買い物も出来ず、日常生活に大きな支障をきたしていました。この東西格差が不思議です。  さて現状ですが国内電話は90%が復旧し、首都圏の電気は98%が復旧、8州などの外出禁止令は継続されるものの実施時間が短縮されてきました。             
私の仕事の面では被害のあった工場も木曜日から生産開始し、来週には本格的な操業が出来そうです。
さて新聞のボリュームが急に増えましたよ。それは地震関連の記事が増加したためでしょうと思われそうですが、確かに紙面のほとんどは地震関連の記事で、スポーツや芸能関連はほとんど姿を消しました。しかし増えたのは宣伝です。1面を使った広告で、がんばれチリ、わが社はチリを支える、困ったあなたを救うのが当社の願い・・・と言う風です。
娘のさやかはチリ大学が今年度の授業開始を1週間遅らせたため、時間ができたので被災者救援活動をボランティアとして行っています。
もちろん来月に迫ったサンティアゴラソンの練習は本格的で、この日曜日、森・山口さんと通常の16Kを走りました。来週はそれに10Kを追加した26K練習予定です。