チリの風 その1042 2023年5月1日ー7日

今週の話題は新憲法委員会の委員選挙ですね。国民の過半数がほとんど興味はないとしていますが、義務投票なのでほとんど全員が投票所に行きました。朝早く外に出ると冷たい風が吹いていました。投票所には人は少なく1分で終わりました。私と同じ投票所で同じころに前大統領のピニェラが来ていました。投票の後マスコミに囲まれました。「チリ人はこれからどうしようとする結論を出す力がある。従って今日の結果も
チリにとって有意義なものなるだろう」彼に話しかけようと思いましたが、すぐに自分の車に乗って帰っていきました。
私の毎日はいつもと同じでいろんなことを楽しんでいます。メーデーの月曜日、10キロ練習をしたら今年の新記録が出ました。私のように遅いランナーは一分早くても遅くても同じですが、それでも意地がありますからね。努力を続けます。山歩きは仲間と石碑冒険コース、下りに少し厳しいところがありましたが、無事に戻りました。
土曜日はサッカー教室。PTAの大人子供と楽しく練習しました。個人的なことですが、ボールを蹴っている時、足に痛みが走りましたが、少し心配です。
それから今年はチリ軍事革命50周年記念の年ですが、それに関する原稿を書き始め、ほぼ完成しました。
毎日、何かすることがあって楽しく忙しく…幸せです。

(政治)

1)ボリッチ動向
大統領府の発表するボリッチの動向がほとんどありません。それどころか、テレビ局の番組でインタビューに答えない大統領という話題が出ました。3週間ほど彼は記者に質問されても返事しません。
憲法委員会問題と北部の不法移民問題が苦手なようで、担当の大臣が対応するようになっているとか。内閣府の考えで大統領が間の抜けた答えをしないようにしているのでしょうか。
それでもメーデーの5月1日はちゃんと「政府は労働者の皆さんに大きなプレゼントをしました。私が大統領になってから最低賃金を上げ、40時間労働制を成立させました」と労働者に喜びの声を届けました。
週末は故郷のプンタアレナスに投票に行きました。もちろん住所を変えてサンティアゴでも投票できますが、彼の場合はわざと変更しないで選挙のたびにパタゴニアに戻るのですね。そこの公園で子供の遊ぶ丸い筒の滑り台に乗ったら、抜け出せなくなって少し壊れました。その市長は「大統領にこの町に来てもらえるのは喜びです、壊れたところは月曜日に治します」とコメント。
以前も似たようなことがありました。彼は自分は大統領だと言う認識がないのでしょうね。
2)新憲法委員会選挙
今朝6時から全テレビ局はこのニュースばかりです。週末の新聞もそうでした。この選挙の結果がボリッチ政権にどんな影響を与えるかが主なテーマでした。大統領府は選挙の結果に動かされず、今までの政策を継続するとしています。
この選挙の結果がチリ経済界にどう影響するかと経営陣のメンバーが論調を発表していました。
さてその結果ですが、意外でした、私の予想は外れ、共和党が36%の票を集め圧倒的に1位でした。そこは先の大統領選挙に出たカストが作った党です。数字は9時の段階なので少しは変わるかもしれませんが大筋では同じでしょう。2位は共産党新左翼グループで28%、3位は従来の右翼グループで21%。旧左翼はわずか9%と沈んでいます。そのほかのグループもあります。
憲法委員会の最終結論は過半数ではなく5分の3(60%)の投票がいりますが、野党側の合計はそれを超えると言われます。共和党は新憲法はいらないと言う声ですから、もしかすると今回の委員会は旧憲法をキープしようと決定し、国民の声を聴くことになるかもしれません。さぁどうなるかな。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3.85ドルと先週より低め。為替も1ドル797ペソと先週とあまり変わらずでした。
2)GDP
3月のGDPは前年対比2.1%のマイナスになりました。今年はマイナス成長という予想の通りですね。
チリ建築協会の推定では今年の建物の建築は前年よりボリュームが下がりそうとか。
3)新車の販売
4月の新車販売は19521台と対前年48%ダウンでした。半分ですね。その数字は2020年8月以来の最低の数字でした。
なんでも9か月連続に下がっているとか。その悪いニュースのほかに、今年の1-4月の販売数110919台の中でブランド別ではトヨタが1位の8588台。
5位が三菱、7位が鈴木、8位がニッサンとか。日本以外からくるのでしょうが日本ブランドはチリで活躍してます。
 それとは違いますが、実質賃金が17か月ぶりにプラスになりました。給料の上昇より物価の上昇が大きいと言うのが16か月継続したのですが、先月やっと実質賃金が、ほんのわずかですが、物価上昇を上回りました。このままそれが続くかな?

(一般)

1)犯罪
もう毎週同じですね。なんでも首都圏で犯罪にあった商店は何と60%にもなるとか。泥棒が来ない店の方が珍しいのですね。
今週、リベルタドール・カップのコロコロ対ボカジュニアー(アルゼンチン)の試合があり、0対2でコロコロが負けました。これはスポーツの話題ではありません。その試合の後にコロコロのダイレクターが何もなくて良かったとコメントしました。普通なら、どうしてこんな大事な試合に負けるんだと噛みつくはずですが・・・
ファンが暴れず、試合は正常に終わったので、次のカップ戦も自分たちのサッカー場が正常に使えます。自分たちのファンが暴れてスキャンダルになれば次の試合は観客なしになりますからその場合は収入が激減です。何だかチームが勝つ負けるより収入の問題の方が大きそう???
ところでペルーとの国境に停滞している移民のグループですが、そのうち115人のベネスエラ人は今朝、ベネスエラ政府の用意した飛行機で帰国の途につきました。以前は入国が話題だったのに今回は出国が話題になっています。1992年の調査では国民の1%が移民でした。それが2010年に2%になり、そして2015年には4%、さらに現在は8%と倍々ゲームになっています。
2)コロナ問題
もう毎日の感染者数が100人ほど、陽性率は1.5%ほどで動きません。投票所に行ってもマスクの着用は無いし、用紙に書くボールペンも以前は各自が家から持っていきましたが、今回は係員から共有ペンを渡してもらいました。
 つまり、もうチリではコロナ問題は終焉ですね。 それが大きく変わらなければ来週からこの項目は無くなります。


以上