チリの風 その1017  2022年11月7日ー13日

先週と違って曇り空の日が続きました。そして水・土と二日も雨になったサンティアゴです。
日チ友好125周年記念行事があり、渋谷大使の講演を聞きに行きました。その講義は 大学の講堂とオンラインの2種類の方法で多くの人と繋がっていました。
それから5回目のワクチン注射をしました。これで1年間は大丈夫とか。私の携帯電話に移動パスが入っていますが、その中にちゃんと5回目のワクチンも記録されています。
司法書士・損害保険・健康保険の3か所にペンディング事項があったので、それらの事務所を訪問しなんとか 解決しました。良かった。
さてとうとう10キロを・・・。完走ではなく完歩でしたが、いつものマラソンコースを歩きました。正常化までもう少しの頑張りです。
雨が降ったので、土曜日のサッカー教室は中止になりました、残念でした。
日曜日のマラソン練習は3名で実施しました。後ろにみえる山は雪で真っ白でした。そして練習が終わってから全員でコーヒーを飲みながら、会話を楽しみました。
こうして毎日、することがあって人生を楽しんでいます。
台所の鳥は、私が毎日三度そこに餌を置くと、すぐに飛んできて食べています。

(政治)

1)ボリッチ動向
この木・金曜日に問題のアラウカニア州を訪問しました。初訪問です。その前に国会で南部を特別州に認定し軍隊の駐屯を認めました。
さて彼の現場での行動に関し、野党側から大統領は州内の移動をヘリコプターで実施しているが、実情を知るためには車を使うべきだろうという声が出ました。もっとも一部から車でなく自転車で移動すべきだというコメントも出ています。
ボリッチは現場で、この州の平安のため委員会を設置したいと発表しました。そして今まで否定していましたが、この地区にはテロ組織が存在するとしました。この発言の後、同州の州知事は、それなら頻繁に国会で特別法案を論議するのではなく、問題解決まで、特別法案を継続させるべきではないかとしました。同州の市民から政権ができて8か月後の初訪問だが、それなりに意味があった。問題はそれらの問題点をどう解決していくか、その計画を明らかにしてほしいとしています。

さてボリッチは国民の安全が最重要項目と発表しました。口で言うのは簡単ですが、それをどう実施していくのかが重要です。これに関し内務大臣が、来週、議員と論議したいとし、その中に野党議員も招待しました。野党は政府案の弱点を探すのが得意ですからその集まりに野党を入れると政府案より精度が上がりますね。さぁどうなるかな、
3年前の社会騒乱時、警察を毛嫌いしていたボリッチも今では警察の手を握り、今週、警察に大量のパトカーを与えました。

ところで5年前の前回の大統領選挙で新左翼から出馬したサンチェスがボリッチに拾われてメキシコ大使になりました。彼女もバチェレットのような女性大統領になる可能性があったのですが・・・。ボリッチはその時、彼女の助手のように支援活動をしていました。野党側から、ボリッチはいつものように自分の知り合い・友だちを政府関係の仕事に優遇すると批判されています。

新左翼の議員がピニェラはひどかったが、ボリッチはさらに悪いとコメントしています。もう味方からもはっきり批判されています。

さて彼の父親が不正に土地住居を購入したのではというニュースが出ました。ユーゴスラビアから移民してきたおじいちゃんがパタゴニアにチリ政府から土地を寄与され、それをもとに父親がどこかの市長とネゴをしたのでしょうか。

何をしてもうまくいかない彼の日常を見ると、このままでは4年間の任期は正常に終えないでしょうね。

2)下院議長の選挙
今週、選挙が行われ、政府の推した新左翼のミロセビッチ議員が選ばれました。つまり政府は面目を保ちました。投票結果は77対73票でしたが、予想と逆転したのは野党側に入っていた人民党の議員の一部が与党側に変更したからです。人民党はそれらの議員を党の指示を守らないとして処罰しました。先の日曜日に第5州の大統領別荘で政府関係者が集まって作戦を練ったとき、野党側の議員で票を取れるのはいないかと一人一人検討したわけです。そして数人が選ばれ、それらとコンタクトし、投票先を変えさせたのでしょうね。
新議長のミロセビッチは、すべての野党(右翼)議員が市民へのご機嫌伺い主義とは思えない。ちゃんと話し合いをして正常な議会の運営を進めたいと発表しました。
3)COP27 
世界大会が続いています。チリは石炭を使った発電が37%と最も大きな量を占めています。全国に28か所の発電所があります。
2040年までにそれをすべて封鎖するとなっています。それを少し数字を変えて大会で発表してはどうでしょう。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド当たり3・83ドルと最近珍しい高値になりました。このためペソが強くなり893ペソ。
来年のチリの経済成長率はマイナスと厳しい予想がされていますが、銅価格がこのレベルを維持すればプラス成長になるはずです。
2)物価上昇率IPC
 10月は予想より低く0.5%の上昇でした。過去12か月では12.8%と毎月その数字も下がっています。落ち着いてきたのでしょうか。
3)新車の販売
今、チリではSUVタイプの車が一番売れています。そのタイプの車の今年の販売ですが、上位10車のうち7つが中国製でした。圧倒的ですね。

(一般)

1)暴力デモ
 大統領が訪問すると決まってから、アラウカニア州や隣のビオビオ州で、放火などの事件が相次ぎました。木材会社の車や重機に火をつけるだけでなく、教会や学校にも放火が続いています。マプチェの過激グループは私たちの領土へ勝手に入ってもらっては困るとコメントしました。以前から書いていますが、チリがスペインから独立したとき、そこはチリ領土ではありませんでした。

 それからいつものように高校生のデモが起き、50発の火炎爆弾が投げられました。高校の校舎の中でもそういう動きが撮影されました。事態を改善しようとする動きがまったくないですね。なぜルールを作ってそれをもとに結論を出すということができないのでしょうか。
2)コロナ問題
先週まで、毎週、新規患者の数が大きくなっていましたが、今週は最大が7791人と先週より少し下がりました。陽性率も17%と少し下がっています。この傾向が続くかな?
この週末に春祭り音楽祭が都内の公園で実施され、3日間、連日35000人の観衆で埋まりました。こうした演奏会が毎週のように行われていますが、コロナ感染の源になっているのでしょうね。違うかな?


以上