チリの風  その972  2021年12月27日ー2022年1月2日

とうとう新年になりましたね。去年はあれだけ頑張ったのだから、今年もそれに輪をかけて行こうと思いたいですが、それほど世の中は甘くないでしょう。何とか楽しい日々を送れますように頑張ります。

晦日の日、仲間と山歩き。いつもの第1展望台に行きました。山岳公園がコロナで閉まっている時は除いて、週に1回のペースの山歩きを守りました。独り歩きでも仲間と一緒でも自然の中に入るのは楽しみです。
そして夜中に打ち上げ花火大会。私がいつも歩いているカランの丘から花火が上がります。近くの公園に大勢の人が集まり歓声を上げました。昨年は中止になっていますから、やはり正常化が進んできたわけです。
日曜日はマラソン練習。ちゃんと10キロを走りました。この習慣を継続したいです。
つまり2021年は最後まで決まりを守り、2022年もそれに沿って始まりました。
さぁ今年はどうなるかな?

さて今週、月曜日にサンティアゴの一部で雨になりました。その時、私は散歩をしていたのですが、ぽつぽつ雨が降ってきて道路を濡らしました。今頃の雨は珍しいです。その他は毎日、最高気温30度の日が続いています。

(政治)

1)ピニェラ動向
 12月の世論調査でピネラを支持するは27%、不支持は69%でした。それに添付されたコメントですが、2年前の社会騒乱がなければピニェラは政権の最後の時期を支持率80%で終えただろうとか。
つまり現状は歴代最低の人気だが、あれがなければ歴史上最高クラスだったとするわけです。その根拠が分かりませんが、どうしてそんなコメントをつけるのでしょう。政治的意味があるのでしょうか。
私は彼の政策が特に良かったとは思いませんが、コロナに関しては彼の政策を支持します。

新大統領のボリッチは、休みを取って故郷のプンタ・アレナスに。頻繁に行きますね。飛行機で4時間ほどかかるところです。マスコミは彼を追いかけます。もちろん彼を持ち上げると言うのは誰かの政策なのでしょうね。サンティアゴの新居とか、内縁の女性との関係とか。
初めての世論調査でボリッチを支持するは54%、不支持は46%でした。
35歳の若手が国をうまく運営する力はないと言う意見がありますが、逆に60にもなった老人が国を引っ張るのは無理だろうと言うコメントもあります。つまり年齢は許容範囲が広いと言うわけです。私はボリッチの後ろに誰かが隠れていて、彼を操っていると見ますが。今日の新聞に新内閣に共産党から何人入閣するかと書かれています。
先週、社会党の党首と面談しましたが、バチェレット時代の旧与党の3大政党だった、そのほかの2党のPPDとDCは新大統領にどうすり寄って行くのでしょう。
同じように現与党の大手の国民改革党RNの元党首で今回の大統領選挙に出たデスボルデは「党内のいざこざに嫌気がさしている。このままでは離党するしかない」とコメント。すると同党は彼を制裁処分にしました。元党首の人間ですよ。与野党ともに問題山積ですね。

年金援助法。これが今週の最大の話題です。ピニェラは最低年金を18.5万ペソにする法案を作り、それを議会に提出しました。すると野党から、何を嫌がらせするのだと言うクレームが出ています。普通なら、政府提案を、「そんな額なら国民を満足させられない、努力してもっと良い数字を持って来い」と言うのですが、3月から自分たちがそれを実行する責任があるので、「どこにその原資があるのだ、責任を擦り付けるな」とするわけです。大蔵大臣はこの原資は‥と説明し、責任をもって実行できますとにっこり。共産党は政府案に反対していますが、他の野党は来週の議会で賛成票を投じるかもしれません。同じように、ピニェラは保育園法を作り、仕事と育児で苦しむ母親を援助しようとしています。これも野党からクレームがでるのでしょうか?


2)新憲法委員会
 現委員長のマプチェの女性ロンコンは第1期が終わったので、その責を譲るようですが、彼女は私の任期中、現政府から援助を得ることが少なかったとコメントしています。政府もどうすればよいのか良く分からなかったのでは。
 2年前の社会混乱の時にピノチェットの憲法なんか破棄しようとするグループの勢いが大きくなりましたが、何が問題で何をしようとするのか分からないまま、とにかく新憲法準備となりました。つまり現在の委員だけでなく一般国民が現行憲法の何が悪いのか良く分かってないようです。じゃ、草案が出来たときの投票はどうなるのかな?ピノチェットの憲法を変えるなら何でも賛成と言うのではレベルが低すぎますね。

(経済)

1)経済成長率
  11月は8ヵ月連続で2桁成長になり、昨年1年間で11-14%の2桁成長は間違いないとか。
  予想通りの展開でした。失業率も順調に下がっています。
2)銅価格と為替
  銅の今年の平均価格は1ポンド4.23ドルと最高を記録。チリの困難な状況を救ってくれたわけです。今週は4.40ドルで終えました。為替は1ドル850
ペソでした。ところで為替は年平均で760ペソでした。対ドルでチリペソは世界3番目に落ち込んだとか。
3)リチウムのテンダー
  昨年10月からテンダーが始まりました。40万トンの採掘がオッファーされており、5社が参加しているとか。ボリスグループはそのテンダーをいっ
たん中止にして、新政権で結論を出したいとしています。もしそれが実現すると銅鉱山に投資している外国資本は安心 できま せんね、今は銅の
価格が上がっているので、数年前の経常収支の苦しみは消えていますが、政府の介入が出始めると、どう撤退するのが良いのか大問題になります。

4)銀行の利益
 なんと今年は昨年の2倍になったらしい。
 20%アップならまだ理解できるけど2倍になったと言うのは常識の外ですね。今年は投資をする人がそれだけ増えたのですね。

(一般)

1)コロナ問題
 今週は、良い傾向はありません。感染者数はそれほど伸びていませんが、感染率が上昇し連日2%を越えています。週末は3%を越えました。感染が治っていない患者の数も先週より増加です。もっとも新変種のオミクロンは風邪と同じくらいのレベルで大騒ぎすることはないと言う説もありますが。
所で隣国アルゼンチンですが、今週何と1日で50500人の新記録。その日のチリは1295人でした。人口の差はありますが、アルゼンチンの20倍の感染率は異常ですね。政府は何も手を打てないのかな?
チリに今週約80万人分のワクチンが到着しました。

移動パスの制限
今まで2回接種した人に移動パスが出されていました。それが1月1日から3回ワクチンを打った人だけに認められます。それで年末、ワクチン接種所に長い列が出来ました。3回目を打てなかった約100万人のパスが価値を失いました。
今年の中ごろには4回接種が義務付けられるのでしょうか。そうなると毎年2回の接種が義務付けられるのでしょうが、それは各自の健康に悪い影響を与えないのかな?

2)山火事
 やっぱり山火事の大半が自然ではなく人間が関係していたようです。
 ほとんど鎮火しましたが、それでも未だ11カ所で火事が継続です。合計で31000ヘクタールが燃えたらしい。
 それにマプチェが関連してきます。
 マプチェのグループの中で一番過激なグループはCAMと呼ばれるグループです。ボリッチは彼らと話し合いをしたいとしました。与党側から犯罪
グループと話し合いをするとは何事か。彼らは全員逮捕して裁判にかけるべきだと言っています。同グループのリーダーは武力闘争は続ける、それは
自分たちの権利だとしています。
欧州人がラテンアメリカで行った犯罪行為はどの国の教科書にも出ないようですね。チリでもたくさんあります。


以上