チリの風  その969  2021年12月6日―12日

暑い日が続いてます。サンティアゴの最高気温は週日ほとんど毎日30度以上です。
白内障の手術を先月しましたが、その最終検査がありました。それを見て、医者から手術の後、視力がかなり回復していると確認されました。もちろん、自分でそれは認識しています。良かった。
土曜日は登山教室。10数名の参加者で楽しく山歩きをしました、運が良かったのは、その日、霧がかかって温度が上がらなかったことです。下の街は見えなったけど、暑くなりませんでした。10歳以下の子供も私と同じ速さで歩きます。すごい。
日曜日は仲間とマラソン練習。登山の翌日なので、私は軽く駆け足だけ。でも今週は週日に一人でちゃんと10キロ走りました。

(政治)

1)ピニェラ動向
  今週、光ったのは年金者援護として65歳以上の人に最低年金18.5万ペソを保証するとしたことです。貧困層の90%、約230万人がこの恩恵を受けられるとか。ちゃんと法律になるかな?
  それに同性結婚が国会で認められたので、その関係者をモネダ宮殿に招待し、お祝いしました。私は同性間の結婚に大きな意味を感じませんが、ピニェラは同性愛者をちゃんと励ましました。
  さて2年前の社会騒乱の時に、警察がデモ隊に暴行を加えたとする件で、ピニェラは国際法廷に訴えられていました。しかし、その法廷はピニェラが罪を犯したとする証拠は十分ではないとして訴えを却下しました。
  警察の対応が悪かったのはあるかもしれませんが、デモ隊の行動は犯罪的と思いますから、この法廷の判決はノーマルですね。

2)大統領選挙
 日曜日、二人の候補者のグループが対決しました。
 サンティアゴのイタリア広場は、そこを左翼が抑えて警察と衝突すると言うのが今まででしたが、今日はそこを最初に右翼が抑えました。彼らは警備の警官と握手をしていました。(今はコロナ時期なので握手でなく拳をあてるのですが)そこへ左翼応援の自転車グループが通りかかり、両グループの中の揉め事、好きな人間が暴言を吐き始め。その中の幾人かが喧嘩を始めたもの。
2年前の社会騒乱の時はデモ隊が百万人も出ましたが、今日は何百人でした。
今週、大学入試がありました。全く正常だったらしい。社会騒乱の時は、それを利用して大学入試
が大混乱でした。つまりチリが正常化してきていると言う証拠ですね。

さて後、1週間で次の大統領が決まります。極左と極右の対決と当初言われましたが、それでは一般市民の賛同が得られないと、両陣営ともに中道に傾き、極端な違いは消えていきました。

今週のラヂオの討論番組で、カストはボリッチに、「君は学生運動をやっているとき、ある女性に性的悪戯をして彼女に訴えられている。その反省はあるのかと」発言しました。ボリッチは「私が司法から尋問・質問されれば即時回答する。君のような言いがかりのウソ発言は君を訴えなければなくならないのか」と逆に攻勢をかけました。

私はどっちも好きではないので、この人に勝ってほしいと思うことはありません。さぁ来週、どっちが勝つかな?

今日、国連の人権委員会で働くバチェレットが帰国しました。クリスマスの休みをチリで楽しむのでしょうが、来週の選挙のための応援をするのかな?もちろんカストは彼女の行動を非難しています。

(経済)

1)経済成長率
  S&Pの推定ですが、来年、ラテンアメリカで最も成長率の低い国として2か国が名指しされました。ブラジルとチリです。ペルーより低いの?
チリの場合、来年は今年より成長率は下がると当初から予想されていましたが、ラテンアメリカ諸国の中で最下位とは?これは政治不安が考慮されているのでしょうか。
2)物価上昇率IPC
 11月のIPCは0.5%。今年の1-12月の予想は7%で、過去13年で最悪です。この傾向は続くのでしょうか?
3)銅価格と為替
  1ポンド4.32ドル。為替は1ドル841ペソ。少しペソ安になりましたが、ほとんど先週と変わりません。

(一般)

1)コロナ問題
  土曜日の新聞にチリのコロナ問題は終焉に向かっているとする文章が掲載されました。
  確かに、今週の陽性率は2.5%前後の日が続き、激減とは言えませんが、縮小しています。
  陽性患者数は9618人になり、先週より2098人も減少です。

  新変種もチリで何人か出たようですが、情勢は全く落ち着いています。
  ただ不思議なのは厚生省の中から4回目のワクチン接種を考える声があることです。
  最初、2回の接種で、問題解決となっていましたが、最近それでは駄目だ、3回のワクチンが必要とされ、2回の接種だけでは移動証明書が機能しないことになりました。それが4回目になるの???

2)カトリック
  この水曜日はカトリックの聖マリアの祝日でした。いつもならその前後はこのニュースが頻繁に報道されますが、今年はほとんど無し。私は現在のキリスト教にほとんど興味がありませんが、チリのマスコミもそうなのでしょうか
  ところが、カトリック大司教アオスがニュースに出ました。それは聖マリアの話ではなく、同性間結婚が議会で認められたことです。
  大司教は 法律を尊重するのは当然だが、カトリックとしては違った見解を持っていると反対の意見を述べました。
3)マプチェの攻撃
  今週はある地区でトラック3台、重機1台、バス1台に火がつけられました。それとは別の場所で10数台の車が放火されています。その時、その場所にいた職員がデモ隊に襲い掛かられ負傷しています。軍隊が警備に出て犯罪は減少したと言われますが、毎週こうした犯罪が継続です。
4)干ばつ
  全国で53%の地区が干ばつ危険のランクに入りました。もちろんそこで次の問題が起きます。そうです、山火事です。
  今週、チロエ島の中心地カストロの近くで山火事が起き、それが周辺の住居に飛び移りなんと140件の家屋が全焼。この夏は毎週そんなニュ ースが出そうです。
5)麻薬
 今年に入って警察に押収された麻薬は28トンになるとか。コロンビアの組織がチリに基盤を作り上げたらしい。どうなるのかな?

(スポーツ)

1)サッカー
  もうリーグ戦は終わり、ワールドカップの南米予選もないのでサッカーはしばらくお休みになりますが、今週は国際親善試合が2試合ありました
  アメリカのテキサスで対戦、まず最初はメキシコと。結果は2対2の引き分け。
  そうしてもう1試合は対エル・サルバドール戦。1対0で勝ちました。するとネットでチリ代表を非難する声が続々。特に監督に向けての批判で「こんな弱い相手に辛勝とは何事か。お前が監督ではチリの将来はない」
  当たっているかな?


以上