チリの風 その968  2021年11月29日ー12月5日

今週の一番の話題は息子家族と最後の昼食会をしたことです。その後、彼らは日本に出発し、東京のホテルからビデオで話をしています。転勤ですから、いつチリに戻ってくるか分かりません。そして私がいつ向こうに彼らに会いに行けるかもわかりません。コロナですからね。
山歩きは仲間と初級広場へ行きました。これは来週の登山教室の予行演習。ちゃんと4時間で往復しました。
サッカー教室は十数名の参加者で楽しく実施。ただ気温が32度まで上がったので、何度も休みを入れて水を飲みました。
日曜日はいつものマラソン練習。10キロ走るつもりが7キロでした。気合が足りません。スーパーマーケットに買い物に行くと、知り合いのレジの女性が「お客さんが走っているのを見ました。挨拶をしようと思ったけれど、必死の顔をしていたので止めました」????
小説も進んでいます。もう少ししたら発表できると思います。
いつまで、こうした楽しい毎日が送れるのでしょうか。

(政治)

1)ピニェラ動向
  大統領府の発表では、幾つもの行事に参加しているようですが、大事な・有意義なと思われる動きは少なく、時間つぶしをしているみたいです。悲しい最後ですね。
 2)大統領選挙
  世論調査では新左翼のボリッチが最右翼のカストにかなりの差をつけているようですが、盛り上がりません。
  カストはアメリカに飛んで政治・経済関係者との面談をしてきたとか。今、その必要があるのか分かりませんが、それより国内を統一する方が重要ではないかな?
  両陣営は先の選挙で3位を占めたパリシの票を狙っています。パリシにコンタクトして、どうすれば君とその支持者はわが陣営に来れるかなと図っています。もちろん大臣にしてあげるよと誘うのでしょうね。
  先の選挙に出た与党側代表のシーシェルはカスト支援のためには人権問題など、自分の政策と大きな違いがある点を見直さなければ同グループには入れないとしました。カスト・グループは文句を言わずに黙ってこっちに来いとしましたが、2,3日たってシーシェルはカスト支援を表明。後ろでいろいろネゴがあったのでしょうね。
  カストはボリッチは共産党だと攻撃し、中道左派が彼から離れることを狙っています。例の4回目の厚生年金引き出しに関しボリッチは賛成・反対と立場が一定ではありませんが、それは共産党に踊らされていると言われます。
その引き出し案ですが、今まで1回目から3回目まで国会で成立しました。ところが今回は反対派が増加し、引き出し案は不成立になりました。
1回目の時、引き出しがなければ国民が生活できないと言われましたが、政府の援助が実施され始め、それは継続中ですが、なんだか引き出し案は単に政治的な駆け引きのようになっています。
  
 新聞に新左翼共産党として過激なイメージだったボリッチが中道左翼路線を取り始め、今までのバチェレットと似たようになってきていると書かれました。その文章の結論はボリッチはバチェレットよりレベルは低いでした。ただべネスエラ問題に関しては彼が勝てば、チリとべネスエラは友好関係を深めるだろうとされています。チリ共産党はべネスエラの同盟ですからね、
同じように当初は左右の対決と言うイメージだったのが両方とも方針をっ柔軟化しているとする文章も掲載されています。
そうそう、ボリッチが年金引き出し案に賛成・反対と意見を変えましたが、カストも同じです。当初、現行の政府に置かれている女性省は不要と考えるとしましたが、女性蔑視かと批判を受けると、その見解は間違いでした。私の政権でも女性省は継続しますとなりました。
投票まで2週間ですが、大きな動きはなく、このままボリッチが勝ちそうです。
チリ社会党の幹部がボリッチが勝っても新左翼共産党では政権を築けないだろうから、その時はわが党も助けてあげるよと言っています。政治家は権力を握るためには何でもすると言う感じですね。
3)新憲法委員会
  ファイナンシャル・タイムズ誌の発表で今年の世界でもっとも活躍した25名の女性の中に新憲法委員会の議長エリサ・ロンコンが選ばれました。
 4)公務員の賃上げ
  大蔵省は来年の賃上げを5%にしたいと発表しました。すると労働組合などが噛みつき、物価上昇率くらいでは賃上げにならないだろう。せめて10%にしてくれとしましたが、最後は6.1%で合意したとか。筋書きは教科書の通りですね。消費者物価指数より低いですが。

(経済)

 1)経済成長
  中銀の発表では、今年は予想通り上昇が実現しているが、その伸びがかなり減速してきている。つまり来年は難しい年になるだろうとなっています。
  確かにOECDの見通しは今年は12%、そして来年は3.5%の上昇となっており、中銀発表と一致しています。
 2)株式市場と為替
株式市場は落ち込みました。その一例でラタム航空は1995年以来の低い数字で倒産さえ予想されるとか。厳しいですね。
 為替でチリペソは落ち込み、1ドルは一時843ペソまで上がりました。昨年3月以来のペソ安の数字です。最終的に837ペソでした。銅価格は1ポンド4.31ドルと少し下がりました。
 3)失業率
  8-10月は8.1%になり、前年対比で3.5%良くなっています。いつも言われる正常化の証拠ですね。
 4)物価上昇率
11月の数字は推定で0.8%。年間では7%になると見込まれています。

(一般)

1)コロナ問題
 第3の波かと心配されました。9月の愛国記念行事で感染者が増え始めたのですが、それが収まってきているようです。日々の感染率が3%から2%に下がり始めました。
来週から幼児にもワクチン接種が始まります。ワクチン頼みと言う雰囲気ですね。
所で新変異種がチリでも見つかりました。アフリカから戻ってきた人が罹ったようです。ひどくならなければよいのですが。
年末恒例のバルパライソの花火大会ですが、昨年は中止になりましたが、今年は実施するらしい。それを見るため多くの観光客が大晦日にそこを訪問します。私の住むラス・コンデス区でも花火大会が実施されそうです。
2)露天商
 サンティアゴは町の中心部セントロで、露天商が大きな問題になっています。道端でひっそり店を出すと言う感じではなく、道の両側に店が並び、車の通行に影響すると言うほどです。その露天商の一部が今週、警察の手で撤去されました。それでもクリスマスを前にして露天商があふれています。テレビカメラの前で、彼らは警察を批判し「家族が生き延びるため、私たちは働く必要があるんです」
もちろん、そうでしょうが、その露天商に店を塞がれている、その後ろの店のオーナーは渋い顔ですね。

3)テレトン
過去何十年も行われている障害児童の援護施設を助けるイベントです。今年も全テレビ局が共同して放映しました。開会式にはピニェラは奥さんとともに参加して、皆さんのお助けで障害児童の援護が進みます。今年のテレトンが大成功するのを祈りますとしました。

(スポーツ)

1)サッカー
  国内リーグ戦の最終日、首位のカトリカはビーニャに向かいエベルトンと対戦しました。小さなサッカー場ですが、カトリカファンがほとんど埋め尽くしました。結果は3対0で圧勝。2018年から4シーズン連続の優勝です。
  人気のチリ大学はラ・カレラと対戦。90分が終わった段階で1対2で負けていました。来シーズンは2部に降格と言われました。しかし4分間の延長の間に2点を挙げ3対2で逆転勝利。1部リーグに残りました、劇的な話ですね。


以上