チリの風   その967  2021年11月22日-28日

金曜日は孫の誕生日で、その家に家族全員が集まりお祝いしました。
土曜日は登山教室でした。10数名の参加者で第2展望台に上がりました。曇っていたので気温が上がらず、涼しかったのは幸運でした。3時間半のルートを子供たちは疲れを知らず、最後まで元気に歩きました。素晴らしい。
日曜日のマラソン練習は10キロは走らなかったけど、仲間と走りました。
白内障の手術の経過を見る2度目の医師の診察があり、目に点す薬を指示されました。
結婚記念日が来て、嫁さんとレストランでお祝い。彼女と付き合い始めて15年が近づいています。後10年位、続くかな、もしまだ私が生きていれば。
それから初めてテレビの番組に出ました。仲間と二人で招待され、彼は折り紙の話、私はトレッキングと旅の話を、それぞれ20分ほど話しました。
中高年でもコツコツやれば、なんでもできますよと言うのが番組のテーマでした。
そして、まだあります。昔、クスコにいたとき考えた小説を、チリに来てすぐに書き始めました。40年前の事ですが、その時は終わらなかったので、それに加筆訂正しはじめました。出来上がったらいつか読者の皆さんに見てもらいたいです。

こうして毎日、忙しく楽しい日を送っているのは幸せです。

(政治)

1)ピニェラ動向
 任期はもうあと4か月と言う状況ですが、今週は大臣・次官など政府関係者をビーニャの政府公邸に集め首都圏とは違った環境で現状の検討をしました。もちろん大統領選でどうすれば与党側が勝てるか検討したのでしょうね。

2)大統領選挙
  一番右と左の候補者カストとボリッチが中道派の候補者を破り12月の決選投票に残りました。今日の新聞の風刺漫画ですが、その二人がバスに乗り込もうとしています。そのバスはセントロと書かれています。これはそのバスが町の中央部に向けて走ると言う意味ですが、選挙で言えば、右と左はその二人が抑えているから、中道の人の票をどう集めるかが焦点になるわけですね。
  それが緊急課題です。与党側は全党がカスト支援を党として正式に発表しています。野党側はまだ揉めていて、例えばキリスト教民主党DCでは、党首などは個人的にボリッチの応援をしていますが、正式会議での決定は出ていませんでした。が、やっと今日の午後、ボリッチ支援を決定。そのボリッチを推す共産党は、昔、DCが与党の中心政党だった時、共産党をそのグループに入れようとはしなかったとクレームしています。
ボリッチは先の予備選挙共産党候補だったハドゥエを自分が大統領になっても大臣として起用しないようです。これは共産党がクレームしていることを利用して、共産党の圧力を受けないと明言すると中道左派がボリッチ応援の気持ちを高めることになりそうです???

医師協会の会長がその職を辞してボリッチ応援に参加します。記者団から厚生大臣の職に就くのかと聞かれ、今は彼が勝つことだけを考えていると逃げました。同じように厚生大臣の補佐でコロナ問題の情況を毎日テレビで報告している女性次官が、来週からその職を辞して、カストの陣営に入るとか、
アルゼンチンの駐チリ大使は「ピノチェットの後継者のようなカストが国を代表するのはいかがなものか、彼はアルゼンチンを嫌っている」とコメント。与党側から、「チリのことを云々するより大統領が反政府に押されて対応に苦しんでいる自国のことを考えなさい」と冷たい反応。アルゼンチンは最近、パッとしませんね。そういえばブラジルも落ち目だし、新大統領のペルーも厳しい状況ですね。
ところで国会議員の選挙ですが、結果は左右がほぼ同数でした。
2年前の社会騒乱から現在のチリは左翼が多数だと思われていましたが、そうではなく全く互角の五分五分です。反政府デモに百万人以上の参加者がありましたが、同じように右翼のデモでも百万人が集まると証明されたわけです。全国の25の貧困地区の内、23区を右のカストが勝ちました。貧乏地区では左翼が強いと普通のチリ人は考えるところですが。全く逆で右翼が抑えました。つまり、それも現在のチリでは左翼・右翼は同じレベルの力を持っていると言う証拠でしょうね。

 先週の大統領選挙で与野党が選んだ二人の候補者シーシェルとプロボステは下位低迷しましたが、3位にパリシが入りました。
  彼はアメリカ在住で、この選挙には直接には何もできませんでした。彼は自分の子女の養育費を離婚した妻に渡さず裁判になっています。そんな人間が3位に入るなんて。これをチリ人と話すると、彼は「チリ人のレベルの低さを表している。テレビなどの宣伝でパリシの話が魅力的に思ってしまうわけだ」どうでしょう。彼が勝ち取った票を誰が手に入れるかが、12月の選挙の大きな争点になりますね。

3)国会
  軍隊派遣15日延長許可になりました。
  しかし今週もトラック襲撃事件が起きて1台の大型トラックが全焼。どうして犯人グループが逮捕されないのでしょうか。軍隊の駐在を超法規的に認めているのに???

4)新憲法委員会
  開始して初めてサンティアゴ以外の場所で会議が行われました。会議の場所はビオビオ州で、暴力行為の問題について話し合われた由。その州と、一つ南のアラウカニア州は軍隊の駐在が認められている地区です。

(経済)

1)銅価格と為替
  銅価格は金曜日、前日対比かなり下がりましたが、それでも4.37ドルで先週とほとんど同じで1週間を終えました。木・金曜日の大きな動きは、世界の経済の動きと言うより、投資の対象に銅がなり、売りに出る・買いに入るでジグザグになると言う証拠ですね。
  為替は1ドル819ペソと先週よりペソが強くなりました。
2)世界の株式市場
コロナの新変種が見つかったと言うニュースに株屋さんが影響されたとか。ダウジョーンズは2.5%、ニッケイも同じ2.5%、チリのIPSAは0.5%の落ち込みでした。
原油価格も10%ほど大きく下がりましたね。それは良いニュースなのか悪いニュースなのか。
コロナ関連で大きな影響を受けたのは観光業界です。チリの観光業は昨年は前年対比92%減少とほぼ全滅でした。それに比べると今年は少しは良くなっていますが、正常化とは程遠い状況。来年はこのまま上昇を続けるのかな?
12月から出入国の管理が緩みますが、識者の中からコロナ問題が治まっていないのだから、もう少し様子を見るべきとのコメントが出ています。

(一般)

 1)コロナ問題
   先週とほとんど同じです。陽性率は毎日3%台。たまに感染者数が少ない日があったら、例えば火曜日は1700人、その理由はPCR検査数が減ったので感染者数も減ったわけです。陽性率10%だったのが0.5%まで下がり、それがまた3%まで戻ってきているわけです。
 9月に比べると全般に確かに状況は悪くなっています。しかし、その後、悪い方には進まず、長い間、同じレベルでキープされています。陽性率を見るとそれは確かです。
南アの新変種問題が世界に広がるって本当かな?

 それからなんと3歳以上の小さな子供にも接種することになりました。12月の6日から始まるとか。大丈夫かな?今週も40万人分くらいのワクチンが到着しました。チリのワクチン接種率は世界のトップクラスですね。
2)学校教育
 先日、文部省が来年度(来年の3月開始)は全部の学校で授業を再開すると発表しました。ところで私はもうコロナ問題は落ち着き、現在ほとんどの学校で通常の授業が行われていると思っていました。私の地区では幼稚園も小学校も授業をしています。しかし現実はかなり違い、オンラインでなく通常授業をしている学校は7月はわずか16%。9月は46%、10月は58%でした。まだそんなに低い率ですね。

(スポーツ)

  1)サッカー
    首位争いのカトリカとコロコロですが、両チームに大きな差が出ました。カトリカはホームでワチパトと対戦。その試合をテレビで見ましたが、ほぼ満員の観衆でした。入場制限って無いのかな?そのサッカー場の前を山歩きするとき、毎回通っています。カトリカは2対0で楽勝しました。一方、コロコロはウニオンになんと敗れました。勝ち点の差は3です。来週最終試合がありますが、カトリカの優勝はほぼ間違いないでしょう。
試合に勝って喜んだカトリカファンの車がクラクションを鳴らして道路を走っています。
それから人気チームのチリ大学ですが、今週は引き分けで下位低迷。来年度は2部リーグ戦に落ちるかもしれません。


以上