チリの風   その966 2021年11月15日ー21日

先週より少し気温が上がり、毎日、サンティアゴの最高気温は30度くらいです。もっとも最低気温は10度ほどで、朝晩はひんやりします。クリスマスの宣伝が始まり、キオスコで来年度のカレンダーが売られています。
今週の話題はもちろん、選挙ですね。
今日の日曜日、私は朝8時ころ家を出て投票所に。前回と同じところでした。今回はあちこちで選挙の投票所が変更になっており、なんと3百万人も、嫁さんも前より遠くなったとこぼしていました。
私は涼しい朝に家を出て半時間ちょっとの歩きで投票所に着きました。ちょっと待たされて投票用紙を入手。5分で終了しました。その時間に投票所に来ているのは殆どが老人でした。

もちろん、そのほかは今までと同じような毎日で、土曜日には学校でサッカー教室を実施。大人・子とも合わせて20数名と多くの参加者で楽しく練習しました。参加者の二人が来月、日本に出発になり、今回が最後なので胴上げをして活躍を祈りました。

(政治)

1)ピニェラ動向
 モネダ宮殿で、閣僚などを後ろにスピーチ。「私の任期はあと4か月になった。確かにその間に、いくつかのエラーもあったが、残りの期間をこの政権が始まったときの情熱で推し進めたい」としました。国会で自分を糾弾する法案が成立しなかったことについて、全く根拠のない政治的な嫌がらせが、否認されたのは当然だとしました。
それからキヨタで完成した病院の開院式に参加し、この地区の皆さんの健康のために役立てるのがうれしいとしました。

先日、パスポート、身分証明書の発行を中国企業の手に任せると発表されましたが、それが今週、取りやめになりました。中国政府は納得せず、国際法廷に訴えるらしい。
中国からの圧力で、その企業と契約したけれど、国の最重要事項を中国の手に預けるのはいかがなものかという圧力がどこかから出たのでしょうね。
なんでもフランスとこの件に関し新契約が出来たとか。市民がパスポートを受け取る時に払う価格は今までの半分くらいになるとか。誰がそんなに儲けていたのでしょうか。
2)大統領選挙
 月曜日に最後の候補者の討論会がありました。2時間45分の番組でしたが、最後までちゃんと見ました。6人候補者が各自の意見を述べ、その後に他の候補者へのコメントも認められました。候補者への質問の例として「イタリア広場でデモがあり、道路の封鎖が行われた場合、あなたの政権は警察を利用して排除するか」がありました。正規に都庁から認められたデモは警察には何の関与もさせないが、認知されていないデモ、また不法な道路封鎖などには警察力で解散させると言うのが普通でした。
 それを見終えて私はシーシェルが一番まともな回答をしていたと思いました。翌日のマスコミでプロの人が同じ意見を述べました。
ところで日曜日の新聞に識者が、共産党より新左翼の方が心配だとする文章が載りました。それははっきりしない組織の新左翼の若手は好き放題のことをやり、経験がないから自分たちの政策が失敗しているのか成功しているのかさえ分からない可能性があるとしています。
私は5分で投票を済ませましたが、午前中から長蛇の列になり、娘の場合、3時間半も並ばされたとか。少し前のワクチン接種の時のようですね。650万人が投票しました。
そして今日の投票では予想された通り、勝ち抜いて決選に挑むのはカストとボリッチ。一番右と新左翼。どっちが勝ってもチリは大きく揺らぎますね。いや変わりますね。今、二人の応援グループがそれぞれの事務所の前で騒いでいます。

民政化してから毎回、自分たちに候補者を決選投票に送り込んだ与野党グループが今回初めて失敗しました。それは与党側のシーシェルと野党側のプロボステのことです。
いつまでも同じシステムが続くことはないわけですね。
3)国会の動き
 政府の要求した南部への軍隊派遣期間の延長は認められました。政府はその期間を更にもう少し延長させてほしいと2回目の延期要請をします。しかし軍隊派遣は役に立っているのでしょうか?今週も暴動騒ぎが継続です。
 大統領糾弾は下院で成立しましたが、上院で否決され、結局、ピニェラの追放は成り立ちませんでした。

厚生年金の第4回引き出しは、まだ結論が出ていません。

(経済)

 1)経済成長率
  今年の第3四半期は17.2%と記録的な高い数字。今年の問題はもう解決済みですね。され来年は新政府、どうなるかな?
 2)銅価格と為替
  1ポンド当たり4.36ドルと高値安定。為替は1ドル834ペソと一気にペソ安になりました。プロの人がドルは世界的に価値を下げているとコメントしていましたが、全く逆ですね。
 3)物価上昇が最近、問題になっていますがガソリン価格がまた上昇。ペソ安も影響するのでまだ上がりそうです。ハイオクの97オクタンだけでなく93オクタンも1000ペソを超しています。
ガソリンには関係ありませんが、運転手が不足して業界に問題を出していると言う記事がありました。全国でトラックの運転手が12000名、市内のバスの運転手が8000名も不足とか。もう少しして果物の収穫が始まれば、そこも人出不足で泣くでしょうね。失業率が下がってくると言うのは経済正常化の証拠ですね。

(一般)

1)コロナ問題
  悪い風がまだ続いています。9月に一日500人ほどだった新規患者数が2千数百人に上がっています。PCR検査数はほとんど同じですが、陽性率が0.5%だったのが3%以上になっているからです。しかし第1次、第2次の波の時は、毎週、患者数が増えましたが、今週は先週とほとんど変わりません。このまま波は治まっていくのかなと言う雰囲気もあります。陽性率は今週7日間とも3%台でした。
毎週のようにワクチンは届いています。今週もファイザーとシノバック製のワクチンがそれぞれ40万人くらい到着しました。
コロナを恐れて外からの訪問を拒否していたイースター島が来年2月3日からオープンしラタム航空の便が動きはじめます。もっともその前に空軍にサービスを依頼しました。つまり島民で本土から戻れない人や島から本土に行く必要にある人を運んでもらいたいと言うものです。
2)マプチェ問題
  南部の森林会社で覆面グループが襲い掛かり、従業員が5名負傷しました。
 同じ問題が継続ですね。派遣された軍隊は何をしているのかな?
 サンティアゴのイタリア広場でこの金曜日デモがあり。警察と衝突、50名近い逮捕者が出たとか。
毎週同じことが繰り返されていますが、どうして抑えられないのでしょうか。

(スポーツ)

1)サッカー
 国内リーグ戦は日曜日に選挙があったため、今週はお休みになりました。
 ただスーパーカップと呼ばれる大会の決勝戦があり、カトリカが優勝しました。これは昨年度の1部リーグと2部リーグのチャンピオンが争うものです。その重要性は分かりませんが。
 W杯の南米予選が行われ、チリはホームでエクアドルと対戦し、予想されなかった0対2の敗戦。
 試合前は4位に位置し、このままだとワールドカップ出場となりましたが、この敗戦で6位に落ちました。残った4試合は強敵のブラジル・アルゼンチンとウルグアイ、それから、もう1試合はボリビアですが、高地のラ・パスでの試合ですから、厳しい状況。2勝2敗ならまだ可能性は残りますが、多分1勝3敗で、今回も下位低迷で本大会出場はなさそうです。


以上