チリの風 その962   2021年10月18日ー24日

今週は忙しい週でした。もちろん、色々することがあると言うのがうれしいです。
その一部を書くと下記の通りです。
山登りは仲間と第2展望台に。久しぶりだったので懐かしかったです。
それから衆議院選挙の投票に大使館に。来月のチリの選挙は自分の生活に影響するので緊張・興奮しますが、日本の場合はそんな影響がないのでのんびり投票しました。あかん、国籍は日本なのに私はもうチリ人かな。日本の首相を選ぶ選挙があれば、私もきっと興奮するでしょうが。
土曜日は学校で運動会。2年ぶりでしたが、子供のパワーには驚かされます。いくつもの種類の運動を平気にこなします。素晴らしい。
日曜日は仲間とマラソン練習。仲間は10キロ、私は7キロを走りました。気合が入ってないですね。
さて日本のグループからチリ訪問の相談を受け、彼らの計画が実施可能かどうか観光局に相談に行きました。事務所はオープンされていましたが、職員は自宅勤務なので、面接室に入って、そこにある電話で職員と会話。何それ??

(政治)

1)ピニェラ動向
彼を訴える国会の動きは進んでいますが、まだ結論には達していません。もっとも国税局は彼がドミンガ鉱山を売却した時の契約には不正なものはないとしました。
そんな話と違ってピニェラは国立がんセンターの建設を始めると発表、2.5億ドルの投資でこの施設が完成すると1千万人のチリ人の役に立つとしています。それからチリ中銀総裁のマルセルを再認しました。2016年末からですが、もう一期とか。
  
べネスエラの左翼援助
チャベスが大統領をしていた時、べネスエラは今と違って金があふれていました。そこでチャベスは世界各国の、特に南米の左翼を援助することにし、秘密に金を渡していたらしい。彼の部下だった人間が暴露したものですが、ブラジル・アルゼンチン・ペルー・ボリビアなど各国の大統領の名前が挙がっています。その中にチリの名前はありませんでした。チリは左翼政権だったのですが・・・。
国会
この2年間の社会暴動で有罪になった犯人を釈放(恩赦)する法案が議会に出ますが、政府はそれに頑固に反対し、与党側議員に反対票を投じるよう要請しています。放火・略奪などの暴力犯は政治犯とは言えないとしています。
今週、内閣省の幹部が、もし新左翼のボリッチが次の大統領になれば、社会騒動は拡大するだろうと警告しました。
もっともボリッチは政府が大統領選挙に介入するのはいかがなものかと冷ややかな対応。
それは、2年前の高校生の地下鉄タダ乗り運動が社会騒乱のきっかけになりました。私はその時まで、チリはラテンアメリカの優等生として政治・経済の安定があると思っていました。それがそんな簡単なことではないと考えを変えました。今週の破壊行為・略奪行為は以前と同じ規模・思想ですが、私が思っているようなごく一部のグループが破壊行為をしているのではないと思います。つまりそれらの破壊行為は、例えば信号を倒す、商店に扉を壊して入り商品を略奪するですが、一部の人間にはそういう行為は愛国的な正義の行動なわけですね。それが一部の小グループではなく、ある層を引きずりこんでいます。そのため、議員の中には彼らを政治犯として釈放しようと動いているわけです。私の考えとは全く違いますが、そういう人が少数ではないと言うことです。
厚生年金の4回目の引き出しも大詰めですが、もめています。
選挙運動
この金曜日から選挙活動が許可になり、テレビの番組で各党のPRが流れ始めました。また各候補者の横断幕があちこちに飾られるようになりました。
もっとも盛り上がってきたと言う風には見えませんが。
一番人気の新左翼のボリッチは大統領にはなれないと言うコメントが上がっています。それは彼が自然環境保護の運動で、予算を入れたいとした額が国家予算と同じような額だったので、競争相手が、自分で考えてそのアイデアを説明しているのではなく、誰かの案をしゃべっているだけだからそういうエラーが出るとしました。その種のエラーがそのあとすぐにもう一回。ボリッチは私にエラーがあったと喜ぶ候補者はレベルが低いと抵抗しました。

(経済)

1)銅価格と為替
 1ポンド4.5ドル、1ドルは817ペソと。大きくは動いていません。
2)公務員デモ
 賃上げを要求するデモ隊が、街の中心のアラメダ通りから大蔵省のビルの方に迫りました。7.5%の賃上げを要求しています。警察に規制されましたが、公務員の自分たちを警察が抑えようとするのはいかがなものかと苦情をしています。
今年は経済成長率も順調に上がっていますが、来年はどうなるかわからないと言われます。経営者の世論調査で70%のオーナーが新企画を一時中止もしくは延期していると回答。大統領選挙の結果待ちなのでしょうか。

(一般)

1)コロナ問題
 1.5か月前は14週連続で事態は縮小傾向にありましたが、今は逆で、毎週、数字は大きくなっています。金曜日は木曜日に続いて新規患者2086人と2千人を超えました。また陽性率2.9%と1.5か月前の5倍に増えています。その新規患者数は7月15日以降の最大なもので、もうこれは第3波だろうと言う声もあります。前厚生大臣のマニャリッチもそう言っています。このままいくと少し前の様に移動禁止になるでしょう。
国内旅行は現在は殆ど通常に出来ますが、一番南のマゼラン州はプンタアレナスの飛行場に来る乗客はPCR検査が陰性であると言う証明書を持参するよう指示しました。レストラン・喫茶店も入場者にワクチン接種証明書を見せるようになるとか。
同じように、通行人が道路にあふれるほどで、それを狙った露天商が列を作っています。正常化はうれしいけど過剰は拙いのでは。
このままいくと少し前の様に移動禁止になるでしょう。住居の外に出るのに警察の外出許可証が必要だったのは半年前のことですが、もうあの悪夢は戻ってほしくないです。
2)2周年記念
 10月18日の社会暴動事件2周年記念の行事は予想された通りの大混乱が起きました。デモ隊が一番集まるのはサンティアゴのイタリア広場。そこには新憲法委員会の女性議長もマプチェの服を着て参加していました。
 その後、いつものように暴力行為がありました。商店の略奪は国内各地で起き、数十カ所になっています。逮捕者450名、負傷者も出ました。テレビのニュースに大型テレビを持って歩く人間が映りましたが、どうして逮捕できないのかな?そのほか靴・衣服をたっぷり袋に入れて歩く人が連続しました。デモ隊に混じった一部の人間の行動ですが、悲しい事実。そしてそれに味をしめたグループはなんと2周年記念には関係なく、翌日もまた商店に略奪に入りました。
ニュースに報道されましたが、初日逮捕された人間はほとんどが刑務所には行かず釈放されたとか。裁判所も問題がありますね。
3)マプチェ問題
 マプチェの暴動を抑えるためピニェラは軍隊の動きを短期間、認めることにしましたが、逆効果になったようでいつものトラック・重機などへの放火の他、今週は教会にも火がつけられました。軍隊の使用で新しい局面が出ると思われましたが、まだそれはでていません。
 ところで駐チリのアルゼンチン大使が、刑務所に入っている一人のマプチェの釈放を要請しました。チリ政府はその人間は放火などの犯罪を犯し正規に裁判所で有罪になっているので、それを外国がチリに要請するのは内政干渉と言うより不可解なことだと冷たい反応。
さてサンティアゴのイタリア広場はバケダーノ広場とも言われます。そこにバケダーノの銅像が置かれているからです。彼は19世紀のチリ陸軍の将軍です。
その広場の地下に置かれていた無名戦士の骨が外に出され陸軍の儀式にそって他の場所に移されました。その骨は太平洋戦争の時の兵士のものです。バケダーノはその戦争で勝ち進みリマまで行きました。そして太平洋戦争が終わってから、矛先を一転して南のマプチェの領土に入り、そこを抑えました。最近の反政府運動でマプチェの旗が良く振られますが、それらの人にとってバケダーノは犯罪者ですから、彼の像は毎回ペンキを塗られるか、引きずり降ろされそうになりました。

4)オートバイの販売
新車の販売が急増していますが、オートバイも同じで9月は5272台と2008年以来の記録。経済が正常化している証拠ですね。

(スポーツ)

1)サッカー
FIFAの会長がチリを訪問し、次のワールドカップ本戦をチリで実施しないかと誘ったらしい。何それ?
彼らの発表ではチリは世界のランクの23位から21位に上がりました。
来月のW杯南米予選の日程ですが、チリは11日に敵地でパラグアイと、16日にホームでエクアドルと対戦します。2勝すれば4位に浮上、1勝すれば5位に上がる可能性があるとか。
前回、ペルーに負けたとき、W杯参加は99%ありえないと言われていたのですが。大きく変わりました。チリの実力が上がったのか運があったのか、どちらでしょう。
 今日、国内リーグ戦の首位コロコロと2位のカトリカがぶつかりました。
 その結果は・・コロコロが2対1で勝利し首位を確保。勝ち点の差は5になりました。あと数試合でリーグ戦は終了です。、
 
以上