チリの風  その952  2021年8月9日―15日

梅に似たシルエラの花が満開になっています。今年は春が来るのが早いのかな?
サンティアゴの天気は普通ですが、雨は全然降りません。(来週は雨の可能性がかなりあるとか)
今週も山・マラソンと合わせて5日ほど身体を動かしました。
山歩きは土曜日、仲間が増えて3名でアポキンドの滝コースへ。7時間コースですが、その日は全部で4時間半歩きました。天気が素晴らしく良く、半そででも歩けるくらいでした。3人ともそれほど疲労感はなくその内、滝まで行けそうです。
来月から学校の登山教室が始まります。
日曜日のマラソンは逆に寒い冬の感じで冷え込みの中を仲間と走りました。走り終わった後、コーヒー・ケーキと会話を楽しみました。
ところで、今週、不動産屋が我が家に来て写真・ビデオを撮りました。つまり我が家が売りに出るわけです。どうなるかわかりませんが、チリ南部移住の話が現実化してきました。
老人の夢の可能性を探って、今月の末にその移住先現場に行きます。1年半ぶりに飛行機に乗りますが、ドキドキです。

(政治)

1)ピニェラ動向
  テレビ会議ポルトガルの大統領と面談。コロナ問題などを話したとか。
モネダ宮殿の前でその病気で亡くなられた方々の追悼行事を行い、彼が先頭で祈りました。
来月9月に、2度の外遊を計画とか。先ず欧州を訪問。そして月末にニューヨークで国連行事に参加するとか。もう最後の外遊でしょうね。
コロナで影響した人の援助として70億ドルを投入して、9月までと言われていた政府援助を2か月延長するとか。11月までです。
土曜日にハイチで大きな地震がありましたが、チリ政府は金銭援助だけでなく、救援グループを送って、崩れた建物に閉じ込められているような人の救助を実施するとか。一人でも10人でもそんな人を助けられれば最高ですね。野党議員から、毎月、問題移民を母国に送還する手続きが行われているが、ハイチ人の場合、それを中止もしくは延期できないかと要請が出ました。
2)新憲法委員会
 政府から派遣された同委員会の高級秘書(日本語のタイトルはわかりませんが)がたった1か月で辞任しました。彼女の言葉では「委員は仕事をする気が足りない。4時からの委員会でほとんど欠席になったこともあり、その写真が添付されていますが、私は彼らを助ける気持ちにはならない」とか。いやはや。政府はすぐにその後任を任命しました。
今週は、彼らは自分たちの報酬を上げる、秘書などを雇用する費用を出させるなどを討論している由。
委員会の仕事が終われば、ほぼ全員が国会議員を目指すのでしょうね。
委員会の1大グループの「民衆のリスト」でグループを脱退したのが5名になりました。内部分裂ですね。また次期の大統領選挙に3名が立候補したいとか。グループ内での投票があるようです。自分たちは市民の人気を得ていると自惚れているのでしょうが、さぁどうかな。
憲法委員会の中でUDI委員のアランシビアが所属する人権委員会に彼が出席するのを拒否する動きが出ました。彼はピノチェット軍事政権の時、その右腕として左翼を一掃する運動をしていたと批判されています。

3)教育大臣罷免問題
 野党から現大臣はコロナ問題にもかかわらず授業を再開させたが、それは教師・生徒の安全にとって認められない行為だとし、彼を罷免するよう国会で論議しました。野党の一部がそれに反対したため、大臣の罷免は成立せず現行継続です。しかし野党の議員の考え方は不可解ですね、コロナがほとんど収まっているのは数字で証明されているのにいつまで都市封鎖を継続させるつもりなのでしょう。

(経済)

1)貿易収支
  2020年は1982年以来の酷い状態でしたが、今年は輸出・輸入ともどんどん数字を上げています。輸出は頼みの銅だけでなく、果物も大きく伸びました。収支は黒字で、前半で6億ドルの黒字でした。
2)ドミンガ鉱山
 北部のコキンボ州で新鉱山に関し、同地区の環境保全会は長い間揉めていましたが、今回は開山を認めました。すぐに近くの町ラ・セレナで反対運動が起きました。どうなるでしょう。
さて世界最大級の銅の鉱山はチリのエスコンディーダですが、今週、そこの労働組合と本社の間でボーナスが合意に達し、ストには入りませんでした。ボーナスの額は各自に2100万ペソとか。最低賃金の何倍ですか?しかし鉱山関係者の給料はその他の職種と全く比較にならないほどの高給です。他の鉱山でもネゴが継続しています。

(一般)

1)コロナ問題
 先週と同じく、コロナ問題が沈静化しています。
 新規患者数が火曜日514名になりましたが、少し前9000人だったのですから10分の1以下になっています。その数字は過去15か月で最小とか。陽性率も10%を越えていたのに今は1%台。
 病床も随分、空室が出ています。つまり完全に収まってきています。
 都市閉鎖は愚策と言う意見もありますが、チリではそれが機能しました。そして現在それを止めても(開放しても)病気の感染が増えないのは2回のワクチン接種した人が80%を越えているからで、集団免疫が機能しているわけです。今週末で82%になるとか。
また今週から第3回目のワクチン接種が開始されています。最初の水曜日は85歳以上の65000人の老人が接種しました。
 チリ政府の政策が、一時期混乱があったにせよ、正解だったことが証明されていると言えます。
 この方針を他国も追随すればよいと思いますがどうでしょう。
今週も50万人分のワクチンが到着したらしい。
2)反政府デモとマプチェ問題
 先週書いたことと同じです。多分、同じ人が同じことをしているのでしょうね。金曜日のイタリア広場のデモでそこを通る幹線道路が止められ、地下鉄の駅が封鎖になって駅の中には入れません。デモ隊は2年前からの社会騒乱で留置されている仲間の釈放とピニェラの辞任を要求しています。その日、11名が逮捕されたとか。

今週、メキシコの大統領が500年前、スペイン軍がアステカの領土に侵入し、略奪・殺人を繰り返したとし、スペイン政府・バチカンに謝罪するよう要求しました。もちろん、同じことはほとんどすべてのラテンアメリカ諸国で起きていますね。チリのマプチェの問題も同じです。
今週も現場で放火などの事件が起きています。通常の生活ができない一般市民はどう考えるのでしょう。

3)警察関連
 チリの警察は制服警官と私服警官PDIの二つに分かれ。それぞれ独立した組織です。チリでは以前はその二つの警察は信頼できる組織と考えられていました。
 ところがこの数年で制服警察のトップが公金横領などの汚いことで裁判になり、先年の100万人デモの時にも一部の警官の暴力行為などで国民の信頼を失ってきました。しかし私服の方はそういったことがなく、市民から尊敬の眼で見られていました。ところがここに来て2つの問題が発覚しました。まず組織のトップが公金を自分の懐に入れた疑いが出て捜査が始まりました。またPDIの女性警官が捜査中に銃撃で死亡しました。それに関連して2名が逮捕されたのに、二人とも無罪で放免されました。なんと死亡した女性警官の死体から出た銃弾はPDIの警官のものでした。間違って発砲したのかうらみがあったかでしょうが、取り調べが始まりました。いやはや。
金曜日、交通違反で捕まった犯人は制服警官にわいろを渡して即時逮捕されました。

(スポーツ)

1)FIFAのランキングでチリは20位。日本は24位なのでほとんど同格ですね。日本が強くなったのか、チリが弱くなったのか。9月の初めからカタールWカップの南米予選が始まります。
国内リーグ戦は516日ぶりに観客が入ったグランドで行われました。その最初の試合はランカグアで1091人が入場を認められました。これから少しづつ元に戻っていくのですね。
リーグ戦の結果は首位がウニオン・カレラ、次いでコロコロ、3位はアウダックス、その後ろにカトリカとチリ大学が続きます。


以上