チリの風   その939  2021年5月10日ー16日

パッとしない天気の日が何日かありました。週末は雨の予報が出たほどで、かなり寒くなりました。雨は来週に持ち込みです。
もちろん今週のチリの話題は選挙ですね。同時に4つの選挙がありましたが、私は土曜日の朝に投票しました。長蛇の列かと思いましたが、投票所には人は少なく、ほとんど待たされずに投票しました。ただ候補者の数が多いので、眼鏡を持っていかなかった私は投票用紙に書かれた小さな名前を捜すのが厳しかったです。
さて今週も5日、スポーツを楽しみましたが、山歩きは近くのカランの丘です。その頂上にチリ大学天文観測所があります。警察署の近くに入り口があるのでそこから上に。結構きつい傾斜でしたが、頂上近くになんと遊歩道がありました。何人もの人が働いていましたが、あと3週間で完成とか。下にいつものマラソンコースを見ながら丘の周りを歩きました。素晴らしい風景を楽しみました。完成したら、入り口まで車で近づけるはずだから、一度歩いてみてください。きっと家族全員が大喜びしますよ。

(政治)

1)ピニェラ動向
  コロナ問題から経済困難な状況に苦しむ市民の援助方法が話題です。ピニェラは与野党合同で協議をし一体の解決策を探しました。残念ながら、政府案を上回る援助額を野党側は要求し揉めています。野党側は銅価格の上昇から得る利益を国民に回せばよいのだとしています。それに超富裕層への増税、鉱山に新税ローヤリティを課し、それを財源にすれば国民援助の野党法案は問題なく成立するとしています。
  さてそのローヤリティ税ですが、大手鉱山会社BHPは決められた法律の下で鉱山を運営してきているのに突然、新税を作り企業の経営に大きな打撃を与えるのはいかがなものかとコメント。不快感の表明ですね。新聞の社説にも同じjコメントが出ました。
  しかしチリにとって有利な風になりそうですが、来月、行われるペルーの大統領選挙で、勝利が予想されるカスティジョが、自分が大統領になればぺルーの財産を外国企業が持ち出すのを認めないと、鉱山の国有化を示唆しています。これはチリでアジェンデがやったのと同じようなことです。と言うことは、彼が大統領になれば、2,3年でペルーは破産するでしょう。もちろん彼が公約を実行しないことはあるでしょうが。もし、それが実施されればペルーの鉱山に投資する会社はなくなり、その代わりにチリにしようとするのでは。私の想像ですが。
一昨年の社会騒乱の時からAFP(チリの厚生年金システム)を潰せと反政府運動は動いていますが、その協会の会長が「今の動きを続ければ、現在25歳の若者が65歳になったとき、おそらく受け取れる年金はゼロでしょう」とコメント。どうですか、冗談かな、真実かな?
2)選挙
 州知事選挙、市長選挙、市議会選挙それに新憲法委員会選挙の4つの選挙が、土・日の二日に わたって投票されました。州知事は今まで政府の任命でしたから、今回が初めての選挙です。
 さて結果ですが、まだ全投票が数えられていませんが、あっと驚く結果になりました。新憲法委員会の場合、155人の委員のうち、憲法改正を拒否するには3分の1以上の数が必要です。委員の数は155名。今回の結果が予想と大きく異なったのは古い右翼と左翼が落ち込み、共産党新左翼が大きく勢力を伸ばしました。今までの政治家にはもう飽きたという言う市民が急速に数を増やしたわけですね。この晩、モネダ宮殿でピニェラは集会を続けていますが、口を開けてコメントする気力もないかな?

(経済)

1)銅価格と為替
  銅価格は先週、歴史上の最高記録4.7ドルを記録し、今週初め4.8ドルまで上がりましたが最後は4.6ドルで閉めました。昨年の銅の生産量の上位10カ所の世界ランキングが出ましたが、1位エスコンディーダ、2位コジャワシとチリが占めました。両鉱山とも私は開山式に招待され出席しています。昔の話ですが。懐かしい。。
  1ドルは708ペソとペソ高は続いています。

(一般)

1)コロナ問題
  木曜日の新規患者数は6903人(感染率は9.5%)と今月の最高数字。ワクチン接種者が毎日増加し、もう30代の人が対象になっていますが、どうして患者数・感染率が下がらないのでしょうか。首都圏で、今週からマイプやサンティアゴ区などがレベル2になり、今まで外に出て買い物できなかった人が店の周りに長い列を作っていました。
  違法パーティは全国で行われ、毎日逮捕者が出ているとニュースに出ます。政府の対策が正しいのか、それがうまく運用されているのか、わかりませんが、感染者数や率を見るとうまく行っていないのは明白ですね。区長選挙で新左翼が勝ったマイプ区では広場に応援団が集まり騒いでいますが、警察は全く来ていません。
 
2)大気汚染
  サンティアゴに大気汚染警戒警報が出ました。先週の新聞社のコメントは間違っていました。私も政府案は不要と思いましたが、外出禁止法が緩むとすぐに交通量が増え汚染が進みました。政府の交通規制案は正しかったわけです。南部の街ではそれより一歩進んだ警報が出ました。薪を燃やす暖房が原因ですね。

(スポーツ)

 1)サッカー
  国内リーグ戦は選挙のため、お休み。
  リベルタドール杯に参加の2チームの成績はカトリカは敵地でアルゼンチン・ジュニア―に勝ち2位に進出、1次予選突破の可能性が出ました。ウニオン・カレラは引き分けで4位、最悪です。


以上