チリの風  その877 2020年3月2日―8日


立秋が近いと言うのにサンティアゴは連日30度を超える暑い日がまだ続きます。暑い中、何かすることがあるとぐったりです。
さて今週の魔の月曜日ですが、その日妻が実家のマイプからラス・コンデスに車で戻ってくるのに通常は1時間のルートですが、その日は2時間以上かかりぐったりでした。                       
木曜日、大使公邸で行われた祝賀会に妻と出席させてもらいました。招待者の多くの人と面識があったのでいろいろ会話を楽しみました。その集まりの帰りに栗の実を拾いましたが、残念、料理には向いていませんでした。
今週も週に4日スポーツを楽しみました。山の上からサンティアゴの街を見るとスモッグでうっすらとしか見えません。冬になるともっとひどくなるでしょうね。土曜日のサッカー教室は先週と違い10名ちょっと。それでも暑い日の午後でしたが、楽しく汗をかきました。

(政治)

1) ピニェラ動向
厳しい状況が続いているのに彼の毎日はパッとしません。治安維持のため、必要があれば再度、軍隊の使用をするつもりはあるとコメントしたくらい。世界女性の日に関してはカップルの間の暴力事件は男性が悪いのは明白だが、女性にもその原因を作った可能性はあるとコメントし多くから批判を受けています。

2) 男女同権法案
    国会で男女同権が認められました。例えば、次の国民投票で現憲 法改正が認められれば、その改正案作成の時、委員の数を男女同数にすることになる由。多くの女性議員はその投票の日、同じシャツを着て出席、投票の結果が出てから大騒ぎをしました。
与党の最右翼UDIは反対票を投じましたが、RN党は何人かの議員が賛成に回りました。この結果を受けてUDI党首は友党RNが私たちと手を組まないで左翼に同調するとは何事かと厳しいコメント。与党分裂は明白ですね。憲法改正に関しイエス・ノーの争いが鮮明化してきますが、その時も両党の間でもめるでしょうね。

(経済)

1) 銅価格と為替
1ポンド2.55ドルと安く、それを受け1ドルは829ペソまで上がりました。週の最高記録は1ドル833ペソまで行きました。チリのペソはこの先どこまで落ちるか分かりません。
2) 物価上昇率IPC
2月のIPCは0.4%で1月2月の合計は1.0%。これは1997年以降で最高の数字です。過去12か月も3.9%と高いレベルになっています。 この物価上昇率のアップの原因はドルが日に日に強くなるからで、物価を押し上げています。このままだと3月のIPCも高いものになるとみられています。

(一般)

1) 暴動騒ぎ
毎週同じなので書いている私も読まれている皆さんもうんざりでしょうが、今週も変わりはありません。
サンティアゴの場合は、イタリア広場(バケダノ広場とも言いますが、同じところ)に毎週金曜日デモ隊が集まります。そしてその周辺の道路でデモ隊と警察の衝突があります。今週は何と警察の放水車2台に火がつけられほぼ全焼。デモ隊が強いのか警察が弱いのか分かりません。
ところで先週のこの種のデモで逮捕された50名がほとんど全員、裁判所で釈放になりました。政府は裁判所にあまりにも緩い判決とクレームしていますが、裁判所の方は私たちの好みでやっているのではなく法律にのっとって結論を出しているからこの種のクレームは意味がないと軽く流しています。前科のある再犯者がすぐに釈放されるのはいかがなものでしょう。 
南部のコンセプシオンでデモ隊が警察に襲い掛かり、倒れそうになった警官が何とかピストルを構え襲い掛かったデモ隊員の足に発砲。その人は病院に運び込まれました。それがちゃんとビデオになっています。人権委員会が警察の暴行として訴えるのでしょうが、ビデオを見ているとその撃たれた人間が犯人のように思えます。
首都圏の国立学園はその卒業生に大統領が出ているレベルが高い学校と思われていますが、この2,3年、学生の政治化が進み極左グループの学校のようになっています。高校生が火炎爆弾を作って警官に投げつけるわけです。今週、その学校の高校生が校舎から道路に出て見張りの警官に火炎瓶を投げ始めました。そこへ女性が出てそのあたりを歩いていましたが、その犯罪高校生が校舎内に戻ると彼女も学校に入りました。その女性はその学校の校長とか???
この日曜日、3月8日は世界女性の日とかでチリ各地で女性のデモが行われました。サンティアゴでは主催者発表でニ百万人、警察発表で15万人が参加し道路を埋め尽くしました。女性への暴行を認めない、男女同権を手にするまで戦うとか訴えていました。南米最南端の町プンタ・アレナスでも道路にデモの女性が溢れました。
さて地下鉄の運行に頻繁に問題が起きますが、今週、駅のプラットフォームに高校生が座り込み、電車の運行が止まりました。線路に落ちれば学生の怪我は間違いないし、それを避けるため地下鉄が止まるのは市民の迷惑。高校生のそういったデモは止めてほしいですね。
2) コロナビール
すごく流行ってきました。もう今日までで10名の患者が出ています。最初の患者はタルカ地区の病院の医者で、2番目の患者は彼の妻の看護婦さん。二人は新婚旅行でアジア・欧州を回っていました。もう一人サンティアゴの病院の医者も発病しました。二人とも病気が分かるまで患者の手当てをしていたとかで他の患者にコロナビールスを移さなかったか調査しています。1000人ほどの人が感染した可能性があるとかで14日間の自宅待機が要請されています。
3) 山火事
南部モリナの山火事は先週焼失面積が11000ヘクタールでしたが、今週は13000ヘクタールまで増加。消防隊の活躍も高温・低湿度で勝負になっていません
4) マプチェ青年殺人事件
もう1年以上前のことですが南部でマプチェの青年が警官に射殺された事件の裁判が始まりました。私にはいまだになぜ警官が発砲したのか理解できません。

(スポーツ)

1) サッカー
首位のカトリカの試合が中止になり、勝ち点が伸びませんでした。直近のクリコが引き分けしたので勝ち点で並びましたが、得失点差でまだカトリカが首位です。チリ大は引き分けで3位。コロコロは久しぶりに勝って12位につけています。
リベルタドール杯でカトリカとコロコロは敵地で惨敗。チリのサッカーが強いと言うイメージのあった数年前が懐かしいです。
2) テニス
チリ対スウェーデンのデービスカップ戦は今週スウェーデンで行われスウェーデンが圧勝しました。チリはトップの2選手が参加していないので当然ですね。

以上