チリの風  その856  2019年10月7日―13日

天気予報が当たって、今週は最高気温が30度を超える日が何日もありましたが、週末の土日は少し風が変わって曇りました。来週の天気予報は雨の日が多いそうで、特に月曜日はかなり降るとか。たまには大雨も必要ですね。ところで日本の台風のニュースはチリのマスコミでも多く報道されています。雨の少ないのも問題ですが、多すぎるのも困りますね。
土曜日、登山教室があって21名でビスカチャ山に登りました。標準5時間のコースですが、いろいろあったので6時間で歩きました。しかし6歳の小さな子供が文句も言わず歩くのですから素晴らしい。今週も私は4日間スポーツを楽しみました。
病院に行って静脈血栓症の薬の効用を調べるテストをしましたが、極めて正常な数値がでて一安心。この先の人生を楽しむため毎日、薬を飲んでいます。
山本さんからメールが入り、スペインでサンティアゴ古道を歩いているとか。もう600キロ歩いてゴールまで後少しらしい、彼女は私より少し若いですが、これまで毎日20キロを1か月も続けたなんて驚くべき体力・気力です。来年、日本で会えたら、頭を下げて彼女の迫力をお祝いしたいです。

(政治)

1) ピニェラ動向
ペルーに飛んで同国大統領と面談。彼が国会と対決して苦戦しているのを援護応援するための訪問ですが、そのほかにもエクアドル問題が話されました。日本ではほとんど報道されていないようですが、チリでは特派員の報告が連日、重要テーマになっています。既に戒厳令が出ていますし、チリからの航空便は往復とも止まっています。
11月にチリで行われるAPEC会議に21か国が参加しますが、そのうちの17か国は首脳が参加すると今のところなっています、中国とロシアは確認済みで米国は確認待ちとか。米中の貿易戦争の終了サインがチリで行われるという噂もあります。
ところでピニェラは薬品価格の是正を図ると意気込みました。政府案としては、有名ブランド薬品と同レベルの無名薬品の価格は2倍にもなるから、どの薬局にも両方の薬を置かせるよう指示を出しました。それだけで薬価が大幅に下がりますね。もし代替品がないと対応されれば、その客は政府機関に訴えることになります。その場合、大きな罰金が科せられれば、薬局も両方の薬を置くことにするはず、ちゃんとその仕組みが機能すればですが。それから個人が薬の輸入をするのを認める方針を出しました。外国から薬が来れば、価格はすぐに半値以下になります。こんな簡単なことが、今まで実施されていませんが、今回はどうかな?
ピニェラ個人の問題ではありませんが、政府案が国会で進まず放置されている案件が多くあります。その一つ、労働時間を40時間に短縮すると言う件でコデルコはそれが実施されれば年間1億7千万ドルの支出増になると渋い顔。税制改正法案も、ほとんど進んでいません、いったい国会議員は高い給料をもらっておきながら、何をしているのでしょう。
2) 裁判所と憲法裁判所
ピニェラは両者の調整をする動きを見せていますが、具体的な動きはなし。独立した組織なのに高等裁判所の裁判官が憲法裁判所の結論を認められないとコメントしたことから両組織の争いになり、政府(法務省)が介入してもすっきりしません。
3) 地方選挙
選挙が近づくと候補者選びが始まり、何とか自党のメンバーをその地区の候補者にしてほしいと言う工作が始まります。今週はキリスト教民主党DCが共産党といろんな事項で合意できるか検討中とか、今まで全く知らない顔をしていた両党ですが、どこかで助け合いましょうと言うわけですね。
与党の方は2大政党(極右のUDIと中道のRN党)の仲が悪く、選挙前に候補者選出で合意できるか疑問視されています。

(経済)

1) 国際競争力
今週発表された国際機関の数字でチリは141か国の中の33位にランクされました。アメリカ。イギリス。日本などと対抗できるはずはないけど、ポルトガルやサウディ・アラビヤなどより上でした。ラテンアメリカではメキシコ、アルゼンチン、ブラジルなどを大きく超えています。2020年の経済成長率が伸びないと言うことから与党側議員は政府に経済拡大の政策をとるよう要請していますが、こうした競争力ランキングで分かるようにチリはラテンアメリカ諸国の中では一番まともなのですね。
2) 銅価格と為替
銅は1ポンド2.61ドルと先週よりかなり良くなりました。為替は1ドル713ペソになっています。米中貿易戦争が一休みすれば銅価格の上昇は望めますね。さぁどうかな?

(一般)

1) マプチェ問題
もう毎週、同じですが、今週も道路を走っているトラックに銃弾が打ちもまれるとか、重機に火がつけられると言う事件が起きました。今年は昨年に比較してそうした暴力事件は71%も増加し、警察が機能していません。サンティアゴでマプチェのデモが行われました。デモは平穏に進んでいましたが、覆面グループが乱暴狼藉をはじめ、多くの逮捕者が出ました。彼らはマプチェを援護するとかなど全く考えていませんよね。

2) 肥満問題
これも良く報道される問題ですが、チリでは4人に一人の子供が肥満症になりそうです。5歳から9歳の少年は2016年には10.6%、2030年には25%が予想されています。10-19歳の子供の場合は、2016年は13.5%、それが2030年には20%になる見込み。アルゼンチンはその4種類の場合、チリよりひどい数字が出ています。同国には問題意識はないのかな?

(スポーツ)

1) サッカー
国際親善試合があったので国内リーグ戦はお休み。そのためチリカップ戦の準々決勝が行われ、ベスト4に勝ち進んだのは人気チームのコロコロ、チリ大学、カトリカそしてウニオン・エスパニョールでした。準決勝はコロコロとカトリカが対戦。同じ組み合わせは国内リーグ戦でもありますから、2度同じ試合があるわけですね。1勝1敗になるかどちらかが連勝するか。
その親善試合でチリはコロンビアと対戦。0対0で引き分け。過去7戦で一度も勝っていません。引き分けか負けだけ。もう何度も書いていますが、チリがアメリカップに2連勝した時と同じ選手を継続すれば。毎年老齢化でレベルが下がるのは当然で、選手のメンバーを変えなければ夢は消えます。ロシア大会に出られなかったけど、このままでは次のワールドカップも無理でしょうね。


以上