チリの風  その840  2019年6月17日―23日

いよいよ冬至です。冬の真っただ中ですね。          
さて久しぶりにコンサートに。モーツァルトピアノ曲でした。
今週のトレッキングは近郊のカホン・デル・マイポに行きました。歩き始めると道の両側が霜で真っ白。ところどころに先日降った雨が凍っていました。それを足で割って氷がどれくらいの厚さか確かめました。何しに行ったのと言われるかな?
先日、ご主人を亡くされた石川さんに元気を出してもらおうと招待しました。同伴した峰村夫妻は彼女の将来を助ける努力をしていますから、私もその仲間に入れてもらいます。
土曜日はサッカー教室。20名の参加者で実施。楽しいですね、子供と(大人もいますが)サッカーを楽しむのは。鼓太郎くんは帰国のためその日が最後だったので、恒例の胴上げをしてこれからの幸運を祈りました。彼はこの数年間のベストプレーヤーでした。                   
日曜日はマラソン練習。いつもの仲間の峰村さん、来週帰国の山口さん、それに数年前に帰国した縫部さんが出張でチリにきて、私たちと一緒に走りました。走り終わった後、4人で昔話を入れて楽しい会話をしました。

(政治)

1) ピニェラ動向
与党のUDI党、RN党の両党首を含む幹部と面談。政治的にはこれが一番大事な項目でしょう。先の大臣交代時の緊迫した関係を和らげるため、両党の要人がピニェラと話し合ったわけです。ピニェラは党員が大臣になったかどうかが問題ではなく問題をどう解決していくかが課題だとコメント。確かに「文句と言い訳」を交わしたわけですね。
それから北部のアタカマ第3州とコキンボ4州を訪問。そこのコンバルバラ村で、7月2日の皆既日食の時、太陽を見て目を傷めないよう特別レンズを市民に配りました。 今日から、彼は外遊です。先ず中東を訪問し、それからG20に出席のため日本に入ります。
2) 社会党のスキャンダル
先の党首選挙からもめていますが、今週はサンティアゴの南部にある小さなサン・ラモン区でのスキャンダルが爆発。そこの区長の妹が同地区の社会党のリーダーです。チリの他のどこよりも社会党党員が多く、その大半が現行党首に投票しています。つまりその妹の指示の通りに動いているわけです。人口比で言えば、首都圏の3%なのに社会党員の数では20%とか???
ところでその社会党員の中に麻薬関連で逮捕された人間が含まれ、それが同区の職員でした。職員が麻薬に手を出したのか、麻薬業者を雇用したのかわかりませんが、そういう怪しい人間が多く見つかりました。社会党に入るなら雇用してやるかな。票を金で買うということでしょうね。             
仕方なく社会党は先の選挙の投票結果の中で同区の投票結果を取り消すと発表しました。しかし党首の辞任は打ち消しました。
問題の本質は、チリの有力政党の社会党が一部とは言え麻薬業者と手を組む(支援する)のは許容範囲ではないでしょう。  
ピニェラ政権も怪しい人間が区役所職員になるのは認められないとすべきです。社会党に投票する人はいなくなるかもしれませんね。
3) バチェレットのべネスエラ訪問
ずいぶん前から話題になっていましたが、今週、それがやっと実現。国連役員の彼女は政府・反政府の両陣営と面談しました。報告書は来月の初めになりますが、少なくとも政治的理由で刑務所に入っている人間を即時釈放するよう彼女はマドゥロ大統領に要求しました。全くその通りですね。
私がその報告書を書くとすれば、趣旨は「各国で政治経済に独自の見方・やり方があるのは当然で、現政権が良い・悪いとはコメントしない。ただ早い機会に総選挙を行い、その選挙の実情を国連が把握し、正規の選挙で選ばれた政権が国民の要求に沿った政治を実行するよう要請したい」どうかな?
今も同国から多くの市民が外国に向けて出国していますが、チリにも大量に入ってくる気配が見られたので、外務省は観光目的でも、チリに入るためにはビザが必要と今週から入国条件を変えました。このため、ペルーとの国境に大量のべネスエラ人がビザ待ちで並んでいます。グアイドはチリ政府にべネスエラ人の入国を認めるよう要請しました。
4) 辞めさせられた大臣の行方
外務大臣はスペイン大使に、前エネルギー大臣はモネダ宮殿の2階部隊(政府中枢)に配置されました。首にはなったけど、ピニェラと争ってないわけですね。

(経済)

1) 銅価格と為替
銅の価格は1ポンド当たり2.7ドルと最近の水準2.6ドルを超えこの1か月では最も高くなり少し好調と言えそう。このため為替はペソ高になり1ドル683ペソ。
とは言え銅価格が3ドルを超えていた時期を思い出すと苦しい状況ですね。ペソは1ドル710ペソまで落ちていましたから、少し正常化です。
しかし不思議なのは金価格が上昇し2013年以来久しぶりに1400ドルになりました。
しかしこれらの市場の動きは正常な売買・需要と供給などとは関係のない、闇の動きが目立ちますね。
チュキカマタのストは継続中。いつまで続くのかな?

(一般)

1) インフルエンサ
死亡者数は24名に増加。まだ風邪が流行っています。
それに関連しますが、大気汚染もひどく、サンティアゴでは今日まで5日連続でスモッグ警戒警報が出ています。先日の雨で少しはきれいになった空気ですが、再度汚染し、次の雨が来るまで警戒警報が続きそうとか。
先週、雨が降ったので今週から首都圏近郊のスキー場が開かれました。
2) 先生のスト
もう4週目に入っていますがスト継続。その学校の子供はどんな毎日を送っているのでしょう、ニュースには出ませんが。新聞の社説に、児童の教育水準を上げることを目標の一つにしている教員のストは本当にそれを目指しているものかと批判が出ました。チリではもう組合運動は人気がないですね。このストで影響している児童生徒の数は18000人とか。
3) バルパライソの強盗事件
カナダ人の旅行者が殺されました。世界遺産の街として多くの観光客が訪れますが、犯罪が多いのも事実。今週は犯罪グループが丘の上でカナダ人のカメラを狙って襲い、カメラを奪っただけでなくナイフで彼を殺しました。ショックな事件です。私も今月、そのあたりをガイドをして歩いています。

(スポーツ)

1) サッカー
ブラジルで開催中のコパ・アメリカで木曜日に日本はウルグアイと対戦。2対2の引き分けでしたが、ウルグアイの上げた内の1点は審判がウルグアイにPKをプレゼントしたもの。それで日本は勝利を逃しました。何度その場面を見てもPKには見えません。その話をフェリア(青空市場)で、チリ人としていると、私のコメントに賛成する人もいますが、遠いアジアの日本より近いウルグアイの方が大事だろうという意見もありました。決められたルールより親近感で判断する審判ってありなの?
しかし大きな国際大会で世界の強豪ウルグアイと互角の勝負をするとは、日本のサッカーも素晴らしいですね。ゴメン、チリの風と関係のないことに興奮してしまった。    
チリは1次予選に2連勝で、決勝グループに入りました。日本も最終戦の対エクアドルで勝てば、1次予選を勝ち抜く可能性がありますね。どうかな?
女子のワールドカップで日本は決勝トーナメントに進出、チリは敗退でした。それでもチリは最終戦に3対0で勝てば望みがあったのですが、残念2対0の勝利。あと1歩が足りませんでした。

以上