(政治)

 1)ピニェラ動向
世論調査で彼の人気が急に下がりました。3月就任以降最悪の数字です。支持するは43%、不支持は44%。下落の原因として政府内の混乱、経済の伸びが無いことなどが上げられています。確かに専門家の意見では2019年のチリ経済は成長率が落ちることと不確定要素が増大すると縁起の悪いことが上げられています。
2)刑務官のスト
    月曜日に始まり、金曜日に決着。しかし刑務所内外で問題が溢れ、臨時に警官が職務につくと、刑務官がそれと対決する雰囲気も出て騒然。一部でハンガーストもおこなわれ、大混乱でした。何とか解決した模様。
3)軍隊の改革
元陸軍長官のチェイレが人権問題で有罪になりました。1973年の「死の行進」に関連したとされたもの。軍事政権時の左翼の弾劾の一つがそれですが、陸軍トップが有罪になったのは初めてです。
トップの不正事件も問題が明白になり、少尉が7千万ペソの不正支出していたことで起訴されました。
これらを受けてピニェラは陸軍の大改革を実施。陸軍は大将格の45名の内、何と21名を入れ替えることにしました。約半数をその責務から外したのですが、ピニェラも思い切って手を打ちましたね。
似たようなことかもしれませんが、検察内での疑問・疑惑も取りざたされて、先日、検察トップが野党議員から訴えられました。政府の具合の良いように調査すると言うクレームですね。
それは却下されましたが、今回はソキミチ鉱山不正事件を調べていた検察官が辞職しました。同事件で与党UDIの有力議員を取り調べたのが嫌がられたようですが、彼は自分のしてきた仕事には誇りを持っているとコメント。彼が将来、裁判官になれば迫力あると思うけどどうかな。どの国でも正義と言いながら後ろめたいこともありますね。
3)外交
フランス政府は犯罪者パルマの送還を拒否したことに対するチリの抗議に対し、その裁判は軍事政権のピノチェットの影響で実施されているので公正と思えないと拒否の理由を説明。チリ政府は、事件があったのは1990年代で既に民主化された後とフランス政府へのクレームを継続しています。
そのパルマとチリの新左翼の議員ボリッチが面談したことが話題になっています。フランス政府に政治亡命を申請することを話あったとか。何それ??
新左翼とフランス政府は似たような考えをするのですね。 与党UDIの議員は人権問題を理解できないボリッチを議員追放処分にしようと画策しているようですが、当の本人は「UDIの言い分は笑えてしまう、ピノチェットが人権問題でロンドンで拘留された時、彼を援護する動きをしたではないか、人権問題を理解できないのは彼らだ」
そして投資詐欺で国際手配になっているチャングは地中海のマルタにいますが、同国はチリから要請されている彼の強制送還を拒否しました。彼はニッコリ笑ってこれでゆっくり寝れるとコメント。国によって色んな考え方がありますね。
今週、ハイチへの帰国希望者を乗せた空軍機が飛びましたが、ベネスエラに200名のチリ人が帰国したくてもできないと泣いているとか。運の悪い人はどこにもいるわけですね。
4)カトリック教会  
    もういつもと同じですが、現在、検察から捜査が行われているのは、神父が105名、司教が8名。そうそう大司教が1名。
245名が神父に性的暴行を受けていたとクレームしています。