(政治)

1) バチェレット動向
南部のあちこちの町を訪問しました。第12州プンタ・アレナスで簡易住宅の完成式を祝い、そして近年亡くなったトンプキンス氏の奥さんから第10州にあるスイスより広大な土地の寄付を受けそれを国立公園にすることが決定。その他、今問題になっている第9州テムコでチリの愛と名付けられた施設の完成式に出席。先住民の芸術・料理などが一般に展示される由。彼女の好きな行事ばかりですね。

2) 警察対検察
例の大事件が起こっているのに警察軍長官はバケーションでマイアミに出発しました。規則通り1月ほど休むつもりだったようですが、政府は即時の帰国をよびかけました。
よほど状況が悪いので、馘首になる前に遊びに行こうと考えたのか、それとも事件をそれほど悪いことでは無いと考えた頭のおかしい人間かのどちらかですね。
バチェレットは長官の辞任要求は、事実を確認してから考慮すべきで今は事実はどうだったのかを調べるべきとしました。
検察の介入を退けていた警察も旗色が悪くなったのを認識して、長官を始め数人が検察との面談を受けます。彼は証人として、一部の警察幹部は被告として取り調べられることになります。検察に何台ものパソコンを差し押さえられました?新聞の社説に即刻、彼の長官職を解いて一般人として取り調べを受けるべきと書かれました。
もう事件の内容が漏れ始めていますが、警察はパソコンのプロを雇い、ハッカーですが、マプチェの人の携帯電話などに侵入し情報を盗むとともにニセの情報を加えたわけです。 この事件が明らかになってきて市民の警察への見方が大きく変わりました。今までは警察は信用できる組織と考える人が圧倒的に多かったのですが、今では使用できないとする人の方が多くなりました。
所で今週も、第8州で、森林・木材会社に置かれた4台の重機・トラックが燃やされました。犯人がいるのは明らかで、それを逮捕できない警察は無力ですね。
3)ローマ法王問題
私の見通しが当たりました。先週、全くニュースにならなかったのに、今週再度スポットが当たりました。
バチカン内部で論争が起こり反体制(?)の声が大きくなったのでしょう。ローマ法王は私の考えに変化はないが、オソルノ司教のバロスを調べる特別班をチリに送ると発表。
チリに来たとき、神父の性的暴行事件はカトリックの恥で心が痛むとしながら、バロスの件では記者に証拠を出せ、口先だけのクレームなんて受けないと突っぱねたのですが、その証拠を出させる仕事を自分たちでするわけです。
当のバロスはマスコミには出ていませんでしたが、今回は「私は神の子、法王の意見は真摯に受け入れる」とニッコリ。
勿論教会内部で、これ以上、こうした調査を継続する必要はないとこの案件を切り捨てるよう声を大きくしているグループもある由。どうなるかな?
教会だけでなく、カトリックが運営する学校でも同様事件が起こっており、テレビの特別番組で、昔、神父に性的暴行を受けたと40歳以上の大人が訴えました。神父の性的問題は世界中で、過去も現在も起こっており、カトリックの基本的な負の財産ですね。カトリック神父で問題を起こしているのはイエズス会が多いのですが、「イエズス会神父の行状」と言う本が出版されそうとか。トランプ関連の本と似たようなスキャンダルを起こしそうです。
ところで、イエズス会と言えば戦国時代の日本に行って信長・秀吉と交流していますね。スペインが南米を征服してからボリビアポトシ銀山の銀が欧州に流れ込み銀の価格を下げたと言われますが、同じように日本の石見(いわみ)銀山からも大量の銀が出たことは日本人は知らないのでは。信長はその銀を欧州からの金に替え、それを資金にして天下統一の経費にしたわけですね。