(政治)

1) バチェレットの動き
チリの今週のニュースはローマ法王のチリ訪問でしょうね。マスコミは3日間朝から晩までそればかりでした。
バチェレットは初日サンティアゴの空港で出迎え、そしてモネダ宮殿に彼を招いて歓迎し、最終日にイキケでお見送りとベスト・アテンドをしました。
カトリック側のコメントでは百数十万員が各地のミサに集まりチリ国内でのカトリックの盛り上がりを見せたとか。
でもイキケのミサの場合など40万人収容の場所に10万人しか集まらずガラガラだったから、発表数字は多すぎるかな?バチカンから来たイベント担当官は思ったより少ない参加者だったとコメントしています。
神父の年少児性的虐待事件は最初から問題視されておりモネダ宮殿で法王はそれに関し心の痛みと恥ずかしさを隠せないと明言しました。
しかし同問題で信者から訴えられてるオソルノ司教のバロスを庇い、サンティアゴやイキケのミサに同行させ、まるで抜擢したかのようでしたが、記者団から質問されると「それは全く根拠のない疑いだ。中傷だよ。はっきりした証拠を出して来たら、話をする。分かったか?」と逆切れコメント。 カトリックのトップの人間とは思えない話しぶりでした。
神父に性的悪戯を受けた被害者がカメラの前で法王は口先だけで実際には問題解決を何も行おうとはしていないと厳しく批判しました。
オソルノの街は2分され、教会の前で司教を糾弾するグループが抗議を続けました。彼は今日の日曜日のミサに出席しません。代理の神父に司教はどこにいるのか聞くと私は秘書でありませんから回答できかねますだって。

マプチェの問題がもう一つの話題で、法王はテムコ(第9州の州都でマプチェが多く住む地区)でのミサで皆さんの苦しみの歴史に共感しますと発言しました。
スペインがチリに入り先住民を殺し土地を取り上げて行った時、スペイン人の横にいて彼らを励まし応援したのはカトリック。自分たちが間接的に殺した先住民に大変な歴史ですねとは勉強不足か、あつかましすぎるとしか言えません。
キリスト教は「神の前にはすべての人間は平等です」と言いながら、キリストを信じないのは人間ではないと言うのだから、先住民を殺すことに道義的問題は無かったのだろう。
しかし最後に 暴力は暴力を呼びますと昨今のマプチェの殺人・放火を拒否しました。自分たちが行なった暴力は?
法王訪問前後に教会への放火、消火用ヘリコプターを3台損傷など大規模な事件が起こっています。
チリでの行動を見るだけで、このローマ法王フランシスコはレベルが低いと思いますが、違うかな、私の見方は。

マプチェの活動グループCAMリーダーのジャイツルは幾つもの事件で警察からマークされていますが、政府の安全機関ANIの内部情報が漏れていたようです。
例えば「お前、危ないぞ。来週、調べが入るぞ」とか。政府はそんなことはありませんとコメントしましたが。
    
バチェレット関連の最後として、国会は彼女の大統領としての最後の外遊、2月の日本訪問を認めました。
2) 検事官の辞任
しかし勇気のある検事官がいるものですね。ガハルドとノランブエナの二人はこれ以上、不公正な状態でやっていけないと辞任しました。
彼らは主に政治家不正問題を取り上げ、今までスポットが当たっていなかったことを世間に知らせました。
最右翼UDI党の元経済大臣で有力議員モレイラがペンタ銀行から不正献金を受け取っていた事件で、(架空の領収書を発行し、銀行が彼の口座に振り込む)、今週、刑事罰でなく、罰金を払わせて解決させた事件を両検事は認めがたいと他の似たような事件も合わせ、辞任することにした様子。
彼らの上司に当たる検事総長は、「チリの検事は多数いるんだよ。二人だけでない」と反省も、これから起きうる問題を考えることもしていない様子。
しかし辞めた二人の検事はこれから先の人生をどのように送るのかな。3月末で退職のようですが、弁護士として裁判所に戻るのかな?検事は高給取りで、一流企業の部長職より高い600万ペソほどの月給を得ているとか。