(政治)

1) バチェレット動向
今週の話題は国勢調査ですが、彼女もボランティア調査員として数件の家を訪問しました。家主にプレジデンタ(女性大統領)が来ますと連絡したら、彼は地区の住民組織のトップが来るのと勘違いし、(どちらも呼び方は同じプレジデンタ)寝間着を来て家の外に出たら、バチェレット大統領だったので慌てました。
それから第11州の州都コジャイケを訪問し、今年開校された大学で集会に参加。「これでやっとチリの全州に大学が設立されました。今まで、ここが放置されていた責任を果たすことが出来ました」とにこやかにコメント。ほとんどの学生が同州出身とかで地区の発展に貢献しそうです。
その後、ナビラの家を訪問。彼女は昨年、男性に暴力を振るわれ失明したと言う厳しい状況です。その暴力を振るったのが彼女の同棲相手で、彼との間に二人の子供もいます。今週の裁判で彼は有罪となり、来月に何年の懲役か決まります。バチェレットは女性がこんなひどい目に合わないよう、政府として、社会として規制をかけ、彼女への援助を続けたいとしました。もっともこれは彼女の個人行動のようで大統領府発表の大統領の動きには記載されていません。
2) 教育法案
奨学金の支払い遅延問題が与野党の間で問題になっていましたが、先週の教育法案委員会で政府案件が否定されてから、政府は奨学金支払いの遅れを認める柔らかい方向へ変化させたので、共産党は本会議の採決でそれ以外の項目の問題には目をつむり法案を認める方向へ大きく向きを変えました。 結果は国会で法案認可です。共産党としては政府を自分たちのやりかたに従わせたと言う雰囲気でしょうか。
彼らは次の大統領選挙の候補者でラゴスを嫌い、ギジェルを支持しましたが、これはラゴスなら基盤のある政治家で自分たちの意見を素直に受け入れないだろうが、ギジェルなら容易に操れると考えているのでしょうね。外から見ていても彼らの考えがすぐわかります。
最近ギジェルは中国に招待されましたが、チリに戻ってから中国の教育制度は年々進歩しているとコメント。何それ。 そのチリ共産党アメリカはベネスエラに介入し帝国主義的立場から人民政府を潰そうとしていると強く批判しています。
3) 大統領選挙
与野党ともに予備選挙を実施するかどうかはっきりしませんが、与党内ではキリスト教民主党DC以外はすべてギジェルを推す様子です。で、予備選挙が実施されなければ、DCは与党内のグループとしてではなく独立して大統領選挙に出馬するかもしれません。先日、キューバで入国拒否されたエイルウィン(彼女は初代大統領の娘で教育大臣の経験あり)はDCが独自候補を出さないならDC党員は大統領選挙でピニェラに投票するだろうと驚きの発言。これに乗ってピニェラが野党内の最右翼UDIを外し、DCと組みますと言えば、チリ政界の大地震ですね。そんなわけないか。
DCは初代・2代目大統領を出し政界に大きな影響力があったのですが、年々力を落としています。上院議員は最高時は38人、今は22人。下院議員は13人から7人に低下、区長・市長は156人から43人へ。現在の上院議員22名中、再選できそうなのはわずか10名とか???!!
4) SII国税庁
国税庁は政治家が税法を無視して選挙資金を集めていた件について、これ以上、政治家を訴えないことにしました。検察はこれほど明らかに罪状を公開しているのに裁判にしないと言うのはいかがなものかとクレームしています。裏から政府の指示でもあったのでしょうね。
警察官の不祥事件は発展・継続で、拘留された警察幹部が続々です。