政治

1) 外交ですが、ペルーのAPECが終わった後、安倍はアルゼンチン、習はチリを訪問しました。右寄りと左寄りと言う感じですね。ラ米の中で中国ともっとも最初に国交を開き、経済協定を結んだのがチリです。チリ貿易の最重要国も中国です。今回の習訪問でチリと幾つもの条約が結ばれましたが、経済関連だけでなく文化・学術方面の連携も高まるとか。
中国にチリ産品をもっと輸出する機会だとするのと、危機的状況の中国に頼って騙されないよう注意するべしと全く逆の見解がありました。
キューバカストロ前議長の死をチリのマスコミは連日取り上げています。バチェレットは彼は人権と社会正義を保つラテンアメリカのリーダーだったとコメントしました。反キューバのDC党はこれに対し、ラ米で人権を最も無視したのはカストロキューバだろうと全く逆のコメントを出し、政府内の混乱を示しています。
カストロはアジェンデの友だちで、チリに1か月も滞在して市民革命を起こそうとしました。彼は人民を真に開放するのは武力革命だけだとアジェンデに告げていました。
バチェレットはカストロの葬儀に参加するかもしれないと言われましたが、政府内から反対の声が大きくて、式典参加は彼女でなく上院と下院の議長を送ることになりました。
昔、キューバにバケーションで行ったことがあります。そこでおっさんと話始め、「ここは報道の自由がないから実際どうなっているのか分からんな」と言うと「あんた、アホヤな。日本でもチリでも報道の自由があると、あんたらはそう思い込まされてるんや。ホンマは違うで」 
彼の言っていたことが当たっていたかな?            
元チリ中銀総裁が最近のチリの成長が伸び悩んでいるのはバチェレット政権の問題とし、例えば労働法案の問題を取り上げました。いつも書いていますが投資が伸びないのがこれらの問題に関連しているわけですね。
それからバチェレットの息子の嫁がアメリカ出国許可を裁判所に2回目の申請をしましたが、裁判所は出国の理由はバケーションでは無く、仕事探しと判断し、2回目も拒否しました。もうチリではあまりに悪名が上がってしまい、何の仕事も彼女の所に来ないのでアメリカで新天地を探そうとしている様子。悲惨ですね、彼女の将来。
2)大統領選挙
候補者の一人ギジェルは内務大臣をアルツハイマーと呼びました。いろいろ話をしても後で約束を守らないからとか。勿論、反響があって、味方内でそこまでひどいクレームを出すべきではないだろうと言う声が多く出ています。                    
ボリビアの海問題でチリ代表チームに入っていたインスルサがそれを辞職し、大統領候補になる方針を見せました。
ラゴスがチリの問題の多くはバチェレットの責任とするとコメント。例えば公共運輸のトランサンティアゴの失敗は彼女の責任だとしています。第2次バチェレット政権の目玉だった労働法案・教育法案とか全部どうなるか分かりませんね。公約の病院建設もほとんど約束が守られないうちに彼女の任期が終わりそう。
上記3名の他に与党側から立候補しそうなのが、まだいます。それらを第1次予備選挙で絞っていくわけです。
3)共産党の停滞が目立ってきました。先の労働総連トップが選挙で負けたのに、その女性組合長はDCと組んで、席を譲らず粘っていますが、教員組合のトップを約10年も続けた、これも共産党員が今回負けました。新しくトップになった人間は、今までの共産党の方針は教師を助けると言うより政府に反対することを目標にしていたみたいだと批判。
本家の共産党も先の選挙で投票数が大幅に下がり、当選した区長や市会議員の数も減少。共産党はもう嫌ですと市民に門戸を閉ざされています。
カストロの死去の後、キューバ大使館を訪問した共産党カストロは労働者のために働き、労働者の地位を高めたと評価。つまりチリ国民は何故、私たちの仕事を評価しないのか疑問視しているのでしょう。