(政治)

1) 地方選挙の結果
その前に、前哨戦で、今週は風が吹きました。二つあります。まずは選挙人名簿のエラーに関し、実際の居住地で投票可能にすると言う超法規的方法の改正案で、うまく行けば一日で国会が承認し即日新法案になるはずでした。しかし政府案が国会に到着する前に、国会承認が得られないことがはっきりし、政府は案を取り消し。問題放置で日曜日の本番を迎えることになりました。
それから内閣の小改造です。3人の大臣が入れ替わりました。その一人は法務大臣。彼女は少年保護施設の崩壊状態、刑務官の破廉恥な年金問題、この地方選挙の選挙登録の異常な状態など、責任範囲ですべて失敗している感じでしたが、個人的に彼女はバチェレットと良い関係だったので、誰も非難・批判は抑えていました。しかしここに来てバチェレットも彼女の交替を余儀なくされたみたいです。
新任の大臣は「選挙の登録制度のエラーに関し、現在調査中だが、結論が出た段階で、誰に責任があるかはっきりすれば、私はその人間に責任を取らせることを言明する」
確かに検察は誰に責任があるのか調査を始めています。
国会議員の一人が、前回と今回の投票場所が変わっていることを知らず、投票所に行ったら投票できなかったとか。 
しかし交替の僅か3日後に、野党の方から、その新大臣はある会社と関係があって、その会社が登録制度の変更手続きをやっていたのだから、彼は即刻辞任すべきと訴えました。
バチェレットが個人的に新大臣を選ぶわけはなく、大統領府の2階部隊が選定しているのですが、力が足りないのですね。
それからエネルギー大臣が変わりましたが、彼は次期の大統領選挙に立候補するラゴス元大統領グループの選挙参謀になります。もう一人は何故替えたのかはっきりしません。
与党側からも、この改造の意味が不明、もっとはっきりした改造をしてもらいたいとクレームが出ています。
元DC党首のウォーカーはこの新内閣でバチェレット政権の最後の1年をうまく走り抜けるとは思えないと厳しいコメント。新聞に政府と与党の関係は破滅、離婚状態と書かれました。
さて本題の地方選挙ですが、バチェレットは投票所で2回、ドジを踏みました。一回目は身分証明書(カルネ)を投票所に置き忘れたので取りに戻り、2回目は投票が終わって外に出てから、投票時に投票戸籍本にサインするのを忘れたことに気づき、元の場所に戻ってサイン。サインがないと2度も投票できますからね。
しかしおばちゃん、まだ70歳になってないのに、物忘れがひどなったね。 夕方からモネダ宮殿に大臣など関係者が集まりこの結果を話しあったようですが、テレビカメラの前でバチェレットは「与党側の市長がかなり減少しました。市民の声を真摯に聞いてこれからの道を考えていきたいと思います」と敗戦の弁。選挙の結果は野党側の勝利と言えるでしょう。来週から与党側の内部分裂は目を覆うようなひどいことになるでしょうね。  バチェレットにそれを抑える力はありません。
この選挙で注目されるべきなのはバルパライソで、与野党の候補でない無名の新人が勝ったことです。与野党の有名党の候補者はどれも似たようなもので新しい風が欲しいところ。それを私は前回の大統領選でMEOに期待したのですが、彼も同じ古だぬきと分かって拒否。それでこのバルパライソの選挙に勝った小政党に目を向けるつもりです。