(政治)

1) バチェレット
彼女はあちこちに顔を出しています。ワインの日、老人のお祝いの日(チリでは9月になると冬が終わったから、老人はもう1年生き延びられるとお祝いをします)とかの集会で、深刻なものではないので、にこにこしながら市民の話を聞いていました。厚生年金反対グループとも面談しましたが、そう深刻そうな顔をしていませんでした。
しかし10月の地方選挙で予党側が惨敗すれば、顔が引きつるでしょう。大統領がこのままでは次の国会議員選挙に影響すると与党議員がバチェレット排除の動きをしたりするとブラジルと同じことになりかねません。
ブラジル国会が大統領を罷免したとき、同じ系統の左翼政権のベネスエラ、エクアドルボリビアは自国の大使を本国に召還し抗議の意を表明しましたが、同じ左翼系のチリは全くその流れに乗りません。これは左翼系が勢いを得ている時期なら、チリも同調したかもしれませんが、左翼系は全て落ち目なのは明らかで、それらと同調してはいけないと政府内で同意に達していたのでしょうね。
アルゼンチン、ブラジルと続けて左翼系女性大統領が消えましたが、次はやっぱりチリでしょう。
次の大統領選挙に元大統領のラゴスが出馬を発表しました。ずいぶん早い決断ですが、それはバチェレットを見限ったことの表明です。このままでは現与党は崩壊するので、それを防ぐため自分が先頭に立って、次期政権も中道左派が握るとするわけですね。彼は80歳に近い年齢なので、大統領職に就くのはムリという見方もあります。
世論調査では、次は再度右翼側のピニェラが選ばれるだろうとなっています。ピニェラが18%、ラゴスが5%、誰も入れる人がいないが44%とか。
2) 検察問題
先日、漁業会社と議員の賄賂関連事件を調べている検事が、検事総長からにらまれその仕事を外されましたが、彼はおとなしく「はい、わかりました。他の仕事をします」と言わず、上司に反抗する姿勢を見せました。
「自分は間違ったことはしていない。今は検事総長に嫌われても、いつか、自分の仕事が評価されるだろう」と考えたのでしょうね。もっと言えば、大統領が変われば総長は飛ばされるだろうと見たかな? 
検事総長は検察内で大地震が起こっているとは思わないとコメント。ホンマかな?
少し前に検事から、未成年保護局長になった女性に関し、彼女は児童が性的悪戯を受けたと訴えがあった事件で、裁判まで持って行った件数が他の検事よりはるかに少なく、さらに勝訴したのはさらに少ないと能力・意欲を疑問視する声が出ています。彼女は証拠が少ない案件が私に回ってきたからと訳の分からない反論。
それなら大地震の後のツナミに対する政府の姿勢が問われた時、それを不起訴にしたのと同じかな?
三権分立と言いながら、バチェレットが声をかけて好きなように裁判・検察を動かしているみたい?? 
その新局長は社会党系ですが、局長になっても検事の時代と同じように、他人と強調して仕事をするのではなく、彼女の好みで仕事を進め、局長の上に立つ法務大臣と口もきかないとか???
労働者連合の会長選挙が8月25日に実施されたのにその結果が発表されませんでした。現職の共産党員候補と前職の社会党員の二人の争いです。1週間も結果が発表されなかったのですが、最終的に社会党系が勝利したとか。
敗戦した共産党現職が何処かに問題点を見つけ再投票をさせようと目論んだみたい。 
 本当に汚い政治の世界ですね。             そんな組織に属する労働者って幸せなのかな? 
労働法改革として、そんな組合にスト権を与えようとする政府案なんて、値打ちあるの?