(政治)

1) バチェレット
今週はドイツの首相がモネダ宮殿を訪問し、彼女と面談・食事をしています。ドイツの大統領の訪チなら盛り上がるでしょうが、首相のことは誰も知らないみたいでした。
翌日の新聞にドイツ政府の陳謝として、首相の側にコロニア・ディグニダド(尊厳コロニー)の関係者が入っていたとしました。そのドイツ・コロニーは軍事政権時にチリ軍の秘密警察と組んで左翼の拷問・殺人を犯したところです。
さて彼女は今週は国内旅行で最北端の街アリカに行きました。
彼女の海外旅行の費用ですが、2014年は4百万ドル、15年は350万ドルでした。前東京都知事より上ですね。
ところで、彼女の息子夫婦のカバル問題も進展があり、息子とその嫁が別々に検察の調べを受けています。これも一気に大ニュースになる日が来そうです。
ボリビアとチリはハーグ国際法廷で「ボリビアの海」問題で争っていますが、この日曜日、ボリビア外相がチリ入りしました。ボリビア・チリの協定がどう実行されているか、アリカとアントファガスタで検証すると言うものです。チリ側はボリビア政府がチリ領土の中であたかも自国領のようにふるまうのはいかがなものかとクレームしています。
同法廷で先日フィリピンの要請が通り中国に警告が出ましたが、中国は全く意に関せずですね。同じようなことがチリにも起こるのかな?
2) 刑務庁(刑務局かもしれません)問題 
長官が辞任しました。法務大臣の要請でした。彼は私にとっては苦渋の決断だが政府への援助のつもりとコメントしています。
もちろん、野党側はブランコ法務大臣も責任を取って辞任するよう要請を出しています。 
新任の長官は組織から選ばれたのではなく、与党のPPD関係者です。それに関し刑務庁の内部で批判の声も出ています。  問題になったのは、不法の治療休暇問題です。現在6か月以上の休暇を取っている職員596人の中で123名が不法として解雇されました。休暇が必要と認められたのはわずか数十人ですから、残りの何百人も解雇される可能性はあります。 仕事に就けないとして医師の診断を提出しているのに家族と休暇旅行に出ているなどの例が報告されています。
刑務官の組合は私たちは24時間命を懸けて囚人と対面しているわけで、精神的な問題から障害が出るのは避けられない。それを不法とするのはいかがなものかと拒否の姿勢。
またアリカの青少年を収容する保護施設(簡易拘置所)から10数人が脱出し、問題になっています。法務大臣は慌ててアリカに飛ぶ予定ですが、近年、そうした少年保護の施設で100人以上の死亡が確認されており、彼女の仕事ぶりが疑問視されています。
3) 教育問題はどうしようもないほどですが、大蔵大臣はむやみに無償化を進めるのははっきり無責任とコメントしていますから、与党内でも紛糾状態。
野党側はいつか無償化を完成させると言うのは公約違反も甚だしいとクレーム。
しかしラテンアメリカ諸国の大学ランキングでベスト5に入ったのはブラジルとチリだけ。チリからチリ大学とカトリカ大学が入りました。しかしメキシコとかアルゼンチンはどうしたのかな?
4) 年金問題ですが、年金が少ない人には政府が援助して、誰でも最低賃金くらいはもらえることにしようと議員が提案しました。大蔵大臣はにこりともせず財源がありませんから、全く実現不可能ですとコメント。
しかし私は貧乏人の味方ですと、こうした提案を無責任に持ち出す輩を次の選挙で落としたいですね。ホンマ、無責任の塊や。
チリの命綱と言われた銅産業の落ち目がひどく、国家収入の第1番の財源はその銅から消費税に変わりました。国民のみなさん、もっと買い物してくださいねと言うところです。