1) 労働法案
とうとう国会で政府案が否決されました。野党と与党のキリスト教民主党DCの一部が反対したためです。審議を2階の観客席から見ていた労働組合連合が、特に会長が、大声で批判し、警察に退去させられました。彼女は大声で議員・議長を罵倒。卑怯者のお前たちに用はないと。労働大臣はこれで法案が終わったわけではなく合同委員会で再審査するので、必要なところは修正し、最終的に本会議で通したいとしました。
経団連などは政府の努力を認め、「極端でない労働修正案を成立させてほしい」と要請。
2) バチェレットは10か月前に辞めさせた内務大臣のペニャイリジョについてコメント。それによると、「あれから一度もあったことは無いが、彼の有能さは良くわかっているから、またどこかで友好関係を持ちたい」
どこかの省の大臣に起用するのかな?
その男がバチェレットの息子夫婦問題が起こった時、大きく取り上げないようにし、その作戦通りバチェレットは「マスコミで初めてこの事件を知った」と白を切ったわけです。 後でこの作戦が失敗だとわかり、内務大臣は自分の職を失いました。
その息子の父親がマスコミとのインタビューで私の息子は何も泥棒して盗ったものはないとコメント。彼はバチェレットの元の夫ですね。息子は銀行で金を盗んだのではないけど、政府の情報を盗んだのですよ。与党側の議員が自己批判はないのかと言っています。野党では無いですよ、与党側ですよ。
新聞の投書に大統領の息子の嫁が毎月、警察署にサインに行く義務があるなんて世界のどこにあるのかと出ると、翌日に大統領の息子の嫁が銀行をだまして資金を借り受けるなどどこに国にあるのかと出ました。
何だか新聞の読者はお互いを馬鹿にして楽しんでいますね。その息子夫婦の会社問題を担当していた検事が変わりました。そんなのどうでも良いと言うのか、厳しい検事を替えて柔らかめなのにするとか・・・。
バチェレットは司法界が国民の信頼を失っているとコメントしました。裁判所の決定が国民の理解・支持を得ていないと言うわけですが、もちろん政界も同じですね。
2年目に入ったバチェレット政権ですが、どの指数を見ても落ち目が鮮やか。あと2年どうなるのかな?
マプチェ問題は毎週チリの風にでてきますが、バチェレットは無策で一向に問題の軽減がありません。今週は教会と学校が放火されました。アカンな、ホンマ。
今週、バチェレットの父親が殺されて42年目を迎えました。
彼は空軍のトップでしたが、ピノチェットとぶつかり、刑務所に入れられ仲間の軍人に拷問されて死亡したもの。先週、オスカルを受賞したチリの作品は軍事政権下の誘拐拷問殺人を取り上げたものですが、バチェレットはその作品を正常には見られないでしょうね。
3) 今週の最大のニュースは右翼UDI党の大統領候補までなった
ロンゲイラが30数年間の歴史の後、同党を離れました。政治寄金問題で訴えられているので党に迷惑をかけないよう離党したもの。同党の党首は彼の無罪を信じていると発表。
鉱山関係の会社にローヤリティとして新しい税案を作ったのはピニェラ政権ですが、大地震の復興のための資金つくりのため必要だったと説明されています。その新法案が鉱山会社にどのように影響するか、如何にすれば少ない金額で逃げられるかなどをそのロンゲイラはソキミチ社に連絡し、金を受け取っていたとされています。両者の間で交換されたメールは司法の手に入っています。
その法案を廃止・改訂すると言う案も与党側から出ていますが、止めれば税収が減少するわけで、誰がやったかが問題ではないですよね。営業不振に苦しむ鉱山会社にはそうなれば朗報でしょうが。
選挙資金の不法入手で国会議員(右も左も現職も前職も)の多くが問題視されていますが、社会党の元議員オミナミが特に注目されています。自分は無罪だとマスコミの前で言っていますが、結論はどうかな?
大統領候補になった彼の義理の息子(エンリケ)は選挙運動の時にブラジルのプライベート飛行機を3か月利用しています。その巨額の費用の支払いがないので外国から資金援助を受けたとし問題になっています。チリの法律では外国人(企業)からの援助は認められません。ホンマ政治家は右も左もみな汚いね。