(一般)

1) 不正投資
派手な話題になっています。最近出来た投資会社が、月間5−10%の利子を投資者に支払い、それにつられて数千人が資金をつぎ込み、10億円以上の負債を残して最後に破産。
オーナー3人が逮捕されましたが、彼らの資産をすべて換金して債務に充てても10%にもならないとか。通常の銀行金利では月間0.35%が妥当ですから、その10倍以上払うなんて考えられませんね。
それでも最初の1年以上、高金利を支払ったので、利益が出ると見込んだ人間が、手持ちの金だけでなく自分の家を形にして銀行から金を借りてこれにつぎ込んでいたりした様子。
これって日本ではねずみ講と言うのですよね。チリでは10年に1度くらいこの不正投資会社が出て話題になります。同じ手口で沢山の人が引っ掛かるわけですね。
そのインチキ会社にスポットが当たると、似たようなことをやっていた他の会社の話も出はじめました。
2) チリのパスポート
2014年の世界ランキングでチリはビザなし入国可能な国が155か国でこれは世界で19位。ラテンアメリカの首位に位置します。これは世界にチリが信用されていることを意味し、経済的な規模の大きさだけでなく、チリの安定した政情が評価されているわけですね。良かったね。
3) マプチェ問題
毎週同じですが、今週は一段と派手になり、チルアでマプチェがトラックなど12台に火をつけました。そこへ警察が駆けつけ、彼らと銃撃戦に。しかし逃げないで撃ち合うわけですね。二人逮捕されました。そこは近くの町村を入れても人口1万人にもならない小さな地区なので、大げさに言えば、警察がチェックすれば全員の情報が入ると思われますが、事件は一向に収まりません。 
政府が警察を批判すると警察側は秘密警察CIAが発展していると言われるアメリカで911事件で飛行機がビルに激突した事件を取り上げ、情報収集なんて簡単なことではないですとコメント??? 
国会議員のナバロは土地をマプチェに戻さなければ事件は終わらないと言っています。 
世界中でこの種の問題がありますが、民主主義の本山と言われるアメリカも白人が欧州から来て土地の先住民を殺していったわけですね。ハリウッドの映画ではシャイアンとかチェロキーとか悪い人間・種族のように描かれますが、進んだ武器をもって彼らを殺していったのは白人ですね。
ラテンアメリカでスペイン人がカトリックの名を使って行った犯罪もひどいですが、同じことがチリではマプチェ問題です。その他にパタゴニアの先住民を殺した歴史もひどいです。日本も同じ問題を持っていますが、表面に出ないですね。 それらの過去をどう清算するか、そしてその清算を一番賢明に実現するのはどの方法かということになります。
チリでは先住民に教育援助を行っています。マプチェとかラパヌイ(イースター島)の子息はほとんど無料で教育を受けることが出来ます。
それだけではなく、ラパヌイから本土に来る飛行機代も彼らには大幅な援助があるようです。
マプチェは土地の取得が他のチリ人よりはるかに容易にできると言われます。昔チリの会社で働いているときに言われましたが「藤尾さん、藤尾の森を手にしたいなら形だけでもマプチェの女性と結婚すれば、簡単に入手できますよ」
それだけ政府が援助してもマプチェ社会の発展は遅く、第9州(テムコが州都。マプチェが最も多く住んでいるところ)は平均収入がチリで最低です。つまり政府援助はほとんど意味をなしていないことになります。土地を手に入れてもそれをどのように上手く運用するか分からなければ意味がないわけですね。教育と土地援助では十分でないと言うことになります。それでは、何をする必要があるのか?