2) オスカル賞

チリの短編人形アニメ映画がオスカル賞を受賞しました。チリとしては初めての受賞です。
それがどう政治と関係するの?と聞かれそうですね。 
「ある熊の歴史」と言うタイトルのその短編映画はピノチェット軍事政権下で被害に会った家族のことが表現されています。バチェレットも同じく海外に逃避した中に入ります。
受賞者がチリに帰ってくるとバチェレットは彼らを飛行場からまっすぐモネダ宮殿によび、喜びを分かち合いました。
チリの闇と言う本を私は持っています。中王子聖の作品です。それは軍事政権下で行方不明者になった子供を持つ家族の証言です。ある日突然、家族の一員が行方不明になり、そのまま戻ってこなかったわけです。
私は大学の時、全国学園闘争で反政府運動をしていましたが、それをチリでやっていれば、その行方不明者の一人になっていたでしょう。
新聞の投書欄に、この映画の製作費用は2500万ペソだったが、政府は全く何の援助もしなかったと書かれました。文化省のトップもこのお祝いに参加していましたけれど。
3) 国会内の混乱
労働法で与党内が混乱。野党側は政府がキリスト教民主党DCを立てるため法律の一部を替えると左翼の共産党が反対し、まるでテレビドラマを見ているようだと馬鹿にしています。 労働組合共産党が、組合がストに入った時、会社が組合に入っていない従業員を他の部門から移動させる、もしくは社外から雇用するのを認めると言う項目に反対して前に進みません。DCは労働組合がチリを抑えていると思うのは間違いとコメントしています。
国会問題ではありませんが、選挙が近づいてくると政府・政党もどうやれば勝てるか真剣になります。チリの選挙制度は少し前まで選挙人登録は自由性、しかしいったん登録すれば登場は義務制でした。それを一転させ、登録は義務制、投票は自由性にしました。このため投票率は以前はラテンアメリカでトップでしたが(約100%)が、現在はほぼ最下位(約40%)。これを何とかするため投票の義務制に戻ることを検討中とか。 
アホヤな。自国の国民性をちゃんと検討できないなんて。