(政治)

1) バチェレットの人気
支持する層が少し上がり29%、支持しないとする層が少し下がり67%になりました。人気回復の知らせですね。しかし何でかな?何が理由で人気回復しているのでしょうか?
市民登録局は39日のストの後、金曜日にやっと解決しましたが、バチェレットはほとんどこの問題の表面にでていません。教育の無償化も同じような問題を長い間抱えて一向に進展がありません。犯罪の増加で市民が困っているのに彼女の決断はありません。一番大事な景気回復に何をすべきかも表立って表明することもなく、彼女の目立った仕事は単に町や村の行事に参加して参加者とニコニコ写真を撮るだけのようです。
次期大統領候補として人気があるのはエンリケ, ピニェラそしてラゴスですが、そのラゴスは私は候補者になるのには年齢を取りすぎたと候補者辞退を報告してレースから外れました。現在の与党にはパットした候補者がいません。キリスト教民主党DCの前党首がエンリケの所属する党を現在の与党グループに入れるのを認めるなら、同じドアを使ってDC党は外に出て行くとコメント。与党内で亀裂が入っているのは事実ですね。
2) チリ紙談合
先週、爆発したこの談合問題ですが、その一つの会社CMPCと言うのはチリ発の国際企業でチッシュペーパーなどの分野でチリでは75%のシェアーですが、ウルグアイではなんと80%、ペルーで56%、アルゼンチンで43%など、ほとんどのラテンアメリカ諸国に進出しています。日本の経団連にあたるソフォファは裁判が終わるまでこの会社を組織の外に置くことにしました。
3) ボリビア・ペルー
ボリビアのモラレスは欧州を訪問。ドイツのメルケルはチリとボリビアの問題に関し、両国の話し合いの機会を設けてほしいとコメントしました。ボリビアはドイツも自分たちの側に立ったと大喜び。話し合いの場を設けるのはボリビア有利と同意義ではないと思うのですが。
ペルーはチリとの国境線で問題になっている三角点(第1号塔)に十数名の兵士を送りました。そのポイントが2国の領海の分岐点なのですが、そのポイントの近くの3角形の土地がまだ誰のものかはっきりしません。そのポイント前後2百メートルに近づくときは相手国に事前に通知することになっていますが、今回は連絡がなかったとチリ政府は抗議。ペルーはそんな事実はないと逆に問題を投げ返してきました。 新聞に写真が乗りましたが、確かにペルーの兵隊がそのポイントの近くに集合しています。どういう魂胆からペルーは白を切るのかな?この問題が起こった次の日にもペルー側から誰かが侵入しています??? 
チリ政府は近い将来にペルーと合意されていた面談などをすべてキャンセルする方針です。
4) トラック業界の動き
まだ噂ですが、トラック業界の抗議行動が起こりそうです。第9州でマプチェによるトラックへの放火が問題になっていますね。8月にモネダ宮殿の前に焼け焦がれたトラックをもってきて抗議をしましたが、一向に問題が治まらないことから 全国的な抗議行動としてストに入る可能性があります。 アジェンデ政権の失策に抗議するトラックのストは国中に大影響を与えましたが、似たようなことが起きる可能性があります。南北に長いチリでトラックが止まれば、たちまち市民生活に影響をだします。スーパーマーケットに商品がなくなれば無策バチェレットへの抗議が街中を埋め尽くすでしょう。
5) 電力問題
電力と言うと三つの分野に分かれます。発電・送電・配電ですね。チリには外資がこの分野にも入っています。例えばエンデサですが、そこは南米数か国に投資をしています。
日本で配電の自由化が行われ、各家庭は配電会社の選択ができるようですが、チリでは最近、配電分野で入札があり、多くの会社が参加したので、この先、価格が下がると見られています。
しかし目に見えて変わったのは政府の政策です。今年に入り今まで自然破壊の理由で抑えていた水力発電ダムの建設が再開しそうです。自然破壊問題より経済の再開発の方が重要と言うわけでしょうか。
さらに原子力発電所が話題になっています。エネルギー大臣は原子力発電について私たちは最終決断をするに必要な準備をしていないと、今までのコメントは違い、原発の可能性を示唆しています。
粉飾決算で問題になっている日本の会社のプラントをチリに持ってこようとしているのではないでしょうね。事故から何年たっても汚染排水問題が止まらないわけで、福島で恥をかいている日本が、同じ地震国のチリに原発を作るのは止めてほしいです。
そして大臣は2035年にはOECD諸国の中でチリを3番目に電気代の安い国にしたいとしました。現在はチリの電気代は全く逆で、ラテンアメリカ諸国の中で最も高価な国です。
再生エネルギーによる発電を2035年には60%を目標にしたいとか。